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◆黄昏の赤◆
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1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
384:
主◆lZf.ArgVp2
ねえ ねえ ねえ ねえ
死んでない 死んでない 死んでない しんで………………
2008-06-26 04:05:00 -
385:
主◆lZf.ArgVp2
数人の仕事関係であろう男数人がスミトモを囲んでいる。その中の一人が開いたままのスミトモの目を閉じようとしたけれど、死後硬直が始まっているのかその目は閉じなかった。
泣き叫んでいるだろうと思ったレイチェルはその姿をじっと見つめている。
少し離れた所に大声で泣き叫ぶ女が男に支えられて立っていた。今にも泣き崩れそうだ。
「ああ、あれ?スミトモの女よ」
2008-06-26 04:13:00 -
386:
主◆lZf.ArgVp2
そんな事にはまるで興味が無いというふうにレイチェルは言ってのけ、レイチェルはあたしとアメに抱擁すると「スミトモを見てきてやって」と耳元で囁いた。
スミトモの頬に触れる。冷たい。
痛々しいスミトモの最期より、今までのスミトモの憎らしい笑顔のほうが頭に浮かぶ。
耳に声が聞こえる。2008-06-26 04:24:00 -
387:
主◆lZf.ArgVp2
今だってそこの路地からふいに出てきそうなのに。
『よぅ〜アンじゃん』
2008-06-26 04:26:00 -
388:
主◆lZf.ArgVp2
「……スミトモっ」
大きすぎる悲しみは言葉を伴うことすらできない。重い痛みとして心を、体を、押し潰す。
痛かったろうに。死にたくなかったろうに。生きたかったろうに。2008-06-26 04:32:00 -
389:
主◆lZf.ArgVp2
「…ずっと怖かった、いつかこんな日が来るんじゃないかって。…ずっと…ずっと。ずっと怖かったのに」
レイチェルはぼんやりと呟く。少し離れたスミトモを見つめたまま。レイチェルにもきっとあの憎らしい笑顔が駆け巡っているのだろう。
スミトモの遺体は運ばれて行き、レイチェルは店の人間に付き添われて帰って行った。2008-06-26 04:41:00 -
390:
主◆lZf.ArgVp2
アメに引きずられるようにしてあたしも家へ向かう。
お互い発する言葉なんてない。
日が上り明るくなった街。なんて無情なんだろう。
2008-06-26 04:45:00 -
391:
主◆lZf.ArgVp2
気付いた事があった。
スミトモの頬に触れた時、スミトモが手に何か握っているのを見つけた。
青い布の切れっ端。多分シャツか何かだと思う。
あたしはそれにはっきりと見覚えがあった。2008-06-26 04:49:00 -
393:
名無しさん
お疲れ様?
2008-06-26 06:50:00