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憎しみと金とあたし。
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1:
名無しさん
−目の前には、ひらひらと舞う一万円札が、何十枚。
「これで、お前とは終わり。」
ブランド物の、スーツを綺麗に着こなしたホストは、ひどく冷たい声で、あたしに言った。
あたしは、ひらひらと舞う万札を、生気のない目で、ただ見つめていた。2007-11-10 01:42:00 -
87:
梅雨
【起きたら連絡してください。】
可愛げも何もない文章。送信ボタンを押して、携帯を閉じた。
〜〜♪♪
携帯を閉じた直後、あたしの携帯が鳴る。着信は煉からだった。2007-11-22 08:23:00 -
88:
梅雨
「サユ、朝はごめん!」
煉は電話に出るなり謝った。少しそれがおかしくて、笑ってしまった。
「いぃわよ。別に。」
「それでさ、今日とか今から時間ある?」
「今からって、あなた寝たの?」2007-11-22 08:29:00 -
89:
梅雨
「少しだけ。それより、会えるなら俺の買い物付き合ってよ。」
「……いぃわよ。それじゃあ、今から一時間後に前の喫茶店は?」
「了解。」
電話を切り、急いでシャワーを浴びに行く。朝方感じた気持ちとは、正反対にあたしの心はひどくワクワクしていた。2007-11-22 08:33:00 -
90:
?◆rx0LmJF3Ks
めちゃおもろい??
文章キレイやし読みやすい??楽しみにしてます?2007-11-22 09:30:00 -
91:
梅雨
?さん?
読みやすいとか、ありがとうございます?
頑張ります??2007-11-22 19:44:00 -
92:
梅雨
いつも以上に、丹念にメイクを施し、服をさがす。何を着ようかな……。ふと我に返り、急に恥ずかしくなる。
「…何やってるのかしら、あたし。」
クロのシンプルなワンピースに、ファーのコートを羽織り、ブーツをはいて家を出る。急いでるつもりはなくても、足が勝手に待ち合わせ場所に、あたしを急かす。2007-11-22 21:18:00 -
93:
梅雨
待ち合わせの喫茶店に着いたが、どぅやら煉はまだみたいだった。とりあえず、入り口から近い席に座り、ホットのレモンティーを頼む。携帯を開き、煉に電話をしようか迷い、やめた。こんな事で、少し浮かれるなんてあたしらしくない。
―カランカラン
店のドアの開く音がし、そちらに目をやると、走ってきたのか息を切らしている煉がいた。煉はあたしに気付くと、笑顔になった。その笑顔を見ただけで、あたしの心の奥が、何故か温かくなった。2007-11-25 02:19:00 -
94:
梅雨
「ごめん!道が混でて…。待った?」
「いぃえ。あたしも、今さっき来たばかり。とりあえず座って、何か飲んだら?」
あたしの前に座り、煉は店員にコーヒーを頼むと、煙草に火をつける。あたしはそんな煉と、少し温くなったレモンティーを交互に見ていた。会話はあまりないが、落ち着く。
「煉の本当の名前は何?」口から勝手に出た言葉だった。2007-11-25 07:07:00 -
95:
梅雨
煉の目が、あたしを見ると彼はゆっくりと、口を開いた。
「本名も煉。」
「そぅなの?煉って、いぃ名前よね。」
「本当に?そんな事、言われたの初めてだ。」
彼が笑う。照れたよぅに、でも凄く、嬉しそうに。その顔を見て、ごく自然に【好き】だと思った。2007-11-25 07:17:00 -
96:
梅雨
一度、好きだと思えば彼の全てを好きだと、思うよぅになった。
低い声も、笑った時の目も、少し大きめな手も。
彼の全てが、愛しいと思った。
2007-11-25 07:20:00