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-記憶のメッセージ-

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  • 1:

    レン


    初心者なので
    読みづらい部分も
    ありますが
    宜しくお願いします。

    2007-11-08 15:10:00
  • 2:

    レン

    あれは、今からおよそ4年前のことでした。

    冷たい雪の降る夜。
    俺は新聞配達のアルバイトをしていた。

    2007-11-08 15:24:00
  • 3:

    レン

    毎日団地を一件一件を周り、ポストに新聞を入れてはまた次のポストに新聞を入れる。
    毎日同じことの繰り返しで、慣れると意外に楽なもんだ。俺はわずか1週間で300件ほどの配達を任されるようになった。
    そして、新聞配達を始めて約1ヶ月。
    いつものように俺は団地を一件ずつ廻っていたある日のこと。

    2007-11-08 15:42:00
  • 4:

    レン

    何故か痛々しく感じる目線。多分、その子が俺と同い年ぐらいだったので妙に落ち着かなかったんだろう。
    意識しないようにしようと目線を逸らしながら俺はその子の前に立った。
    すると、その子は俺が片手に持っていた新聞を手渡しで受け取ろうとしてくれた。
    『毎日お疲れさま♪』 その子は笑顔で挨拶を交わすなり、そのまま色々と話しかけてきた。寒くなってきたとか明日は晴れるとか…どうでもいいような話題ばっかり。俺は適当に返事を返し、忙しいからという理由ですぐにその場から離れた。
    少し冷たい態度をとっていたかもしれない。

    2007-11-08 16:20:00
  • 5:

    レン

    苦手だった。
    俺は人見知りが激しくて、例え男であっても始めて話す人には何を話していいのかわからない始末。

    俺はその日、せっかくの出逢いのチャンスを見事に冷たい態度で潰すという結果で配達を終えた。

    2007-11-08 16:32:00
  • 6:

    レン

    そして、次の日も夜中の3時から新聞配達開始。
    大きなアクビをする度に白い息が溢れる寒い中、俺はポストに新聞を入れて行く。そして、少し期待しながらあの子がいたドアに目線を逸らしてみる。
    すると、今日は男の人がドアの前で座っている。
    あの子のお父さんだろうか…何故か顔を下に向けて動かない。俺は少し気にかけながらも、そのドア周辺の新聞を先に配ることにした。配る時の足音が聴こえたのか、その人は俺をふと見上げ俺と目が合った。

    2007-11-08 16:48:00
  • 7:

    レン

    潤んだ目…
    顔を頬張らせ泣いている。

    俺はまた違う意味でその家の新聞が配りにくい。なんでドアの前で泣いてんのやろ…関係ない俺が泣きたくなるわ。

    2007-11-08 16:56:00
  • 8:

    レン

    そんなことを思いながらも俺はその人へ近付いていく。そしてその人もまた、俺の配る新聞を手渡しで受け取ってくれた。
    そのまま何故か年齢を聞かれ、住んでるとこを聞かれ…おぃおぃ、なんで職務質問?と感じる質問を色々された。
    でも不思議とその人には抵抗力が無かった。俺は素直に自分のことを話している。なんか…初めて話す気がしなかった。

    2007-11-08 17:11:00
  • 9:

    レン

    俺には本当の父親がいない。俺が産まれてすぐ離婚したと母親に聞かされていた。だから俺は父親の顔を知らない。どんな人なのかもわからない。
    なのに何故か…その時目の前にいる男の人が自分の父親のように見えた。
    初めて会って、初めて会話を交わして…そんな人が何故父親に見えたのかはわからない。
    もしかして俺の父親も…泣いてたのかな。

    2007-11-08 17:27:00
  • 10:

    レン

    俺はその時色んなことが気になった。仕事の途中だということも忘れ、少し距離を置きながらその人の前へ座り込み話をしている。

    色んな話を聞かされた。自分の娘のこと。奥さんのこと。仕事のこと。
    たぶん…辛かったと思う。一家の大黒柱になり、家族を支えていく男として。苦しくても笑顔でやり過ごさなければならない大人として。弱音を吐ける場所が欲しかったと思う。
    俺はその人の話を淡々と聞いていた。

    2007-11-08 17:46:00
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