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†アヤカシ†
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1:
削除削除されますた
あぼ~ん -
31:
◆8NBuQ4l6uQ
いつの間にか外は暗くなっていて歩いている人が少なくなっていた。 というよりも人を見るのはここにきて初めてのような気がする。 あたしは動く気力をなくしてソロについていくので必死だった。 ソロは街の家や店の裏道に入っていく。 どうしてソロは危ない場所を好むのだろう。 『お入り』 ソロはとあるドアの前にたった。 『ここは?』 『お入り』 何も言ってはくれないソロ 仕方なくドアを開いてみた『いらっしゃい!』 その声はここにきて初めて安心できる程明るい声だった。 顔を上げてみると男のコが立っていた。 頭にバンダナを巻いた可愛らしい男のコ。 『ソロだッ!元気してた??久しぶりだね!』 男のコはソロの顔に向かって思い切り笑顔でいった。 『元気だよ』 ソロは相変わらず無愛想だ 『その血はどうしたんだ』店の奥からソロと同じ年くらいの男の人が出てきた。『門番だょねッ』 男のコが明るくいう。 そしてあたしに向かって男のコは笑顔で 『俺はロンだよ!』 ロンはあたしを椅子に座らせた。 『僕は凜』 この世界の人間は皆どこからきた人達なんだろう。 こんなにも名前がバラバラだとわからない。
2008-03-15 18:03:00 -
32:
◆8NBuQ4l6uQ
あたしも一応名前を言っておかないといけないんだろうと名前を口にしようとした瞬間 『春だよねッ!』 という声がした。 どうやらロンが先にあたしの名前を口にしたようだ。『どうして知ってるの?』ロンに向かって聞いてみる 『この世界の人間は皆知っているよ』 凜がロンの頭に手を置きながら答える。 とりあえずここでは何か情報がえられそうだと、 少しだけ安心した。
2008-03-15 18:09:00 -
33:
◆8NBuQ4l6uQ
凜が奥から服を持ってきてくれた。 『これなら君でも着れるだろう?』 『ありがと。着替えてきてもいい?』 『ああ。あそこを使ってくれればいい』 とにかく今は着替えたかった。 試着室のような場所に入って着替える。 やっとスカートからおさらばすることができた。 制服を見ると生々しい血がついている。 そういえばさっきソロは戦っていたみたいだったけれど怪我はないんだろうか。 試着室からでるとソロも着替えが終わったみたいだった。 あたしと同じコートのようなものを着ていた。 『何かあたしよりも細く感じるね』 ソロの方が身長があるからだろう。細くみえる。
2008-03-15 20:28:00 -
34:
◆8NBuQ4l6uQ
『ソロ…怪我は?』 ソロは椅子に座り、こちらを見ないまま下を見ている『ないよ』 ソロは本当に無愛想だ。 『本当に?身体見せてよ』ソロは立ち上がってドアの方に歩いていった。 『凜。春の事お願い』 それだけ言って外へ出ていった。 『ソロ???』 あたしはどうしていいのかわからずに凜の顔をみた。 凜は軽く笑っている。 『心配しなくてもソロは戻ってくるよ』 そう言われても…ね。 心配な物は心配だ。 だって知っている人はソロしかいない。 でもくよくよしても仕方がないとプラスに考える事にした。 今は3人しかいない。 2人はソロの事を知っているみたいだしもしかしたら何か情報が手に入るかも… とにかく今は聞きたい事を聞く事にした。
2008-03-15 21:30:00 -
35:
◆8NBuQ4l6uQ
一番聞きたい事を聞いた。『ソロって何者ですか?』凜とロンはこちらを不思議そうに見ている。 『罪人だよ』 2人は当たり前かのように答えた。 『ソロも同じ事を言っていたけど…何をしたの?』 2人の顔に笑顔はなくなった。 『詳しくは言えないけれど…ソロは指名手配されているからこの世界の人はみんな敵だよ。なんたって巨大な金がかかっているから』 ロンが窓から外を見ながら答える。 『指名手配って…。見つかれば殺されちゃうの?』 凜は本を読みながらあたしの質問を聞いている。 『その場で殺そうとするやつもいるし…王様の所に連れていければもっと金は貰えるんだ。 だけどあいつは簡単には捕まえれないよ。 並のあやかしじゃね』 そんなに強いんだ… ソロって。 …あやかし? あやかしって何だろ。 『あやかしって何?』 ロンはそんな事も知らないのかという顔をしたけれどすぐに教えてくれた。 『あやかしって言うのは…門番ッ!門番って変わってたでしょ?犬みたいな。 あんな化け物みたいなやつの事をあやかしっていうんだ。 ソロもあやかしだし… 俺達もあやかしだよ。 この世界のやつらは皆人間にみえるけれど 何か危ない事があったり興奮したりすると変化するんだよ』
2008-03-15 21:46:00 -
36:
◆8NBuQ4l6uQ
てか何でそんな世界にあたしはいるわけ? いていいものなの? 『ねえ…2人に聞いても意味がない事だけど…。 あたしは何でこの世界にいるのかなぁ…』 2人は少し困った顔をした 凜が口を開いた。 『君がいた世界では君は死にかけているんだよ』 (………はぁ?) 『どういう事?』 あたしはこれ以上馬鹿らしい事はないだろうと鼻で笑った。 『君は事故にあった。覚えているかい?』 確かにそれは覚えている。『そいつはこの国の王のせいだ。君の家族が皆亡くなってしまったのも王のせいだ。 王は君をも殺そうとしているんだ。 ソロはそんな君を助けるために君の前に現れた。 信じられないかもしれないけどこれが現実だよ。 僕が言えるのはこれだけなんだけどね』 どうしてこの世界とあたしの家族が繋がってるの? どうして… どうして―… 頭が痛い。 目をつむる。 誰かが叫んでいる。 『―…さんッ!熱いょ!』誰―…?
2008-03-15 22:26:00 -
37:
◆8NBuQ4l6uQ
目を開けるとあたしは赤い光に包まれていた。 いや…炎だ。 家が火事で焼けている。 『さんッ―…父さんッ』 誰かが泣いている。 …あたし? そこには幼いころのあたしが立ってないていた。 1人だけ逃げ遅れたのだ。『瞬ちゃんッ…母さんッ』 熱いよ… あたしの心の叫びが聞こえる。耳をふさいでいても聞こえてくる声。 外に移動すると 母さん、父さん、瞬ちゃんがいて他にも沢山の人が立って家を見ていた。 『放せよッ―…ッ!』 瞬ちゃんが家に入ろうとしているのを父さんが捕まえている。 『ダメだッ!今助けに行ってくれているからッ!頼むからお前はここにいろ!』泣き叫ぶ母さんに瞬ちゃんを任せて父さんが家に向かって走ろうとした瞬間、 瞬ちゃんが先に家に入っていった。 『瞬ッ―…瞬ッ!!!』 取り乱す母さんと父さんを必死に抑える消防士達。 パチパチ―… 家はどんどん崩れていく。 『瞬ちゃんッ―…』 今まで泣き叫んでいたあたしにもう元気はなかった。意識がどんどんと遠退いていった。 『春ッッッ!!!』 幼いあたしの耳に瞬ちゃんの叫びが聞こえた。 『瞬ちゃんッ!!』 全力で瞬ちゃんを呼ぶ。
2008-03-16 02:36:00 -
38:
◆8NBuQ4l6uQ
幼いあたしの目に瞬ちゃんが映った。 『春ッ!』 瞬ちゃんは思い切りあたしを抱き締めた。 『瞬ちゃんッッ!』 あたしは泣き叫んだ。 瞬ちゃんはあたしの腕を引っ張って玄関に走る。 玄関が見えてきた時、瞬ちゃんは足を止めた。 『春?良く聞いて? 僕は一緒に帰れそうにないんだ。 だから母さんと父さんを頼んだよ…。 僕はまた春の所に帰れるように頑張るから。 ごめんね…こんなお兄ちゃんでごめんね…。 苦しかったね。 さぁ早く外に出てッ!!!春ッ!元気にしててね!』 そう言って瞬ちゃんは力の限りあたしを突き飛ばした。それと同時に家が崩れ落ちた。 あたしの目に確かに見えたのは悲しそうに微笑む瞬ちゃんと白い手。 確かに瞬ちゃんの足を掴んで放さなかった。 その後あたしはゴロゴロと地面を転がった。 すぐに消防士達が走ってきてくれた。 母さんと父さんは相変わらず消防士達に抑えられていた。 『瞬ッ―…!!!』 全力で叫ぶ母さんと父さん あたしは泣くことも出来なかった。 (ごめんね…瞬ちゃん) 今だに火事の原因はわかっていない。 あの日、あたしにだけ見えた白い手は何を意味していたのだろうか…―。 『―…る?』
2008-03-16 02:49:00 -
39:
◆8NBuQ4l6uQ
『春?春!』 目を開けるとロンが目の前にいた。 『ソロが帰ってきたよ!』部屋を見回すとソロが凜と話ているのが見えた。 『ソロ…どこいってたの』ソロはこちらに向かって歩いて来る。 『あつい?』 また汗かいてる… あんな夢みちゃうから―…瞬ちゃん…。 あの5年後、あたしの両親は交通事故にあって亡くなった。 今はあたし1人。 お爺ちゃんとお婆ちゃんにお世話になっていた。 『ううん―…大丈夫』 ソファーに座る。 頭が重いよ―…。 『お食べ』 ソロが何か入った袋をあたしに差し出した。 『何?これ』 『見てごらん』 袋を受け取って中を見る。 とても良い匂いがした。 パンだ―…。 そう言えばお腹すいてたな 他にも果物が入っていた。『お食べ』 ソロはあたしに勧めるばかりで自分は食べようとしない。 『ありがと。ソロは?』 『いらないよ』 あたしは周りの2人にも聞いてみる。 『2人は?』 『いらないよ』 皆ご飯って食べないのかな いつでも自分だけなんだか迷惑をかけているような気がする。 『ごめんね。ご飯買いに行ってくれたんだね…』 あたしはその間寝てたんだ 少し悪い気がした。
2008-03-16 07:57:00 -
40:
◆8NBuQ4l6uQ
パンを袋から出して食べる。ソロはそんなあたしをずっと見ている。 『どしたの?』 『………』 何も言わない。 本当に食べないんだ。 あたしは気にしないで食べる事にした。 手の平サイズのパンが3個入っている。 ふわふわとしていてとてもおいしい。 3個全部食べて果物を取り出そうとした時、 ガタンッ―… とソファーの下に転がってしまった。 目が勝手に閉じていく。 『眠い―…』 最後にソロの冷たい顔が見えた。
2008-03-16 08:02:00