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あたし、キャバ嬢。
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1:
綾香
キャバ嬢だって
恋すんねん。
キャバ嬢だって
一人の人間やねんで。2007-12-05 13:36:00 -
7:
綾香
『綾香ちゃん何歳なん?』
『今年二十歳です。』
『わっか!俺22やで。めちゃ可愛いなぁ。』
『可愛くないですよ。』…ほんまうさん臭いわこいつ。客にされてたまるか。2007-12-05 13:57:00 -
8:
綾香
お互い当たり障りの無い会話をしていたら、ボーイに呼ばれた。
『女の子交代なんで。ありがとうございました』『おってや。指名で。』…指名て…チッッ…
『いいんですか?ありがとうございます。』
目を見ながらにっこり笑うと、海は恥ずかしそうに目をそらした。2007-12-05 14:02:00 -
9:
綾香
それから海は何本かシャンパンをおろし店が始まるからと帰って行った。
番号を交換はしたものの、この時はまだ海とあんな事になるなんて思いもせず、仕事終わりを迎え送りで家に帰る。
家に着き愛犬ぽぽに餌をやり食事の準備をする。2007-12-05 14:13:00 -
10:
綾香
『ただいまぁ。』
あたしの彼氏、修也。
何やら機嫌が悪いご様子。
『お帰りぃ。ご飯出来てんで。めっちゃお腹減ったしはよ食べよー。』
『…うん』2007-12-05 14:19:00 -
11:
綾香
修也の機嫌が悪いのはもう慣れっこ。自分からはあえて何も聞かない。
『お前さぁ夜辞めへんの?』
『やから目標金額まで貯金貯まるまで辞めへんって何回もゆぅてるやん』あたしは自分でもお金に対する執着心は強いと思う。
使うところは使うけど、お金があれば安心する。昔はお金さえあれば、お金さえあれば…いつもそう考えていたから。2007-12-05 14:24:00 -
12:
綾香
『今日ホスト来たやん?番号交換したん?』
『したで。』
『何でするん?あんなんどうせ営業しに来ただけやん!』
『入れたんは店側やろ。店来てお金使った限りはお客さんやねんからそりゃ番号ぐらい交換するわ。あたしが相手の店行かんかったらえぇだけの話やんか。』2007-12-05 14:28:00 -
13:
綾香
『そりゃそうやけど…はよ辞めてな。』
修也とのこの手の言い合いは週にニ、三度ある。『そんなんばっかやったらやりにくいからあたし店変わるわ!』
『俺の目に届かんとこは絶対嫌や!』
…毎回こんな感じ。2007-12-05 14:31:00 -
14:
綾香
『綾香…好きやで。』
ベッドに入ると、修也はあたしを求めてくる。
修也を愛しているのかさえわからなくなっていたけど…独りになりたくなかったずるいあたしは、それに応える。
実は修也はたまに暴力を振るう。そしてその後は決まって泣きながら許しを乞う。
いつしかあたしも、それをおかしいとは思わなくなっていた。2007-12-05 14:38:00 -
15:
綾香
海とはたまに連絡を取っていて、内容もごく普通のものだった。
そんなある日のこと。
『綾香ちゃん来たでぇ』『海くん!ありがとう。久しぶりやね。』
海が店に一人で来ていた。2007-12-05 14:43:00 -
16:
綾香
『ちょっと見ん間に可愛いなったなぁ。』
『まだ一週間しか経ってないから。ほんま口上手いなぁ。てか今日一人なんや?』
『んーまぁな。色々あって呑みたかってんけど今日店休みやし何となく一人で来てみようと思って笑。綾香ちゃん仕事の話とかしてこやんから仕事忘れれるしなぁ。』
『じゃあ今日は楽しく呑もかっ!』
結局海はラストまで居てくれて、色んな話をしている内に実はそんな悪い人では無いのかも、と信用してしまいそうな自分が居た。2007-12-05 14:51:00