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DEAR〜

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  • 1:

    アイ◆hsF3gEfPG6

    これは、愛の16の時の実話です。
    よかったら読んでください。

    2007-12-20 01:13:00
  • 551:

    愛◆hsF3gEfPG6

    まるで魂がぬけたような自分が鏡に映るんだ。痩せこけていて、顔色がひどく悪い。 よく考えればあんまり食べてなかったから……                                    
    食べる気さえおこらない。やる気さえおこらない。 なんにもしたくない。誰にも会いたくない…………                                                  
    愛は部屋に行くとハサミを持ち、制服をハンガーからはずして、チョキチョキとまるで紙を切るように切りはじめ、細かく切り刻んだ制服の布切れを床に散らばせたんだ。。 これでもう大丈夫……もう学校に行く必要もないから……………まるで花びらがちらばったように制服の小さな布切れが辺り一面に散らばり花に見えた。

    2008-01-29 02:07:00
  • 552:

    愛◆hsF3gEfPG6

                                         
    「何これ?!」母さんの驚いた声で目が覚めた。体をゆっくり起こすと母さんが床に散らばる愛が昨日の夜切り裂いた制服を見て唖然としている。どうにでもしてくれ……………                            
    母さんは無言で部屋を出ると、父さんがやってきて床に散らばる制服を見てから愛を見たんだ。「何かんがえてるんや…」父さんは、怒るでもなく青ざめた顔で愛を見たんだ。きっと愛が笑ってたからだね。 殴るなら早く殴って?……………

    2008-01-29 02:15:00
  • 553:

    愛◆hsF3gEfPG6

    父さんは、何もしないで部屋を出ていった。しんとする部屋。外から聞こえる鳥のさえずり。愛はまた枕に頭をつけて目を閉じた。                                     
    もう、どうでもいいんだ………何にも怖くないよ…………                                               
    一時間くらい、まぶたをあけたり、まぶたをとじたりしてぼーっとしていると、足音が近づいてきたんだ。きっと父さんだ。今から殴られるんだね。

    2008-01-29 02:18:00
  • 554:

    愛◆hsF3gEfPG6

    「愛っぺ?」                                          
    ――――?!―――――びっくりして体を起こすと、視線の先にまぁくんがいて、床に散らばる制服を見てびっくりしている。………なんでおるん?!…………理解できない状況とこみあげてくる怒り。                                         
    「何しに来たん?!帰れや!」愛の怒鳴る声が部屋に響く。 「おっちゃんに言われて来た。。「帰れや!あんたの顔なんか見たくない!」愛はまぁくんを睨むんだ。

    2008-01-29 02:38:00
  • 555:

    愛◆hsF3gEfPG6

    まぁくんは、ため息をついて床に座る。愛はベッドから出て、急いで服を着替えカバンを持ち部屋からでようてすると、まぁくんが愛の腕を掴んだんだ。力を込めて。                                 
    愛は、力一杯振り払い部屋から出ようとすると、まぁくんが愛の前に立ち、愛の行く先を阻止する。 「ここにおるなら勝手にしろや…愛が出てくから!!どかんかいや!邪魔やねん!」愛がまぁくんの体を押し退けようとしても、まぁくんは動かずに、愛の腕をつかみその場に座らせた。                                       
    愛が振りほどこうとしても、払い除けようとしてもまぁくんは愛の腕を掴んだまま放そうとしない。

    2008-01-29 02:44:00
  • 556:

    愛◆hsF3gEfPG6

    「話したら帰るから!」まぁくんの声。愛をじっと見て、まるで哀れむような目で見て話す。 愛は話す事なんて何一つない!話したくもない!  「あんたと話す事なんかないわ!どけや!放せぇ!」じたばた暴れてもまぁくんはびくともしないで、愛を真っすぐな目で見るんだ。                                         
    もう関わりたくない………もう話したくもない………リサに触れた手で触るな………リサを見る目で愛を見るな…………                                             
    ピーッ………耳鳴りがいきなり激しく聞こえ、愛は寒気がしてあの感覚がこんな時に襲ってきたんだ。。。過呼吸…………

    2008-01-29 02:49:00
  • 557:

    愛◆hsF3gEfPG6

    愛の異変に気付きまぁくんが愛を抱き寄せようとしてきたけど、愛は苦しい中まぁくんの体を引き離し、後退りしながら、机の中にあったビニール袋を取出し口に当てながら目をつむった。                                   
    何も見ない………見たくない…………大丈夫………大丈夫…………自分自身に言い聞かしながら必死に呼吸をしようとする。落ち着かなきゃだめだよ。。。                                                  
    ぎゅううぅっ………愛がビニール袋を鼻と口にあててると、まぁくんが愛をぎゅうっと抱き締めて、背中をトントンしはじめたんだ。振りほどきたくても、力がでない…………

    2008-01-29 02:55:00
  • 558:

    愛◆hsF3gEfPG6

    こうしてほしかった………ずっと………ずっと離れてしまってから…愛はまぁくんにこうしてほしかった……………どんな願いよりも一番叶えてほしかった願いだった。。    こうされると、愛はすごく安心できたから。。                                           
    でももう、愛の居場所じゃない………リサの居場所…………この腕の中に今は安心できない………苦痛でしかない…………                                          
    少しして落ち着いた愛。ゆっくりビニール袋をはなすと、あの時リサが選んだ香水の香りが愛を包んだんだ。………ドクン…………現実が教えてくれるんだ。リサの居場所になったまぁくんを。。ここは愛の居場所じゃない。

    2008-01-29 03:00:00
  • 559:

    愛◆hsF3gEfPG6

    「愛っぺ、俺リサが大事やねん………妊娠嘘やって分かったけど、そんなんどうでもいいねん。。大事にしたいねん……」愛を抱き締めながらまぁくんがそう話したんだ。                                 
    その言葉に嘘がないことが分かる……あの日愛を好きだと言った時と同じ話し方だもん…………                                         
    愛ではないリサの事をこれからまぁくんは守りたいと愛に話すんだ。あの日愛に話してくれたように………愛が欲しくてたまらなかった未来をリサと叶えたいと………愛に話すんだ。

    2008-01-29 03:07:00
  • 560:

    愛◆hsF3gEfPG6

    「ほんまにごめんな………俺をうらんでいいから………でも愛っぺ幸せになってや?!………俺はもう、何にもしてやれんねんから……」                                              
    その時視界にはいったまぁくんと愛の足。。この足で一緒に未来を歩くんじゃなかったの…………?                                                                           
    もう、どうにもならない……                                               
    ぐいっ!まぁくんの体を引き離して愛は背中を向けて座ったんだ。泣きたくないのに涙が溢れる。。。

    2008-01-29 03:12:00
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