-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
◆黄昏の赤◆
-
1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
481:
◆lZf.ArgVp2
>>496 一歩一歩近付いてくるステファンの足が見える。膝をついた彼はあたしの髪を引っ張って頭を持ち上げさせると顔を近付けてまじまじと見る。
「そっくりだよ。目が。だからお前だけが俺を罰せる。」
「…ちが…う。あたしは…かあさ…じゃな…ぃ」
「………わかってるよ。そんな事は」2008-07-19 04:04:00 -
482:
◆lZf.ArgVp2
「許され…たい…ん………だね?」
母さんを薬漬けにした男。こいつはあたし達の当時は普通と思っていた、今では夢の様な幸せな時間を壊した。憎しみはない。
どこで歯車が狂ったのか。ステファンは母さんを愛していたんだろう。確かに。
でも何かがぐちゃぐちゃになってしまってステファン自身どうしようもなかったのだろう。
許されたいがばかりに自ら破滅したがっている。自分を傷付ける事でしか、この人は生きてこれなかったんだ。2008-07-19 04:16:00 -
483:
◆lZf.ArgVp2
ごめんなさいと言っても苦しんでも、泣き叫んでも、どんな答えでもいいのに返ってくる声を聞く事はできないのだから。
あたしがお母さんに許しを乞うたところで返事がないように。
ごめんなさい、スミトモ。あなたを殺した人なのに憎いと思えない。
あまりにも哀れで。2008-07-19 04:22:00 -
484:
◆lZf.ArgVp2
「い…よ。許…してあ……げる。だか…ら、もう…誰も……殺さな……ぃで」
あたしにはできない。罰する事なんて。
気持ちがわかるから。いっそ誰かに罰せられて消えてしまいたい、そんな思い。
自分が少しも大切に思えない程、むしろ不幸になるのを望む程、罪の意識は重たい。
一人の夜、美しい朝、この世の全てに踏みにじられ押し潰され、えぐられる。毎日毎日それは続く。2008-07-19 04:30:00 -
485:
◆lZf.ArgVp2
死に急ぐ事で、破滅に身を投じる事でそんな思いから逃げようとしている。むしろその方が罪悪感は薄らぎ楽なのかもしれない。
でも本当は、幸せに生きようとする毎日の中で、苦しみを背負い続ける。
それが罰。2008-07-19 04:36:00 -
486:
◆lZf.ArgVp2
あたしはそう教えられました。アメに。ドクターに。レイチェルに。
もういないスミトモに。
そして母に。
罪には罰がある。ステファンがあたしに罰をと望むなら、そういうふうにこの人を裁く。
「……許…すよ」2008-07-19 04:43:00 -
487:
◆lZf.ArgVp2
髪を掴んでいた指が離れ、あたしの頬は再び冷たい床の感触を感じる。
目と鼻先すぐの床にぽつんぽつんと滴が落ちる。
ステファンの涙だ。
頭上から震える声が降って来る。つぶやく様に。
「許されたいわけじゃない………」と。2008-07-19 04:48:00 -
488:
◆lZf.ArgVp2
長いことそのまま静止したように時間は流れた。燃える様な痛みだった太股もズキンズキンと痛みが強まったり弱まったりの周期がくるようにまでなっていた。
痛みが弱い時にそっと動かすと痛みは走るもののちゃんと動く。神経なんかにはなんら問題はなさそうだ。出血も治まってきている。
ゆっくり体を起こすと、あたしの隣りで膝をついたまま放心したようにうなだれていた。2008-07-19 04:54:00 -
489:
◆lZf.ArgVp2
「だめだよ………アンジュ。お前が俺を殺さないなら…………………………俺がお前を殺さないといけない」
2008-07-19 04:56:00