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お前依存症
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1:
あき◆CYX2tODNDU
もっとお前の名前呼んどいたらよかったわ。
もっとお前に触れといたらよかったわ。
もっとお前を大事にしてやったらよかったわ。
もっとお前に「愛してる」って言ってやればよかった・・・2007-11-06 23:11:00 -
443:
あき◆fawG5bjwfE
「いらっしゃい。あき久しぶりやな。」バーのしんチャンが笑った。『お久しぶりです。』軽く会釈をしカウンターに座った。しんチャンとは俺がホストでまだ飯が食えなかった頃よく店で飯を食わせてもらってた俺にとって兄貴のような存在やった。「あきが一人で来るゆうたら何かあったんか?」よく冷えたビールを俺の前に出し変わらぬ穏やかな顔で俺に尋ねた。『しんチャンにはすぐわかるんやね…。』そう言い俺はビールを一気に飲み干した。するとしんチャンはしばらく無言で俺の顔をマジマジ見て「…もしかして…女か?」と意地悪げに聞いてきた。『はぁぁぁ…。何でわかるんすか…。』「はははっ!やっぱりな!お前がそんなしょぼくれてるんなんか見るん初めてやしな。我が親が死んだときですら顔色変えんと客とここで酒飲んでたお前がな!?」『そうでしたね…。』昔の話を思い出し少し気分が落ちていると「お前がここに来たんは話聞いて欲しかったからやろ?何でも話せや?お前がなんぼえらくなっても俺にしたらお前はいつまでたっても頼りない弟なんやから(笑)」そう言うと店内に流れる音楽を大きくした。「おいー!まことー!?」しんチャンは従業員を呼んだ。「今日はお前に店任せるわー!何かあったらゆうてくれ。」と伝え「場所変えるぞ?」と俺に言い二人で店を出た。
2008-07-09 01:58:00 -
444:
あき◆fawG5bjwfE
二人が向かったのはミナミから少し離れた小さなバーだった。二人でカウンターに腰掛け吐き出すかのように今までの話をした。しんチャンは「うん。」「そうかぁ。」「それで?」しか言わない。俺を否定もしなければ肯定もしない。大概の人間は多かれ少なかれ自分の価値観で他人を評価しようとするがしんチャンには全くそれがなかった。それが逆に心地よくて意固地だった俺はしんチャンには心を開けた。初めてトキと出会ったヘルス、一緒に住もうとして居なくなった事、長野で一年ぶりに再会したこと、一緒に暮らし始めたこと、トキの母親のこと、山下のこと、今日のこと…。俺は二時間ほど夢中で話していた。話が終わりしんチャンは「そうかぁ…。この三年ぐらいでいろんなな事あったんやなぁ。」って俺を見ながらつぶやいた。
2008-07-09 02:09:00 -
445:
あき◆fawG5bjwfE
「あき…。今お前が苦しんでるのはよくわかった。でも勘当同然に地元から大阪出てきて『この街で一旗あげたる!』って意気込んで田舎も親も感情も捨てて突っ走ってきたお前が何で今こんな苦しいんかわかるか?」『…。』「その子と出会えたからやろ?その大事な女が苦しんでるからお前は今苦しいねん…。わかるか?」しんチャンは悲しい目をして俺を見た。「お前が悲しいから苦しいんじゃなくて大事な人が悲しいから苦しいねんで?それが普通の感情や。お前が田舎から出てきた時に色んなもんと一緒に捨ててもた普通の感情やねん。」そうゆうとしんチャンはおしぼりを俺に投げつけた。『???』なぜおしぼりがとんできたのか分からずきょとんとしていると「ちょっ!?俺が泣かしたみたいやんけ(笑)」そう言って笑った。俺また泣いてた。この涙も胸の締め付けられる痛さも全部トキも一緒や思ったら余計に涙が止まらなかった。しんチャンは何も言わず泣き続ける俺を見ていた。
2008-07-09 02:24:00 -
446:
あき◆fawG5bjwfE
その後は東京の店の話なんかして時間が過ぎた。何度かしんチャンの携帯に従業員らしき着信が入ったがしんチャンは無視してた。「俺も弟が苦しんでたら苦しいねんで。」って照れくさそうに言ってくれた。しんチャンといると酒がよくまわる。その後のことはよく覚えていない。目が覚めると店の事務所だった。ソファーにはしんチャン、床には翔が転がっている。『???』状況が飲み込めず立ち尽くしていると缶コーヒーを人数分抱えたゆかりが事務所に入ってきた。
2008-07-09 02:33:00 -
447:
あき◆fawG5bjwfE
「おっ☆!?あきおはよー♪」ゆかりは驚いている俺を尻目によく冷えた缶コーヒーを差し出してきた。『えっ!?なっ!?』(ゆかりがなぜここにいるのか?俺がなぜここにいるのか?)言葉にならず口をパクパクしている俺を見てゆかりは笑って言った。「ゆってなかったけど私の付き合ってる男、その床に転がってる酔っぱらいやで(笑)」と翔を指さした。「昨日しん君から夜中翔に電話があって私が向かいに行ったんやからぁ!酔っぱらい二人も!!(笑)事務所着いたらしん君が久しぶりやし飲もうゆうて翔と二人でウダウダ言いながら飲んでたわ。本間に男ってめんどくさいなぁ(笑)」ゆかりはニコニコ笑いながら散らかった事務所を片づけていた。
2008-07-09 02:43:00 -
448:
あき◆fawG5bjwfE
ゆかりにゆわれても状況が整理できない俺…。
あっ(・∀・)?…えっ( ̄◇ ̄;)!?…(゚Д゚)マジデ???←こんな感じやった(笑)『昨日は面倒かけてごめんなぁ…』ゆかりに申し訳なくなり頭を下げた。「ええよええよ☆久しぶりにあきにも会えたし(笑)翔な、内緒やけどあきにだけやきもちやくねん(笑)」ゆかりはそう言い幸せそうに笑った。『ふ〜ん…(照)てか俺昨日の事全く覚えてないねん。翔さんとしんチャン何喋ってたんやろ…?』「ん〜あたしも途中で帰ったからよくわからんけど、あきの話してたみたいやで?」『えっ?』「あきを解放してくれってしん君がゆってたなぁ…。あっ、後は『俺の弟や!!』とか『俺の右腕や!!』とか言い合ってたわ(笑)」ゆかりは首を傾げながら片づけの続きをしていた。2008-07-09 02:54:00 -
449:
あき◆fawG5bjwfE
しんチャンが翔に何を言ったのかは気になったが二人は幼なじみでとても仲がよかったので酔った席での話なんやろー、って気にせず片づけを手伝った。
「んっ?あ゛ぁぁー!」翔が目を覚ました。髪の毛ボサボサでいつも怒鳴り散らしているオーナーの威厳もくそもない(笑)「起きたかー☆?」ゆかりは翔に冷たく冷えたコーヒーを差し出した。「うん…」寝ぼけているのか聞いたこともないような甘えた声を出している(笑)その光景がおもしろすぎて腹抱えて笑った。「あっ!おまっ!」翔が俺に気づき気まずそうに顔を伏せた。「んっ…?賑やかやなぁ…。」騒がしい周りに気づきしんチャンも目を覚ました。俺たち三人を見ながら「おっ☆翔!ついにばれたか(笑)!!」ってみんな笑ってた。何か久しぶりに腹の底から笑えたから。もやもやがどっかに吹っ飛んだから。苦しくないから。俺の大事な人も今は泣いてないんかな?笑ってるんかな?昨日のしんチャンの話を思い出しながらその場を過ごした。2008-07-09 03:09:00 -
450:
綾
切ないなァ〜なンかそこまで相手想い続けれるンとかすごいと思う!あきちンがンばってな★
2008-07-09 06:20:00 -
451:
名無しさん
すばらしいフィクションやね!おもしろい!
2008-07-09 10:08:00 -
452:
あき◆fawG5bjwfE
綾チャン毎回応援してくれてありがとな☆めっちゃ励みになるわ(;´д⊂)名無しサンも見てくれてありがと( ・∀・)つノンフィクションとまでは行かんけど昔の日記見ながら書いてるねん(・∀・)
最後にネタばらしするからまたのぞいてな☆2008-07-09 15:01:00