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  • 1:

    ぴゅふー.ぴゅふー.

    という不思議なおとは、肺かなんかが穴開いてるからするのかな?

    ぴゅふー.ぴゅふー.

    2008-02-08 20:46:00
  • 21:

    なんとなく空を見上げると、こんなに濁った色をバックにするのは不釣り合いな真白い鳥が二羽、仲良くじゃれあっている。
    メオは口を大きく開けながらぼーっとそれを目で追う。
    メオが口を開けっ放しにしてしまうのは、癖である。
    たまにヨダレが出てしまうのは、問題ない。
    そういうもの。

    2008-02-11 11:56:00
  • 22:

    「あ」

    血が、助走をつけてパタリとメオの口角付近に落ちた。
    危ない危ない。

    2008-02-11 15:37:00
  • 23:

    なんのち?
    ああトリのちか。
    なんで?
    ああじゃれてるんじゃなくてケンカしてるんだ。
    お互いの肉とかついばみながら。

    2008-02-11 15:39:00
  • 24:

    メオは口を開けっ放しのままジーンズのポケットからナイフを取り出すと、右手にだけぐっと一瞬力を入れ、すぐにそれを解放した。
    それから思い腰をあげ、ほどけた靴ひもを結び直す作業に取りかかった。

    ドスン.

    2008-02-11 16:31:00
  • 25:

    今まで座っていたソファーに、腹を真っ赤にした鳥が落ちた。
    真っ赤にした原因はやはり、腹に刺さったメオのナイフだろう。
    上空には一匹になってしまったところどころ赤い真白の鳥が、どこか淋しそうに同じところをぐるぐる回っていた。
    「なんだよう、お前だってこうしたほうが良かったろ?」
    結び目をきつくしながらメオは言う。

    2008-02-11 16:45:00
  • 26:

    「ギー・・・」

    メオの後ろに横たわるトリは、なんともおかしな声で鳴いた。まだ息がある。

    「お前ら本当可笑しいなぁ、ふふ。」

    2008-02-11 16:52:00
  • 27:

    子供のように無邪気な笑顔を見せ、メオは腹に深く刺さったナイフを一気に引き抜いた。
    トリは、腹部から赤いものを噴き出しながら、ますます妙な声をあげた。
    メオは足をバタつかせながらギャハハハと下品に笑い、
    「でも、なんか死ぬ寸前の奴って汚いからやだな、メオ。」
    血走るトリの瞳を見ながら、それの首を折った。ゴキリ.と、鈍い感触が、手のひらに伝わった。

    2008-02-11 17:04:00
  • 28:

    メオはこうして自らの手で他人の命を終わらせるといった行為に対し、全くといっていい程罪悪感を感じない特殊な人間であった。
    自分に危害を加えようとする恐れのあるものは、躊躇無く殺す。壊す。
    また、危害とは一概に命を脅かすものとは限らない。
    自分の言うことを聞かなかったり、馬鹿にしたりすることだってメオにとっては十分に生活を害するもの。
    だから、メオはそういったものを道に落ちている小石を蹴飛ばすような気持ちで、さっさと排除していった。

    2008-02-11 18:23:00
  • 29:

    しかし、小石とニンゲンの違うところは感情を持ち合わせていること。
    メオは度々運のいい小石に再来されては更なる害を与えられていた。
    邪魔な小石は蹴れば蹴るほど仲間を連れて増えていく。
    やがて道は石だらけになるだろう。
    それでも、目の前の石を蹴らずにはいられない。

    2008-02-11 18:36:00
  • 30:


    [ただ生きるだけなのに、世界はずいぶんと石が多い]

    夜、スモッグで星の見えなくなった空を眺めながら眠りに落ちる際、彼女はよくそんな事を思った。

    2008-02-11 18:40:00
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