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◆黄昏の赤◆
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1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
414:
主◆lZf.ArgVp2
理由が欲しいと思った。スミトモが死ななければならなかった理由。一人のマフィアの人間が死んだ理由はあたしが友をうしなった理由にはならない。
アメに自らが言った言葉を、誓いを思い出す。“全てに目を背けない”
知らなければ。友として友が何を考え、思い、死に至ったか。2008-07-10 03:27:00 -
415:
主◆lZf.ArgVp2
スミトモはあたしに友情をくれた。貰ったものからあたしは得がたい物を得た。それはあたしが人でいる為に必要なもの。とても大切なこと。
あたしは昔のあたしじゃない。だから今までみたいに仕方ないとか関係ないとかそんなふうに目を逸らす事なんてもうできない。2008-07-10 03:31:00 -
416:
主◆lZf.ArgVp2
何ができるかなんてわからない。なんになるのかなんてしらない。
「でも…行かなきゃ」
このまま何もしないなら死んだ方がましだ。大丈夫行く道はスミトモが照らしてくれる。2008-07-10 03:35:00 -
417:
主◆lZf.ArgVp2
ドクターに気付かれないように部屋をでる。足音を鳴らさないように階段をおりて、そのまま走った。以前スミトモと歩いた道。丁度アメと出会った日だった。夜中なのにも関わらず月明りで街は明るい。
スミトモがあの日、鞄をもってくれるって言った時「ありがとう」と言えば良かった。
2008-07-11 04:08:00 -
418:
主◆lZf.ArgVp2
スミトモが握っていた布キレ。あの日あたしは確かに見た。
『相変わらず服の趣味が最低。どこで買ったかわからないような柄シャツ着てた』
ドクターとかわした会話。2008-07-11 04:16:00 -
419:
主◆lZf.ArgVp2
あれは、ステファンが着ていたものに違いなかった。
2008-07-11 04:18:00 -
420:
主◆lZf.ArgVp2
走ってきて乱れた息の音が響く。軽く深呼吸をして沸き立つ血潮の感覚を沈める。
「ステファン、いるんでしょ?入るよ」
少し間を置いてから「どうぞ?」と小馬鹿にしたような調子の声が聞こえて、あたしは扉をあけた。2008-07-11 04:39:00 -
421:
主◆lZf.ArgVp2
無言で座る。体が沈み込んでしまいそうな位軟らかい素材だった。
「それ、お前用に買ったんだ。全然来ないけどね、アンは」
なんの間柄でもないのに笑いながらそんな事を言うステファンに困惑していると男がぎこちない手つきで紅茶を持って来た。
「せっかくいい葉なのに淹れ方がわりいなあ」2008-07-11 04:55:00 -
422:
主◆lZf.ArgVp2
ステファンに熱い紅茶をかけられたチンピラ男はすいませんを連発しながら床を片付け出し、それをステファンは蹴りつけ、あたしにむかって八重歯を見せて笑った。
2008-07-11 05:04:00 -
423:
◆lZf.ArgVp2
「…お茶とかいいから」
「チョコレートの美味しいのがあるから食べない?」
「……聞きたい事があるだけだから。」
「せっかく来てくれたと思ったら……何?そんな怖い顔して。まあだいたいわかるけど」
ちゃんとステファンの目を見たのは初めてかもしれない。真正面から向き合うとステファンの視線はもう恐ろしくはなかった。2008-07-11 05:10:00