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I'm In?*
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1:
名無しさん
〜♪〜♪――‥
永遠と続く緑、広い道路に英語の広告。
初めて耳にする曲を聴きながら、車の窓越しに映る景色をあたしは―‥ただぼんやりと眺めた。2008-01-13 17:42:00 -
93:
『電球割れちゃったんだって?皆危ないから部屋移動しなさい。私が片付けとくよ。』聞き付けたサムのお父さんがチリトリとホウキ片手にやってきた。『あっ!お父さん。そうなの、ごめんね?お願い♪』当たり前のように答えるサムに、あたしは目を大きくした。「えっ‥――いや!あたしが――!!」『行こっ!』(片付けます‥‥)そう言い終える間もなく、リズに手をひかれ部屋を後にした。
‥‥この家は娘が主導権を握っているんだろうか。
ごめんなさいオジサン。。2008-01-30 17:38:00 -
94:
‥―――場所は代わって、ゲストルーム。
大きくて柔らかいソファーの横にある、一人用のに腰掛ける。隣ではメガンとリズが楽しそうに、またパーティの主催者であるサムは他の子と話していて、あたしに出来ることは人間観察くらいだった。
♪〜♪〜
日本の携帯にはない、独特な着信音が鳴る。‥――趣味ワルッ。そう思ったのに『もしもぉし。』電話を取ったのはまさかのメガンで。それだけで流行ってるのかなと思ってしまう。。2008-01-30 17:41:00 -
95:
『――‥うん、うん。分かったぁ。はーい♪』
『どぉしたの?』
ポーチからメイク道具を取り出すメガンに、リズが尋ねる。『ジョスが来たって。ねぇ、サムー!!あたし達もうすぐ行くからぁ!!』
行く?あたし達?‥‥複雑そうに化粧直しをし始めるリズ。一瞬目が合ったのに、反らされた。
‥――どこに行くの?2008-01-30 17:42:00 -
96:
『もぉ行くの?まだ7時じゃん。』サムが残念そうに駆け寄ってきた。
『てかほんとに来ないのぉ?』サムの顔も見づに、メガンが言う。
『う〜ん、だって皆まだいるし‥。でも行けたらまた電話する!』
『そっか。』鏡で自分の姿に見とれているメガンの聞いてるのかも分からない返事。
あたしは?あたしも行くの??何で目、反らすの――‥どこに行くのよ。2008-01-30 17:50:00 -
97:
《ピンポーン》チャイムが鳴り、サムが話を中断して玄関へと向かう。
『はいはぁい』ドアの向こう側にいたのは二人の男。とても16とは思えないほど大人っぽい…。
『ジョシュ、クリス!久しぶり♪』『おー。てか今日パーティしてんの?ドラッグパーティ?』『ドラッグパーティなの?んならココでいいんじゃね?笑』『違うよ!!アタシん家でするわけないじゃん。プールパーティ!!っもぅ。』
中に入らず玄関先でケラケラ笑う三人。…―何話してるんだろう。2008-01-30 20:56:00 -
98:
するとメガンが男に気がついたのか、化粧品をポーチに詰め込みながら立ち上がった。それを追うように立ち上がるリズ。
状況が飲み込めないあたしは、事態を把握しようと目をキョロキョロさせる。
『行くよ♪』笑いかけるリズにほっと一安心‥‥。
頼る人がリズしかいないあたしは、金魚の糞みたいにあとを追う。2008-01-30 20:59:00 -
99:
『お待たせ』――‥お待たせ?『おせーよ。置いてくぞ』『ごぉめん〜。女の子には色々することがあるの!』
『へぇ。‥あれっ?その子も来るの?』ジョシュという人と目が合う。
紹介してもらうとばかり思っていたあたしは、何て言おうか考えていた。
『俺2人って聞いたから偽造ID二つしか用意してねぇぞ。』‥――偽造アイ‥ディ?『あ〜‥‥。言うの忘れてたぁぁ』髪を指でいじりながらメガンが言う。『どうしよっ』2008-01-30 21:01:00 -
100:
『えっ!?‥』リズが困惑した様子で、眉を下げる。
皆の顔も"どうすんの?"といわんばかり――。
『ん〜じゃあ悪いけど、今日は行けないねぇ。君も16でしょ?』クリスという人があたしを見る「ハイ。」
『IDがなきゃクラブ入れないしさ。また今度作っとくよ。』そして自分をフォローするかのように、メガンが付け足す『あたしのせぇだ‥。ゴメンねっ?』
――わざとのくせに。「‥ウン」2008-02-01 01:05:00 -
101:
サムとリズの家は近所――あたしは一人、歩いて帰る。
何故行ったのかも分からないパーティ。何故来たのかも分からない海外‥‥。
なんで生きてるのかも分からなくなってくる。
日本に帰って買い物したり遊んだり、普通の生活がしたい。日本の方が、よっぽど楽しい―――。2008-02-01 01:08:00 -
102:
タンスの中に閉まっておいた服の匂いを嗅ぐ。‥‥懐かしい、家の匂い。
悲しくて仕方なくて、顔を服にうずめて泣いた。お母さん‥お母さん‥お母さん―――心で何度も叫ぶ。
離れて、改めて感じる母親の存在。浮いていたはずの家も、今は恋しい‥‥。離れただけでこんなに寂しくなるなんて、影でいつも支えてくれた証拠――
自ら親孝行したいと、初めて感じる瞬間だった。2008-02-01 01:11:00