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DEAR〜

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  • 1:

    アイ◆hsF3gEfPG6

    これは、愛の16の時の実話です。
    よかったら読んでください。

    2007-12-20 01:13:00
  • 681:

    愛◆hsF3gEfPG6

    サユリの太もも内側は血が流れ、固まっていてそれをユキが優しくお湯を絞ったタオルでふきとっていく…何も言わず黙ったまま――サユリは誰かに犯された――聞かなくても分かったのは、サユリがパンツをはいていないから……なんで??…………ユキは、サユリの体をタオルを替えながら拭き自分の服を着せ、そっと布団をかけた。 愛がつけたままのテレビから流れてくる音だけが部屋に響いてるだけで、とても静か。。 「……病院つれてった方が――」愛がユキに近づき、ユキの手にそっと手をのせた時、言葉を失った。。。カタカタと肩を震わせユキが鼻をすする音が聞こえてきた。 ――ユキ?泣いてるの?―――愛はそう聞きたいけど、聞けない。

    2008-02-05 09:51:00
  • 682:

    愛◆hsF3gEfPG6

    バーン!!! ユキが血が交じったおけを払いのけ、お湯が当たり一面に散らばり、フローリングがお湯とタオルでぐちゃぐちゃになる。 「……なんでっ」ユキの悔しそうな声。。 「何があったん……?」「……族狩り………っなんで………なんでサユリは………サユリはうちをかばって…………くそーっ!!!!!」ユキの悲しい悲鳴にもにた叫び声。。 愛は、それ以上何も聞けずにただその場にぺたりと崩れ落ち、二人と微妙な距離をおいていた。

    2008-02-05 09:57:00
  • 683:

    愛◆hsF3gEfPG6

    詳しく聞かなくても、サユリの姿を見ればなんとなくだけど分かる……                 
    「……ユキ」しばらくしてから、サユリが声を出した。かすれた弱々しい声。目蓋が腫れあがってるけど目蓋を少しだけあけたのが分かった。「サユリ?……ごめん…ごめんなっ………」ユキの声が小さく震える。サユリの手をキュッと握るユキの手。サユリは、少しだけ微笑みユキを見る。 「助けに来てくれてありがとう……」その声を聞きユキは唇を噛み締めて、とても悔しそうに顔を歪める。 「助けてやれんくてごめん!!あの時、すぐにでも戻ってたら………こんな目にあわんくてよかったのにぃ……」「ユキが無事でよかった……」悔しそうに泣くユキをまるでなだめるように、サユリが優しく話す。

    2008-02-05 10:05:00
  • 684:

    愛◆hsF3gEfPG6

    サユリが眠ってから、ユキが愛を隣の部屋へと連れていき愛に話した。族狩りが暴走をいきなり邪魔しはじめ、ユキとサユリが乗ったバイクだけを煽りはじめ、細い路地にはいった時いきなりサユリがバイクを止めてユキを逃がした。ユキは、サユリがそのままバイクで走り去りその後すぐに族狩りの車が後を追った。 しばらくしてから、ダイキや仲間を見つけみんなでサユリを探したら、地元じゃ有名な“やり捨て”で有名な小さな山の中にバイクと倒れてるサユリを見つけたって         
    愛はその話しを最後まで細かく聞いた時、両手で口をおさえていた。愛が福島にやられた以上…それ以上に恐ろしい思いをサユリはしたんだ……自分が同じ事されても意外と平気だった理由が分かった………

    2008-02-05 10:12:00
  • 685:

    愛◆hsF3gEfPG6

    愛がもし、サユリの立場なら自分があんな目に遭ってもユキの無事を喜ぶ事ができたろうか……自分の危険を分かっていても友達を逃がす事ができるだろうか――                         
    それからユキは仕事も休み、一週間ずっとサユリの傍にいた。片時も離れずサユリの看病をしていた。愛は、サトシに事態を話しサトシが寮へとやってきたけどユキがサユリには会わせようとしなかった。それはサトシだけじゃなく、他の男の連れがやって来ても。 サユリは、男を見るのすら怯えているから…

    2008-02-05 10:18:00
  • 686:

    愛◆hsF3gEfPG6

    愛は、ユキと同じ寮にいるのにユキはずっとサユリと居るから会話をすることはなくて、最初は仕方ないとは分かっていたけどだんだん淋しくなってきた。ご飯も1人。夜も1人。 ユキはずっとサユリと居る……                  
    ユキと同じ族にいて、愛よりだいぶ前から仲良しなサユリとユキが一緒にいるのは当然の事で、自分をかばって傷ついたサユリと居るのも当然の事。                                  
    それでも、やっぱり愛はサユリに嫉妬をした。                            
    嫉妬なんかしたくないのに、二人の話し声が聞こえるたびに、愛は邪魔なんかなぁって感じてしまう。

    2008-02-05 11:56:00
  • 687:

    愛◆hsF3gEfPG6

    愛は明日帰るのに…ユキとまともに会話もできてない… コンコン…部屋のドアをノックする音。立ち上がりドアをあけるとそこにはサユリの姿。顔の腫れはだいぶ治ってる。                     
    「ちょっといい?」とサユリ。愛はサユリを部屋に入れドアをしめた。ユキは隣の部屋にいるままこっちに来ない。 二人で座り愛はタバコを吸う。「いきなり居座ってごめん…明日帰るから……ちゃんと話したかったし」「構わへんよ?大丈夫なん?」ユキの服を着ながらサユリはうなずいた。

    2008-02-05 12:33:00
  • 688:

    愛◆hsF3gEfPG6

    サユリ「…うん……あのさぁ……ユキと一緒に暮らしたいねん……」――?!―――想像してなかった言葉に固まる。  「どゆ意味?」「一緒にサユリの家で住むって事…」ユキはなんて……  ガチャ―ドアが開きユキが部屋に入ってきて真面目な顔してサユリの隣に座った。 「愛?こんな状況なってサユリの事1人にできんからうちサユリの家でしばらく住むつもりやねん。。」ユキは、愛の目を真っ直ぐ見て話す。 「いいよ…丁度よかった…愛も明日帰ろうと思ってたから」愛の言葉を聞き、ユキが愛を見る。びっくりした顔で。

    2008-02-05 13:03:00
  • 689:

    愛◆hsF3gEfPG6

    「……そっか…」少し寂しい顔をしてユキが話し、愛は何も言えないままタバコを消した。 そしてサユリとユキが愛の部屋を出ていった。                        
    ぽつんと1人になった部屋で愛はため息を吐く。ちゃんと話したかったはずの言葉やのになんであんな言い方してもたんやろ……ユキなんにも悪くなんかないやん……                      
    その夜結局愛はユキと話すわけでもなく、荷物をまとめていた。サトシに電話するとサトシが明日の夕方迎えに来るって話してそれ以上愛は話さなかった。

    2008-02-05 13:11:00
  • 690:

    愛◆hsF3gEfPG6

    荷物をまとめ部屋を雑巾で拭いていたら気付けばすっかり夜中になっていた。窓の外から聞こえてくる虫の鳴き声…窓を開けて外の景色を見る。 そういえばここに来てから、愛は空を全く見上げてない――たくさんの星が弱く…でも強くキラキラと輝きを放ち、今にも消えてしまいそうな細い三日月が静かな夜に空を輝かせている。                              
    もっと見上げればよかったな――こんなにここの夜空は澄んでいて星がいくつも見えるなんて、全く気付かなかったよ―――                                        
    まぁくんと出会ってあと3ヶ月足らずで一年になるんだ――長かったような短かったようなそんな時間だね………初めて出会ったのは7月7日だった。あの日は七夕で、こうやって二人で空見上げたっけ……

    2008-02-05 14:07:00
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