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  • 1:

    ぴゅふー.ぴゅふー.

    という不思議なおとは、肺かなんかが穴開いてるからするのかな?

    ぴゅふー.ぴゅふー.

    2008-02-08 20:46:00
  • 27:

    子供のように無邪気な笑顔を見せ、メオは腹に深く刺さったナイフを一気に引き抜いた。
    トリは、腹部から赤いものを噴き出しながら、ますます妙な声をあげた。
    メオは足をバタつかせながらギャハハハと下品に笑い、
    「でも、なんか死ぬ寸前の奴って汚いからやだな、メオ。」
    血走るトリの瞳を見ながら、それの首を折った。ゴキリ.と、鈍い感触が、手のひらに伝わった。

    2008-02-11 17:04:00
  • 28:

    メオはこうして自らの手で他人の命を終わらせるといった行為に対し、全くといっていい程罪悪感を感じない特殊な人間であった。
    自分に危害を加えようとする恐れのあるものは、躊躇無く殺す。壊す。
    また、危害とは一概に命を脅かすものとは限らない。
    自分の言うことを聞かなかったり、馬鹿にしたりすることだってメオにとっては十分に生活を害するもの。
    だから、メオはそういったものを道に落ちている小石を蹴飛ばすような気持ちで、さっさと排除していった。

    2008-02-11 18:23:00
  • 29:

    しかし、小石とニンゲンの違うところは感情を持ち合わせていること。
    メオは度々運のいい小石に再来されては更なる害を与えられていた。
    邪魔な小石は蹴れば蹴るほど仲間を連れて増えていく。
    やがて道は石だらけになるだろう。
    それでも、目の前の石を蹴らずにはいられない。

    2008-02-11 18:36:00
  • 30:


    [ただ生きるだけなのに、世界はずいぶんと石が多い]

    夜、スモッグで星の見えなくなった空を眺めながら眠りに落ちる際、彼女はよくそんな事を思った。

    2008-02-11 18:40:00
  • 31:

    -----------
    ----------------

    「お体の調子は?」
    全ての壁や器具、シーツやペンまでもが黒で統一された、もはや病室とは連想できない部屋に不釣り合いの真っ赤なリンゴをかじりながら、今にもこぼれそうな笑いを噛み殺して佐山は言った。

    2008-02-11 18:48:00
  • 32:

    「からかってるのか?」

    ベッドに脂肪で何重にもくるまれた体を沈めているニンゲンもどきのようなものは、頭皮からも大量の皮脂が分泌されているのかじっとり湿った黒く長い髪を邪魔そうにかきあげる。

    「いやいやまさか。あ、爪、切らないんですか?」

    2008-02-11 18:54:00
  • 33:

    「佐山」

    「冗談ですって。それより、見つかったんですか?あれ。」

    「見つかっていたら、俺は「こんなとこにはいない!でしょー?ふふ」

    2008-02-11 18:57:00
  • 34:

    脂肪の言葉を遮った佐山は、不機嫌な脂肪の顔を見ることもせずそのまま続けた。


    「冗談成立でいいですね?」

    2008-02-11 19:00:00
  • 35:

    「.....」

    「返事は明日中に下さい。僕あまり気が長くないので。」

    「分かった...」

    2008-02-11 19:03:00
  • 36:

    重い鉄製の扉が閉まる音を聞きながら、脂肪は伸びすぎてとぐろを巻いた自分の爪を見つめる。

    ぶ厚く、爪母が弱り縦横に波打ったまるで年寄りのそれは、まだ21年の人生しか知らない彼にとって異質であり、同時に不思議と懐かしくもあった。

    明日、狭山はどんな顔をするのだろう。そう考えると時計が刻むごく小さな音ですら騒がしく、何時までたっても眠ることができない。

    2008-02-11 19:14:00
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