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◆黄昏の赤◆
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1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
491:
名無しさん
たぶんみんなちゃんと見てて邪魔になるだろうとコメントがないんだと思います?
毎日見てるので頑張って下さい2008-07-19 06:43:00 -
493:
◆lZf.ArgVp2
>>507
ゆっくりと首に手が回された。冷たい手。その感触は七年前のあの日へとあたしを突き落とした。
「やだあああああ!!!!!!!!!」
2008-07-24 01:07:00 -
494:
◆lZf.ArgVp2
渾身の力を振り絞ってその手を降り払う。イモムシのように床を這いつくばりながら逃れようした。
それはステファンからなのか、あの日の記憶からなのか。手にガラスが刺さろうが、止まりかけた血がまた吹き出そうがどうだっていい。
「やだやだや…だ……ゃ…だ………やだやだやだやだ」
こ な い で2008-07-24 01:14:00 -
495:
◆lZf.ArgVp2
「アンジュ お前の苦しみももう終わる…………俺がお前を殺せばお前は天使になれる。すぐ会えるよ、べスにも」
実際には数メートル進んだだけで、あたしの前に立つステファンに見下ろされていた。
「もう泣かなくていい。」
少しの間その場を離れたステファンはハンカチを濡らして持ってくるとあたしを優しく起こして壁にもたれさせかける。涙と血でぐちゃぐちゃであろう顔を拭ってくれた。2008-07-24 01:22:00 -
496:
◆lZf.ArgVp2
まるで我が子にするように優しく………
「………あたし……死ぬの?」
「大丈夫。………一人じゃないから」2008-07-24 01:27:00 -
497:
◆lZf.ArgVp2
あたしをそのままにしてステファンはソファの所まで戻った。ぼんやりとその動作を見ていた。
アメ……ドクター…スミトモ……レイチェル…………………愛してる。
みんながあたしを救ってくれたんだ。ステファンをあんなふうにした闇はあたしの心にも確かにいるのだから。
「生きよ…………生……きて 償おう」
「…聞いて……生きよう……ステファン」2008-07-24 01:41:00 -
498:
◆lZf.ArgVp2
ステファンの心は取り返しのつかないところまで堕ちてしまったんだろうか
ちがう
だって貴方だって泣いたじゃないか2008-07-24 01:46:00 -
499:
◆lZf.ArgVp2
「こんなこ…と、誰も望まない……お母さんだっ……て」
陳腐な事を言っているのはわかっている。お母さんがどう思うかなんてあたしにはわからない。それでも
「あた…しは ステファンに………生きて…ほし……」
ステファンはこっちを見ようともせず、彼の手元はカチャカチャ音を立てている。例え、ステファンに届かなくても。それでもあたしは言わなくちゃいけない。2008-07-24 01:54:00 -
500:
◆lZf.ArgVp2
悲しみはここで終わり。母の死から始まった悲しみはもう繋げてはいけない。
あたしが運良く生き残り、幸福にも愛された意味はそこにあるんだと、今はそう思うから。
届かなくても届けなくちゃ。
「これ以上……殺さ…ないで………あた…しを殺さないで」
そして、なにより2008-07-24 02:01:00