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◆黄昏の赤◆
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1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
31:
緋恋◆lZf.ArgVp2
男は動かない。死んでいるのかと思った。頬に触れると雨で冷えているものの暖かい。
……熱がある
体を揺すってみる。男はゆっくり薄目を開けた。ヘイゼルの目。
「…………れ」
血の気のない唇をゆっくり動かして何か言った。聞こえない。2007-05-29 20:55:00 -
32:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「…え?何?」
男と目が合う。
…ああ、こういう目をみた事がある。男がまた唇を動かす。今度ははっきりと聞こえた。
「殺してくれ」2007-05-29 20:59:00 -
33:
緋恋◆lZf.ArgVp2
そう言うなり男は目を閉じる。
あたしは大雨のなか男を引きずって帰った。
その間雷鳴はずっと鳴り響き、男は一度も目を覚まさなかった。2007-05-29 21:04:00 -
34:
名無しさん
.
2007-05-30 14:39:00 -
35:
名無しさん
主さん
読ませて貰ってます
頑張って下さいね
大ファンです2007-05-31 01:02:00 -
37:
緋恋◆lZf.ArgVp2
>>35 その豪雨は夜が明けて次の日の夜が更けるまで続いた。
空が破けたのか、怒っているのか街を叩きつけていた。
赤い月もしばらくの間姿を隠しているようだ。
2007-05-31 01:20:00 -
38:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「…雨、止んだ」
あたしは汚い床に毛布をひいて地べたに寝ころんでいる。ベッドには得体の知れない男が昨日から眠り続けているから。浅い眠りをいったりきたりしていたが、雨音が消えたのがなんだか不安で目が覚めた。
……なんだか明るい?
ベッドの脇のカーテンを男を踏んづけないように開ける。
まんまるの月が白く柔らかく発光する。この街で滅多に拝めない静かな夜。2007-05-31 01:28:00 -
39:
緋恋◆lZf.ArgVp2
いつもゴミにしか見えないネズミ色の街。白く照らされた街は知らない街のようだ。
「綺麗だね。」
いつの間にか男は目覚めて一緒に外を眺めていた。
「うん…」
その一言だけ話すと男はまた目を閉じる。しばらくして寝息が聞こえだした。2007-05-31 01:35:00 -
40:
緋恋◆lZf.ArgVp2
美しい夜。素性のわからない美しい男。穏やかな気分。
いつもと全く違う夜なのになんの違和感も戸惑いもない。
その位、静かな夜だった。
毎日こんな日が続けばいい。明日なんて来なければいい。なんだか胸が痛むのは目を閉じて開ける頃にはこの平穏がまた遠く遠くなるのをしっているから。2007-05-31 01:42:00