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‐嘘と本音‐

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  • 1:


    俺の名前は信楽 楓。

    夜の街に生きる。

    多分、ここが俺の居場所。

    2007-09-13 12:04:00
  • 19:

    ―仕事か。
    と、朱はビールジョッキを眺めたまま、ポツリと呟いた。
    ―朱?
    俺が名前を呼ぶと、朱は、少し寂しそぅに、笑って言った。

    2007-09-20 14:31:00
  • 20:

    ―いつまで、続けれるのかしら。
    朱は、俺の眼を見て、フフッと笑い続けた。
    ―もぅあたしは、風俗嬢なんて、歳じゃないわね。だって今年27ですもの。

    2007-09-20 14:33:00
  • 21:

    ―風俗嬢が、一番輝けるのは、20代前半までね。
    ―でも、朱は、今でもNo.1だろ?
    ―そぅね。でも、もぅ疲れたわ。
    朱は、言い終わると、ビールを飲み干した。

    2007-09-20 14:37:00
  • 22:

    俺と朱が、出会ったのは、五年前。まだ俺が、ホストになりたての、下っぱだった時だ。その日も、キャッチに行っても、誰一人、捕まらず、俺は、途方に暮れていた。

    2007-09-20 21:55:00
  • 23:

    元々、人見知りが激しく、知らない人と、上手く喋れない俺。そんなだから、キャッチなんか、上手くいくわけがなかった。

    2007-09-21 01:00:00
  • 24:

    ―やっぱ、俺には、ホストなんか、向いてないんかな?と、意気消沈していた俺。―お兄さん、何処の店?
    道端で、しょぼくれていた俺に、話しかけてきたのが、朱だった。

    2007-09-21 03:29:00
  • 25:

    あの時、朱が話しかけてくれなかったら、俺達は多分、知り合ってもいなかった。そして、俺がナンバーに入る事すら、多分なかった。朱がいたから、俺はナンバーに入れたんだ。

    2007-09-21 03:37:00
  • 26:

    ―朱?
    今にも、消えてしまいそぅなか朱が、心配になり、つい名前を呼んでしまった。―なぁに?
    朱の、形の良い、綺麗な眼が俺を見る。俺は、何を言ったらいぃのか分からなくなり、朱から目線を外した。

    2007-09-21 03:41:00
  • 27:

    ―悪い。何でもない。
    俺が、そぅ言うと、朱は一回瞬きをして言った。
    ―変な楓。
    そして、少し笑った。

    2007-09-21 03:44:00
  • 28:

    それから、程なくして、俺達は、居酒屋を後にした。店を出て、広い通りに向かいながら、朱と俺は、他愛もない話しをした。そして、タクシー乗り場に着いた時、俺は朱に言った。
    ―何かあるんだったら、すぐ俺に言ってこいよ。

    2007-09-21 03:47:00
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