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  • 1:

    ◆5EJ71eKlNQ

    許せない人がいる。
    幼かった私の平穏な日々な日々を壊したあいつが…
    15年経った今でも憎い。

    2006-06-10 13:45:00
  • 2:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆうなちゃんの夢は何?」

    優しく微笑みながら問いかける母。

    「ゆう、ずっとママとパパとおるのが夢やねん☆」

    2006-06-10 17:55:00
  • 3:

    ◆5EJ71eKlNQ



    なぁ…おかん。あれからもう15年やな。。ゆう、ハタチなってんで?

    2006-06-10 18:51:00
  • 4:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ゆうの夢はもう二度と叶う事がない――。

    母が死んだあの日を思うと今でも胸がはりさけそうになる。

    憎しみだけがゆうを生かせてる。…もう終わらせていいかな。おかん。

    2006-06-10 18:53:00
  • 5:

    ◆5EJ71eKlNQ

    15年前の春だった。
    私と母はリビングで昼寝をしていた。

    『ピンポーン』インターホンが鳴った。

    2006-06-10 19:32:00
  • 6:

    ◆5EJ71eKlNQ

    母と女性が言い争っている声がリビングまで響いてきた。幼いながら嫌な気分になったのを覚えている…。

    10分くらい経った。
    目に涙を溜めた母が戻ってきた。

    2006-06-10 19:34:00
  • 7:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その日から毎日女性は家を訪れた。母は女性をリビングにあげると、私に外で遊んでくるように言った。

    そんな日が続いたある晩。父と母の言い争いが私の寝室まで響いてきた。

    2006-06-10 19:37:00
  • 8:

    ◆5EJ71eKlNQ

    父は家に帰らなくなった。

    「ママ−?パパ…今日も帰らへんの?」

    「ゆうなチャン。パパ好き?」

    2006-06-10 19:39:00
  • 9:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「うんっ」

    「…そっか」

    母はまた泣いた。

    2006-06-10 19:39:00
  • 10:

    ◆5EJ71eKlNQ

    父が帰らなくなって1週間が経った。

    「ゆうなチャン。ママとお出かけしよっか」


    2006-06-10 19:41:00
  • 11:

    ◆5EJ71eKlNQ

    略→なしです。

    2006-06-10 19:41:00
  • 12:

    ◆5EJ71eKlNQ

    母に連れられて行ったのは祖父の家、母の実家。

    「ゆうなちゃんよぉ来たねぇ。たかこ(母)もはよ入り」

    おばあちゃんが出迎えてくれた。

    2006-06-10 19:53:00
  • 13:

    ◆5EJ71eKlNQ

    夜――。
    「ゆうなちゃん、今日はおばあちゃんと寝ておいで」
    母に言われるがまま、おばあちゃんの部屋で夜を過ごした。

    2006-06-10 20:33:00
  • 14:

    ◆5EJ71eKlNQ

    目覚めると母は死んでいた。

    睡眠薬を大量に飲んだ自殺だった。

    祖父母は泣いていたが私は泣かなかった。母の死は受け止められるものではなかったから。

    2006-06-10 20:35:00
  • 15:

    ◆5EJ71eKlNQ

    遺書を発見したのは母の死から1週間が経った頃。

    父と暮らす事になった私は幼稚園にも行かず、毎日母の部屋にいた―――。

    2006-06-11 03:01:00
  • 16:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は『遺書』と書かれた封筒を、何故か誰にも言えず自分の部屋に隠していた。
    1ヶ月後、父は自宅で首をつって死んだ。

    『母の自殺』の責任から逃れるためだった。

    2006-06-11 03:04:00
  • 17:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私も若干5歳で
    「パパのせいでママは死んだ」と思っていた。


    だから不思議と辛くなかった。

    2006-06-11 03:06:00
  • 18:

    ◆5EJ71eKlNQ

    中学1年生。
    「お前の親ふたりとも自殺やろ?薬と首つりやったらお前は飛び降りやな」

    こんな事を言われ、両親の死後はじめて泣いた。
    何かが切れたように泣きじゃくった。

    2006-06-11 03:12:00
  • 19:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その日はじめて『遺書』を読んだ。

    封を開ける手がひどく震えていた。

    2006-06-11 03:13:00
  • 20:

    ◆5EJ71eKlNQ

    【死を選んだ馬鹿な私をどうぞお許しください。このまま生きていても私は永井春美を憎み続けるでしょう。私はそんな自分に耐えきれなかった。ゆうなちゃん。ごめんね…ママが死を選ぶ事によって1番辛いのはあなたですね。

    2006-06-11 03:20:00
  • 21:

    ◆5EJ71eKlNQ

    あなたの夢を叶えてあげる事はもう出来ないね。
    あなたには幸せになってほしいな、ママの分まで。
    お母さん、お父さん。今まで私をかわいがってくださって有難う。親不孝な娘を恥じてください。貴子】

    2006-06-11 03:23:00
  • 22:

    名無しさん

    読んでます

    2006-06-11 09:47:00
  • 23:

    名無しさん

    2006-06-11 12:06:00
  • 24:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>23さん>>24さん
    ありがとうございます。

    2006-06-11 12:09:00
  • 25:

    ◆5EJ71eKlNQ

    遺書を読み終えた私は、よく言い表せない気持ちで胸がいっぱいになった。

    【永井春美】

    この名前は私の一生涯の苦となる。今でも憎い女…。

    2006-06-11 12:11:00
  • 26:

    ◆5EJ71eKlNQ

    無事に中学を卒業し、施設を出た。私は寮つきのキャバクラで働く事にした。

    仕事に慣れてきた頃、香織おばさんの家を訪ねてみる事にした。

    香織おばさんは、母の学生時代からの親友。何か知っているかもしれない…。

    2006-06-11 12:37:00
  • 27:

    ◆5EJ71eKlNQ

    香織おばさんと会うのは母の葬式以来、10年ぶりだった。

    おばさんの家の前で、インターホンを鳴らせずに躊躇していた。

    「あのぉ…何か御用でしょうか?」

    2006-06-11 12:40:00
  • 28:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…ぇえ!?もしかしてカナチャンじゃない??」

    「はい…え〜っと。。どちら様でしょうか」

    「キャー!久しぶり!ゆうなやで!」

    2006-06-11 12:44:00
  • 29:

    ◆5EJ71eKlNQ

    カナチャンはおばさんの娘さんで18歳。昔からよく遊んでいた友達だ。

    10年ぶりに会うカナチャンに感激しながらおばさんに会いにきたと言った。

    「おかぁさんに用事で来たんやぁ。どぉぞあがって」

    2006-06-11 12:49:00
  • 30:

    ◆5EJ71eKlNQ

    家にあがらせてもらうと、なんだか懐かしい気分になった。

    「ゆうなちゃん…こんなに大きなって。今いくつ?」

    そっと私の後ろから声をかけてきたおばさん。

    2006-06-11 12:57:00
  • 31:

    ◆5EJ71eKlNQ

    振り返るとおばさんは泣いていた。

    「おばさん。お久しぶりです。ゆうなは16歳になりました。…今日。ご存知ですか?」

    「もう16歳…早いね。今日は貴子の命日でしょ。朝からカナとお墓に行かせてもらったよ」

    2006-06-11 13:00:00
  • 32:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そういえば昼、墓まいりに行ったら綺麗な花が供えられていた…。

    リビングに通され、3人並んで話をした。過去の私。今の私。。全て話した。

    私の過去は決して明るいモノではない。親戚中をたらい回しにされ、施設へ。

    2006-06-11 13:03:00
  • 33:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…そっか。ゆうなちゃん色々と苦労したんね…。」
    「はい…。今日はおばさんに見てほしいモノがあって来たんです。」

    私はおばさんの前に母の『遺書』を差し出した。
    おばさんは静かにそれを読みだした。

    2006-06-11 16:04:00
  • 34:

    ◆5EJ71eKlNQ

    読み終えたおばさんの目から涙がこぼれ落ちた。

    「貴子…」

    「おばさん!永井春美って誰なん!?ママから何か聞いてないの!?」

    2006-06-11 16:48:00
  • 35:

    ◆5EJ71eKlNQ

    おばさんは教えてくれた。

    永井春美は、母と香織おばさんと学生時代からいつも一緒にいた友達だということを。

    学生の頃、父と母は春美の紹介で出会った。

    2006-06-11 16:51:00
  • 36:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そして父と母は結婚し、私とゆう子供が出来た。幸せな家庭に見えたが…父と母が出会う前から、春美と父は……関係を持っていた。

    私が5歳になるまでふたりの関係は続いていたそうだ。

    そしてあの日。

    2006-06-11 16:54:00
  • 37:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美が初めて我が家に来た日。

    「和也さんの子供ができた。貴子、和也さんと別れてちょうだい」

    と母に言ったらしい。

    2006-06-11 16:56:00
  • 38:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その時まで母は、

    春美と父が良い仲だった…なんて知らなかった。

    ずっと二人に騙されていた事を知った母は、嫉妬と憎しみで気が狂いそうだった。

    2006-06-11 16:58:00
  • 39:

    ◆5EJ71eKlNQ

    毎日、香織おばさんの家を訪れては

    「どうしたらいいの」

    と嘆き悲しんだ。

    2006-06-11 16:59:00
  • 40:

    ◆5EJ71eKlNQ



    そして母は…死を選んだ。

    2006-06-11 17:02:00
  • 41:

    ◆5EJ71eKlNQ

    父を憎み、春美を憎み…私を残し――――死んだ。

    「なあ…おばさん?永井春美の子供は…」

    「そんなんいてへんかったんよ」

    2006-06-11 17:41:00
  • 42:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「……………は?」

    「嘘やってん。だいたいな、春美にはもう二十歳くらいになる息子さんいてるんよ。もちろん父親は和也さんじゃないよ」

    2006-06-11 21:47:00
  • 43:

    名無しさん

    春美ひどい女やわ 
    完結まで頑張って書いて下さい 

    2006-06-11 22:18:00
  • 44:

    ◆5EJ71eKlNQ

    44さんありがとうございます。

    2006-06-12 13:47:00
  • 45:

    ◆5EJ71eKlNQ

    香織おばさんは、春美に会いに行ったそうだ。

    「春美!あんたのせいで貴子は死んだんよ!お腹の子は絶対産むな」

    「…貴子は自殺でしょ?何で私のせいになるの?意思が弱かったんよ。」

    2006-06-12 13:51:00
  • 46:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そして春美は語った。

    父に別れをつげられ、その腹いせに嫌がらせをした事を。

    …もう涙は出なかった。人を殺したいと初めて思った。全ては春美の狂言から始まった両親の『死』という現実だけが冷たく私の脳裏に残った。

    2006-06-12 13:56:00
  • 47:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私はおばさんに春美の居場所をたずねた。

    「ゆうなちゃん、それは言えんよ。憎いんはわかるけどね…おばさんゆうなちゃんに犯罪おかさせたないんよ」

    おばさんに謝り、私はまた来ますと言って帰った。

    2006-06-12 16:01:00
  • 48:

    ◆5EJ71eKlNQ

    寮に帰った私は、とにかく今日聞いた話の事で頭がいっぱいだった。

    とても働けそうになくて、休みを頂いた。

    そしてある人に電話をした。

    2006-06-12 16:02:00
  • 49:

    ◆5EJ71eKlNQ

    この人は私の指名客のひとり。つい最近店に来て悩み相談をされた。その相談とは

    『妻が浮気している。探偵を使って調べさせた。これからどうしよう』

    との事だ。

    2006-06-12 16:07:00
  • 50:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ある人について全てを調べて頂きたいんです。名前くらいしか分からないんですけど…」

    「人探しか。出来ない事はないけど…一体なんでゆうなちゃんみたいに若い子が?」

    「それは聞かないでください…。『永井春美』という女性を探して欲しいんです。」

    2006-06-12 16:34:00
  • 51:

    ◆5EJ71eKlNQ



    「わかったよ」

    2006-06-12 16:34:00
  • 52:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「そうですか…じゃあ私はお先に失礼します」

    無理矢理風呂場から離れ、ベッドに腰をかけた。

    まだ…決心がついていない。今ならやめれる。。

    2006-06-12 16:40:00
  • 53:

    ◆5EJ71eKlNQ

    後ろからふいに抱き寄せられた。

    私はカナシバリにあったかのように固まってしまった

    2006-06-12 16:48:00
  • 54:

    ◆5EJ71eKlNQ



    『やめよう!』
    と決意し、振り返ろうとした瞬間…まだ聞いた事のない春美の声が聞こえた。

    2006-06-12 16:58:00
  • 55:

    ◆5EJ71eKlNQ



    これが私の初体験――。

    2006-06-12 17:04:00
  • 56:

    名無しさん

    がんばって書いていって下さい(>_

    2006-06-12 17:47:00
  • 57:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「わかったよ、永井の事。この後どう?」

    身体中に緊張が走った。

    「…ええ、仕事が終わり次第連絡します。」

    2006-06-12 18:24:00
  • 58:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「じゃあ教えない♪」


    …あきれた。こんなんだから大人は嫌いだ。
    仕方なく私は話した。春美の狂言、母の自殺、父の自殺、香織おばさんに聞いた事実を…。

    2006-06-12 18:37:00
  • 59:

    名無しさん

    頑張れ?

    2006-06-12 20:47:00
  • 60:

    名無しさん

    更新待ってます??

    2006-06-12 21:47:00
  • 61:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>77さん>>78さんありがとうございます。
    更新は3時くらいになるかと思います。文才ない素人で意味がわからない部分多くあると思いますが、見てくださって嬉しいです。
    今時間あいたので少しだけ更新します。

    2006-06-12 21:54:00
  • 62:

    ◆5EJ71eKlNQ

    予定より早く帰れたので更新します。


    そして次に旦那の写真を見た。旦那も春美に騙されてたのだろうと思うと何故か気の毒になった。

    2006-06-13 01:11:00
  • 63:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そして息子の写真を見た。綺麗な目をしていた…。

    「泰輝クン。21歳やったかな?なかなかいけメンやろ。」

    「そうデスか?」

    2006-06-13 01:18:00
  • 64:

    ◆5EJ71eKlNQ

    いかにも今時の若い子。
    明るく染めた髪にたくさんのピアス。意外といい体格に服装は『サーフ』で白い歯を見せてわらっている。肌の黒さはいかにもって感じで…まぁ嫌いじゃないかな。こうゆうの。。


    でも…なんかどっかで見た事があるような。ないような…。

    2006-06-13 01:21:00
  • 65:

    ◆5EJ71eKlNQ

    次の日。
    出勤すると、歩美が近寄ってきた。
    薄いピンクのロングドレスは彼女の白い身体に嫌味なくらい似合っていた。

    「ゆ−なチャンおはよ♪」

    2006-06-13 01:30:00
  • 66:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ニコニコ微笑みかけてくる歩美は女の私から見ても可愛い。
    「昨日だいじょ−ぶ?早くあがったから…あゆ心配やってんでぇ」

    「あ…全然平気やで!なんか疲れてたみたい」
    日常会話を交わしながら私は永井春美の事を考えていた。

    2006-06-13 01:34:00
  • 67:

    名無しさん

    実話なん?

    2006-06-13 01:36:00
  • 68:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私はある事に気がついた。それは、歩美の住む街は永井と同じという事。

    よく思い出せば、永井泰輝は店に来た事がある…。

    2006-06-13 01:36:00
  • 69:

    名無しさん

    女性向け風俗店〜お笑いバージョン〜ってゆうのおもんない?

    2006-06-13 01:38:00
  • 70:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「あゆちゃん?」

    「ん?」

    「2ヶ月くらい前さぁ。めっちゃ若い子来てたやん?あの〜ほら!地元の先輩とかゆうあの黒い人!」

    2006-06-13 01:38:00
  • 71:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…あぁ!たいきくんの事ぉ?ゆ−なチャンもしかしてタイプなぁん??合コン組んだろかぁあ?」

    歩美のこびるような話し方は勘に障ったが、願ってもない申し出だ。

    「本間!?組んでほしい!…ゆうめっちゃタイプやねん」

    2006-06-13 01:40:00
  • 72:

    ◆5EJ71eKlNQ

    いまいち感情のこもってない言い方をしたが、能天気な歩美は何も疑わない。

    「いいよぉ。じゃあ言っとくなぁあ」

    「ありがとう」

    2006-06-13 01:42:00
  • 73:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>89さん。…ラストまで見てもらったら分かるんですが、一応実話を書かせてもらってます。ちょっとゲサかも。。

    2006-06-13 01:44:00
  • 74:

    ◆5EJ71eKlNQ

    まずは息子と接触してみようと思った。
    その方が自然だと思ったから。

    お客さんが何やら一生懸命くどいてくるが、私はそれどころではなかった。

    2006-06-13 01:48:00
  • 75:

    ◆5EJ71eKlNQ

    意外とあっさり合コンが決まった。週末が待ちどぉしい。
    私は買い物に行った。
    永井泰輝に気に入られなくちゃ意味がないのだ。

    2006-06-13 09:07:00
  • 76:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ネイルサロンに行き、美容院に行き。



    あっとゆう間に週末はやって来た。

    2006-06-13 09:10:00
  • 77:

    ◆5EJ71eKlNQ

    PM8:00某居酒屋にて。

    男性群より早くついた私達。メンバーは私、歩美、理花、紗枝の4人。いずれも店の女の子。

    キャバ嬢独特の雰囲気が漂っていて、携帯をいじる者、煙草を吸う者、念入りに鏡を見る者…早くも帰りたい。

    2006-06-13 09:36:00
  • 78:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「おはよ〜さん♪」
    男性陣が来た…!
    私は全員を見渡した。

    『これが永井泰輝…』

    2006-06-13 09:38:00
  • 79:

    ◆5EJ71eKlNQ

    簡単な自己紹介をする事になった。
    「どぉも…」と一言だけ言うと泰輝は席についた。

    ビールで乾杯すると、何やら皆それぞれ楽しんでいる。その中で私と泰輝だけは妙に落ちついていた。

    2006-06-13 09:41:00
  • 80:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「あのぉ…泰輝くん?」

    「ん?」

    「私ゆうなっ。隣いいかなぁ?」

    2006-06-13 09:42:00
  • 81:

    ◆5EJ71eKlNQ

    泰輝は写真と同じ顔でニッコリ笑った。

    隣に移動した私と泰輝は、気が合って話が弾んだ。

    飲み会も終盤に入り、夜も更けた。

    2006-06-13 09:44:00
  • 82:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆうなチャン!良かったらメールせぇへん?…なんかもっと話したいねん。」

    ここまで事がうまく運ぶと何だか気味が悪い。

    「…うん!メールしょ」

    2006-06-13 11:55:00
  • 83:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その後、私は泰輝と毎日メールのやり取りをした。

    遊びに誘われてふたりで居酒屋に行った時のこと。

    「ゆうなの親ってどんな人なん?」

    2006-06-13 11:57:00
  • 84:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆう親いてへんねんっ。泰輝の親は??」

    「ごめん何かいらんこと聞いて…。俺はなぁ、おかんは曲がった事が大嫌いな奴かな。おとんはくそまじめやねん」

    その言葉は、更に私の復讐心に火をつけた。

    2006-06-13 12:00:00
  • 85:

    ◆5EJ71eKlNQ

    『曲がった事が大嫌い』

    そんなはずがない。
    永井春美はひどく歪んだ女…。
    「あなたの母は人の家庭を壊して更に死に追い込んだの」

    2006-06-13 12:01:00
  • 86:

    ◆5EJ71eKlNQ

    喉まで出かかった言葉を強引に飲みこんで精一杯の作り笑いを浮かべた。

    「付き合って」

    少し考えるふりをした。

    2006-06-13 12:03:00
  • 87:

    ◆5EJ71eKlNQ

    本当は答えなんて決まってる。私は永井家を崩壊させるのだ。その為なら何でも出来る。…必ず。必ず春美を地獄に落とす。


    「ゆうで良ければっ」
    笑顔で答えた。

    2006-06-13 12:05:00
  • 88:

    ◆5EJ71eKlNQ

    それから毎日逢った。
    身体の関係は一切ない。キスすらない。
    「おかんに紹介したい」
    そう言われた時は心臓が飛び出るくらい驚いた。

    2006-06-13 15:44:00
  • 89:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…いいよっ」

    そうは言ったものの、永井春美は私を知っているのだろうか。

    名字を言うとバレてしまう。それなら面白くない。

    2006-06-13 15:47:00
  • 90:

    ◆5EJ71eKlNQ

    日曜日。『永井』と書かれた表札を見て、帰りたくなったが泰輝につられて家に入った。

    「お邪魔します。」

    「おかん〜!彼女つれてきたでえ」

    2006-06-13 15:48:00
  • 91:

    ◆5EJ71eKlNQ

    さっと玄関に出てきた泰輝の母、永井春美を見て私は動揺を隠しきれなかった。

    「はじめまして…泰輝さんとお付き合いさせて頂いてるゆうなデス」

    春美はニッコリ笑うと居間に私達を通した。

    2006-06-13 15:51:00
  • 92:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆうなチャン…よねぇ?偶然やわぁ。私の同級生の娘さんもゆうなチャンなのょ−」

    母の事だ。

    「あ…そうなんデスか」

    2006-06-13 15:52:00
  • 93:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美は決して悪い人には見えない。この人が私の家庭を…なんて想像も出来ない。

    「似てるわぁ。貴子に…」

    ドキッ!心臓の音が前に座る春美に聞こえたんじゃないかと思うくらい大きく鳴った。

    2006-06-13 15:55:00
  • 94:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美の言葉は聞こえない、というようにしらをきった。

    適当な会話を終わらせ、私は永井家を後にした。。

    2006-06-13 15:57:00
  • 95:

    ◆5EJ71eKlNQ

    それからほぼ毎日のように永井家を訪れた。

    春美とも表面上仲良くなった…。『憎しみ』を忘れて春美と笑って話す事もあった。

    2006-06-13 15:59:00
  • 96:

    名無しさん

    頑張って(>_

    2006-06-13 17:01:00
  • 97:

    名無しさん

    はまってます?頑張って書いて下さい?

    2006-06-13 17:02:00
  • 98:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>118さん・>>119さん応援してくださってありがとうございます。

    2006-06-13 17:41:00
  • 99:

    ◆5EJ71eKlNQ

    泰輝との仲も順調…に見えた。私の心には彼は居ない。彼には悪いが、他に誰かいるわけでもない。
    『憎悪』だけが私の生きる術なだけ―――。

    無償の愛を注いでくれる泰輝を『好き』だと思う事はあっても『愛』ではない。
    私はそうゆう女だ…。

    2006-06-13 17:43:00
  • 100:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ある日春美は私に言った。
    「ゆうなお母さんいてへんねやてなぁ。私の事本間の母親やと思いなぁ」

    涙が出た…。春美はその涙を『自分の優しさに感動しての涙』ととらえたようだ。
    「何泣いてんの−。もぉっゆうなは甘えたちゃんやねぇ」なんて言ってた。

    2006-06-13 17:47:00
  • 101:

    ◆5EJ71eKlNQ

    全く…。甘いのはお前だ。誰が、『自分の母親を死に追い詰めた女』を母親やと思えるの?

    私に母親が居ないのは、春美。お前のせいでしょ?

    心底この女に嫌気がさした。

    2006-06-13 17:49:00
  • 102:

    ◆5EJ71eKlNQ

    泰輝や春美と過ごしていくごとに『憎』と『許』が私の中で戦う…。
    もう憎むだけで復讐も何も出来ない自分に疲れた。許してこの母子の前から姿を消し、1から人生をやり直そうか。と何度となく思った。

    2006-06-13 17:52:00
  • 103:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その度に香織おばさんから聞いた
    「貴子は意思が弱かったんよ」
    と言う春美の言葉が脳裏をよぎって私を苦しめた。

    2006-06-13 17:54:00
  • 104:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ある日いつもの様に永井家にいた。泰輝が仕事から帰ってくるまでの間、春美とテレビを見ていた。

    自殺の番組だった。

    私は意を決して春美に聞いてみた。

    2006-06-13 18:23:00
  • 105:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「春美さんは自殺とかどぉ思いますか?」

    「ん〜。あほやなぁって思う。意思が弱いんやろね。この先の楽しい事何も知らずに死を選ぶんやから…」

    2006-06-13 18:25:00
  • 106:

    ◆5EJ71eKlNQ

    意思が弱い…その言葉を春美自身から直接聞くなんて思ってもみなかった。
    あほやと?母の未来の楽しみを奪ったのは紛れもなく春美なのだ。

    私の中の怒りと憎しみは更に増した。

    2006-06-13 18:27:00
  • 107:

    名無しさん

    早く続きみたい?

    2006-06-13 19:12:00
  • 108:

    名無しさん

    頑張って下さい(>_

    2006-06-13 19:25:00
  • 109:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>129さん・>>130さんありがとうございます。


    2006-06-13 19:41:00
  • 110:

    ◆5EJ71eKlNQ

    この時もまた、
    『私の母を死に追いやったのは春美、お前だ』
    と言いたくて仕方がなかった。それでも私は我慢した。
    とても悔しかった。

    2006-06-13 19:49:00
  • 111:

    ◆5EJ71eKlNQ

    もう戻れない。なんとしても復讐を果たす。



    それから何日か後、私は永井家に住む事になった。

    2006-06-13 19:55:00
  • 112:

    ◆5EJ71eKlNQ

    いや…住むようにした。と言った方が正しいだろう。

    「春美さん、聞いて!私いま住んでる所追い出されるんです。」

    「なんでやの!?」

    2006-06-13 20:00:00
  • 113:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「実は私お客さん怒らせてしまって…クビになったんです。」

    「あらら。で、住む家どないするの」

    「はい…何かまた寮つきのキャバクラ探します。。」

    2006-06-13 20:02:00
  • 114:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「………ゆうなが良かったらうちに来ない?泰輝も喜ぶわ。」

    「そんな…大事にしてもらってる春美さんにご迷惑はかけれません!」

    「いいのよ私は。ゆうなを娘やと思ってるし」

    2006-06-13 20:04:00
  • 115:

    ◆5EJ71eKlNQ

    こんなやりとりの後、私は永井家に住みついた。

    泰輝と私は本当に身体の関係がなかったので、同じ部屋にという訳にはいかず…

    1つ部屋を与えてもらった。

    2006-06-13 20:06:00
  • 116:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私はHEPの服屋で働く事になった。

    日々平穏に見えるが、私には『憎しみ』という名の悪魔がついている。

    2006-06-13 20:08:00
  • 117:

    ◆5EJ71eKlNQ

    住んでみて分かったが、夫婦仲はあまり良くない方だ。

    といっても、旦那の清二が一方的に春美を嫌っている感が漂っている。

    春美の方はなんとか清二を振り返らせようと必死…といった感じだ。

    2006-06-13 20:14:00
  • 118:

    名無しさん

    あげ

    2006-06-14 00:50:00
  • 119:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>142さんありがとうございます。

    2006-06-14 03:37:00
  • 120:

    ◆5EJ71eKlNQ

    バーにつくなり
    「じゃあ行こか」
    と言われ、言われるがままついて行く。

    行き先は…もはや当たり前になったラブホテル。

    2006-06-14 03:39:00
  • 121:

    ◆5EJ71eKlNQ

    悪魔でも自然に出せるその時の自分の声は、我ながらなかなかの役者だ。

    情事が終わるとすぐさま私は言った。
    「頼みたいことがあるんデスけど」

    2006-06-14 03:45:00
  • 122:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その内容は、春美の夫である清二に浮気をさせてほしい…とゆう事だ。

    私は思った。裏切られる気持ちを春美はまだ知らない。ならば春美が母にした事を同じように、春美にしてあげよう…と。

    2006-06-14 10:58:00
  • 123:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「それは僕に女を雇えと言ってるんやな」

    「はい。無理は承知デス」

    「出来ない事はないけどね、約束できる?」

    2006-06-14 10:59:00
  • 124:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そしてまた私を抱いた。


    私は彼に感謝している。彼が居なければ何も出来なかったかもしれないのだから。でもただの17歳の『女の子』としては……。

    2006-06-14 11:05:00
  • 125:

    ◆5EJ71eKlNQ

    午前2時――。
    タクシーは『永井』の表札の前で止まると
    「2860円で−す」
    と無意味に明るく言った。
    し−んと静まり返った住宅街。永井家だけに灯かりが供っていた。。

    2006-06-14 11:09:00
  • 126:

    ◆5EJ71eKlNQ

    なるべく誰の顔も見たくない私は、静かに鍵を回し中へ入った。

    「おかえり」
    突然抱きしめられた…。
    「泰輝っ!起きてたん?」

    2006-06-14 11:10:00
  • 127:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「まさかこんなに遅くなると思ってなくて…電源きれてるし。」

    「ゴメンなさい…はしゃぎすぎたみたい。。」

    上目使いでそう言うと、また強く抱きしめられた。

    2006-06-14 11:12:00
  • 128:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「やぁ…め…」

    私の言葉で泰輝はハッとしたようで、
    「ゆ−なゴメンなっ」と言うとさっさと2階にあがった。
    何が悲しくてか解らないが涙が一筋、頬をつたった。

    2006-06-14 11:18:00
  • 129:

    ◆5EJ71eKlNQ

    3日後…清二は帰ってこなかった。春美は普段の姿から想像もつかない程に荒れていた。

    何度電話をしても出ない夫を心配して会社にもかけた。

    が、とっくに帰ってる。と言われて心底落胆した。

    2006-06-14 14:39:00
  • 130:

    ◆5EJ71eKlNQ

    夫婦、いや家庭内は険悪としか言えない。

    1ヶ月後にはもう女の影はないものの、春美と清二は一言すら交さなくなった。

    結局は清二に浮気する意思があったのだ。私が後押しをしただけだ。

    2006-06-14 14:48:00
  • 131:

    名無しさん

    なんだかドラマか漫画みたい

    2006-06-14 16:27:00
  • 132:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>160さんすみません。読みにくいってことですか?

    2006-06-14 17:17:00
  • 133:

    ◆5EJ71eKlNQ

    『家庭を壊す』に一歩近付いたのに…私はなんだかしっくりこなかった。

    うまくいきすぎて怖かった。

    2006-06-14 17:19:00
  • 134:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美の嘆き悲しむ姿も見れたし、このくらいで許そうと思った。

    それに…今思えばこの時すでに私は泰輝を好きになっていた。

    2006-06-14 17:21:00
  • 135:

    ◆5EJ71eKlNQ

    でも絶対にそれはいけない。何故なら…母はそんな事を望んでいないから。

    自分の娘が、最も憎い相手の子供とうまくいく。

    なんて…母が悲しむに決まっているから。

    2006-06-14 17:24:00
  • 136:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆ−な!お前な…俺の事好きか?」

    「何ゆってるん、あほな事言いなや…」

    意識すればする程、今までのように楽に『好き』が言えなくなってる自分がいた。

    2006-06-14 17:26:00
  • 137:

    o(^-^)o

    おれはめっちゃ読みやすいと思うでo(^-^)o毎日楽しみにみさしてもらってるから頑張って書いてなぁ☆

    2006-06-14 17:32:00
  • 138:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>167さんありがとうございます。本間に嬉しいです。期待に答えられるよう頑張らせていただきます。

    2006-06-14 17:38:00
  • 139:

    ◆5EJ71eKlNQ

    笑う事すら忘れて日に日に暗くなっていく私に、春美と泰輝は優しかった。

    そしてそれが更に私を苦しめた…。

    限界だった。

    2006-06-14 18:23:00
  • 140:

    名無しさん

    160だけど読みにくいという意味ではないよ 読みやすいです。こんなドラマみたいな話が実話として世の中にあるんかなぁと思っただけ 批判じゃないので最後まで頑張って

    2006-06-14 19:28:00
  • 141:

    ◆5EJ71eKlNQ

    160さんありがとうございます。実際は汚いだけで全然ドラマみたいないいもんじゃないですm(__)m勝手に批判と受け取ってしまいすみませんでした

    2006-06-14 19:31:00
  • 142:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ふたりは無理矢理私をベッドから引きずり落とした。

    「やめてよ!」

    2006-06-14 19:58:00
  • 143:

    名無しさん

    更新まだかな楽しみ?

    2006-06-14 20:39:00
  • 144:

    名無しさん

    2006-06-14 23:28:00
  • 145:

    名無しさん

    2006-06-15 00:48:00
  • 146:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>178さんありがとうございます。

    2006-06-15 02:39:00
  • 147:

    ◆5EJ71eKlNQ

    嫌がる私をよそに、彼等は私の手を後ろに回ししばった。

    「ゆうな〜♪お前おれらの前でうんこして♪そしたら帰らせたるわ」

    「は?あほちゃう?するわけないでしょ」

    2006-06-15 02:42:00
  • 148:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「いやいや、するまで帰らせへんって」


    …あぁもう面倒くさい。

    2006-06-15 02:43:00
  • 149:

    ◆5EJ71eKlNQ

    何時間も私は真っ裸で縛られたまま座っていた。

    情けない。としか言いようがなかった。

    ただただボーっとしていた。

    2006-06-15 02:46:00
  • 150:

    ◆5EJ71eKlNQ

    涙があふれてきて、声も出さず泣いた。

    『なんで私いまここにおるんやろう…』

    と、考えたけど全ては自分が招いた事だった。

    2006-06-15 02:50:00
  • 151:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ホテルの真っ白なバスローブを羽織りカバンを持ち、泣きながら部屋を出た。

    着ていた服や下着など探す気にもなれずフラフラとミナミの街に出た。

    道ゆく人々が私を見てた。笑ってる人もいた。

    2006-06-15 02:56:00
  • 152:

    ◆5EJ71eKlNQ

    声をかけてくる人もいた。「きみ大丈夫?」「ヒューヒュー」…当たり前だ。
    バスローブ1枚の女の子が歩いているのだから。

    私は携帯を取り出した。

    2006-06-15 02:58:00
  • 153:

    ◆5EJ71eKlNQ

    午前4時―――。
    着信20件すべてが泰輝で埋められていた。
    プルルル…プルルル
    「……………泰輝」
    「ゆ−な!?大丈夫か!何あってん。お前いまどこや!」

    2006-06-15 03:00:00
  • 154:

    ◆5EJ71eKlNQ

    場所を告げ電話を切った。少しして迎えに来た泰輝は、哀れな私を見て相当驚いた。

    何も喋らず車は走りだした。
    家に着くと、泰輝の部屋に招かれた。

    2006-06-15 03:02:00
  • 155:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「疲れたやろ?寝ぇ」
    私をベッドに運ぶと泰輝も寝転び、私が寝るまでずっと背中を叩いてくれてた。

    こんな優しい泰輝を想うと胸がはりさけそうになった。

    2006-06-15 12:26:00
  • 156:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その日から毎夜、泰輝と一緒に寝た。泰輝の腕の中で眠るのは本当に心地よかった。

    ある日春美が言った。
    「ゆうな。。名字なに?」唐突な質問だった…

    2006-06-15 12:28:00
  • 157:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「た、田中!」
    適当な名字を言うと、春美は不愉快そうな顔で
    「そう…」
    と言った。

    2006-06-15 12:29:00
  • 158:

    ◆5EJ71eKlNQ



    『バレるのも時間の問題』

    2006-06-15 12:30:00
  • 159:

    ◆5EJ71eKlNQ

    数日間私は考えた。

    『罪』と『恨み』について頭がパンクする程考えた。

    そして答えが出た。

    2006-06-15 12:34:00
  • 160:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「泰輝…」
    風呂上がりの濡れた髪にバスタオルを巻いて彼の部屋を訪れた。

    「ちょ、おま!なんちゅ格好しとんねん」

    慌てて目を反らす彼の元へ向かった。

    2006-06-15 13:10:00
  • 161:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ベッドに座ってる泰輝の横に腰掛ける私。

    「なぁ泰輝?」

    「何やねん。ちゅかお前さき服きれや?」

    2006-06-15 13:12:00
  • 162:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…好き」

    「ぇえ!?」

    「ゆう…泰輝の事すきっ」

    2006-06-15 13:13:00
  • 163:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そう言って私は彼に抱きついた。

    彼は何も言わずに振り返ると、私の肩を抱いてキスをした…。

    そして流れるようにベッドに横たわった。

    2006-06-15 13:16:00
  • 164:

    ◆5EJ71eKlNQ

    1つになるのがこんなに気持ちいいものだなんて知らなかった。

    彼の胸の中で私は枯れる程に涙した。

    そして想った。

    2006-06-15 18:26:00
  • 165:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美だけを責め憎しんで来たが、自分自身はどうなのか。

    泰輝を裏切り、春美までもを裏切った。

    自分こそ憎まれるべき人間ではないのか。

    2006-06-15 18:30:00
  • 166:

    名無しさん

    >>1ー202

    2006-06-15 21:10:00
  • 167:

    名無しさん

    2006-06-15 21:13:00
  • 168:

    名無しさん

    書く気ないなら始めからかくな!

    2006-06-17 17:53:00
  • 169:

    名無しさん

    ちょっと書かんだけでそれは言いすぎなんちゃん。どんなけ心せまいやつやねん

    2006-06-17 20:07:00
  • 170:

    名無しさん

    あたしも楽しみにしてるから、いちいち荒らし入れんのやめろや

    2006-06-17 21:27:00
  • 171:

    名無しさん

    2006-06-17 23:07:00
  • 172:

    名無しさん

    かくな

    2006-06-18 11:49:00
  • 173:

    名無しさん

    ↑スルーで?

    2006-06-18 11:59:00
  • 174:

    ◆5EJ71eKlNQ

    皆様おそくなって申し訳ございません。書く気ないなんてとんでもない、完結させるつもりです。時間がある時にたくさん更新したいので、3日ほど間があいてしまいました。お待たせして申し訳ないです。今日の用事がすんだら更新できると思いますのでお待ちください。

    2006-06-18 15:24:00
  • 175:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>202〜。

    今さらながら、1からやり直そうと思った。

    もう誰も憎まない、憎めない…。

    2006-06-18 23:12:00
  • 176:

    ◆5EJ71eKlNQ



    朝起きると大変な事になっていた―――。

    2006-06-18 23:12:00
  • 177:

    ◆5EJ71eKlNQ

    昨晩の出来事(泰輝とのsex)を思い返しながら、幸せに浸っていた。

    にやけながら1階におりた。

    春美が待つ1階に…。

    2006-06-18 23:17:00
  • 178:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「春美さんおはよう」

    「おはよう浅岡優菜チャン」

    「…え?」

    2006-06-18 23:18:00
  • 179:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「最低やね」

    「…何が?」

    「騙しとったんやね」

    2006-06-18 23:19:00
  • 180:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美はテーブルの上に私の保険証を置いた。

    「なんで持ってるん!?」

    「悪いけど財布みしてもらったわ。」

    2006-06-18 23:21:00
  • 181:

    ◆5EJ71eKlNQ

    昨晩私が泰輝の部屋にいる時に、春美は私の部屋に入ってたようだ。

    「勝手に見んといて」

    「…ゆうなが貴子の娘とはねぇ」

    2006-06-18 23:23:00
  • 182:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「私が貴子の娘やったら何か都合悪い事でもあるん」

    「ほんっま…親も親やし子も子やわ。いやらしい女」

    この人、いやこの人殺しは何を言ってるんだろう。

    2006-06-18 23:25:00
  • 183:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「何がしたくて近付いたの?金か?」

    「金って…。そんなん違うでしょ」

    「じゃあ何!復讐でもするつもりやったん!逆恨みもいいとこやわ」

    2006-06-18 23:27:00
  • 184:

    ◆5EJ71eKlNQ

    全身の血の気が引いた。
    やばいキレる…と思った時にはもう遅かった。

    私は大声で気が狂ったように泣きながら叫んだ。

    泰輝がすぐ後ろにいた事にも気がつかなかった。

    2006-06-18 23:30:00
  • 185:

    ◆5EJ71eKlNQ

    略→泰輝がすぐ後ろにいた事にも気がつかなかった。

    2006-06-18 23:34:00
  • 186:

    ああ〜 続き気になって仕方ない。
    どんどん気になる展開になりそう。
    春美って嫌な女!!完結まで頑張ってね 

    2006-06-19 00:57:00
  • 187:

    名無しさん

    2006-06-19 05:16:00
  • 188:

    名無しさん

    楽しみにしてます更新して〜

    2006-06-19 11:06:00
  • 189:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>223さん>>225さんありがとうございます。

    >>222〜。

    「何がさかうらみやねん!お前がおかん殺したんじゃあ!」

    2006-06-19 13:14:00
  • 190:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「自殺やろが!殺したとか泰輝の前で言うなや!!勝手好んで死んでった奴なんか知るか」

    あぁ、もう無理。こいつには何言っても無駄だ。

    「…もういい。今までお世話になりました、さよなら」

    2006-06-19 13:17:00
  • 191:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そう言って私は自分の部屋に行って荷物をまとめた。

    「おぃ…ゆうな…」

    泰輝が後を追ってきた。

    2006-06-19 13:18:00
  • 192:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「泰輝ありがとう。ゆう本間に初めはあんたの母親が憎くてあんたに近付いてんよ。
    でもな、今は本間にあんたが好きやねん…
    だけどやっぱり無理やねんよ、
    あんたが春美の子って事すらゆうを苦しめるねん」

    2006-06-19 13:21:00
  • 193:

    ◆5EJ71eKlNQ

    言い残して私は『永井家』を後にした―――。

    17歳の夏だった。

    2006-06-19 13:22:00
  • 194:

    ◆5EJ71eKlNQ

    昨夜の泰輝とのsexとは違い、感情のないそれはとても虚しかった。

    ただただ天井の鏡に映る滑稽な男女の性行為を見ながら、気持ちをなくした。

    2006-06-19 13:28:00
  • 195:

    名無しさん

    2006-06-19 14:41:00
  • 196:

    名無しさん

    2006-06-19 14:43:00
  • 197:

    名無しさん

    臨場感溢れるって言うか、読んでると自然に場面が思い浮かびます。更新頑張って下さい

    2006-06-19 17:12:00
  • 198:

    名無しさん

    あたしも続き楽しみにしてますっ??
    ぁげ??

    2006-06-20 00:03:00
  • 199:

    >>236さんありがとうございます。そんな風に言ってもらえると物凄くやる気になります、>>237さんありがとうございます。続き頑張るから見ててくださいね。今日は眠たいので、明日更新します。

    2006-06-20 03:06:00
  • 200:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>233〜。

    それから私は本当によく働いた。そしてそんな日々の中3年ほどの月日が流れた。

    もうすぐ―――二十歳。

    2006-06-20 14:42:00
  • 201:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「はい…」

    「おうゆうな。半年ぶり。今晩2時にあがりなさい」

    「何でですか」

    2006-06-20 14:45:00
  • 202:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「部屋に行くからな。」

    ガチャ。プー、プー。

    何故か私は物凄く寒気がした。仕事に行く気にもなれず、携帯の電源を落としてぼ−っと夜のミナミを眺めていた。

    2006-06-20 14:47:00
  • 203:

    ◆5EJ71eKlNQ



    どれくらい歩いただろうか。

    「ゆ…うな?」 聞き覚えのある声にハッとした。

    2006-06-20 14:48:00
  • 204:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…泰輝?」

    後ろは振り返らずに答えた。目から涙が流れていた。

    突然抱きしめられた。

    2006-06-20 14:50:00
  • 205:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ハスキーな声…香水の香り…抱きしめ方…ゴツゴツとした手……

    やっぱり泰輝だった。

    泰輝の誕生日プレゼントに私が買ったクロムの指輪が何よりも輝いて見えた。

    2006-06-20 14:52:00
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