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1:
田中
廊下からバタバタと誰かが走ってくる音
がらっと教室のドアが開いた必死な顔で友達の隼人が「大変やべーよ」2008-03-19 15:01:00 -
141:
真吾
軽く会釈をすると
綾瀬さんは走ってどこかへ行ってしまった。
教室に戻ろうと後ろを振り向くと
「真吾、綾瀬さんの事…」
隼人はいつになく真剣な顔をしていた2008-03-24 02:10:00 -
142:
真吾
「好き…なんか?」隼人の問いに動揺する…
「悪いか?」投げやりに返した。隼人はにかっと笑って「俺負けへんよ?」っと背中をバシッと叩いた
気持ちがふっと軽くなる。初めから言っておけば良かった…2008-03-24 15:27:00 -
143:
真吾
きっと…隼人は僕が黙っていた事に寂しさを感じていただろう。
隼人は何でも素直に話してくれてたのに。
放課が終わって授業が始まったというのに綾瀬さんの姿がなかった2008-03-24 15:30:00 -
144:
真吾
「先生…」震えた声を出したのは言うまでもない。
「どうした?森岡」心配そうに先生はこっちを見た
「お腹が…痛くて」僕は何も痛くない腹を抱えて先生に訴えた。
「大丈夫か?早く保健室行って来なさい。」そう言われ僕は教室を出た2008-03-24 15:34:00 -
145:
真吾
もちろん、向かった先は保健室ではなく綾瀬さんを探しに…。
図書室、部室…いない。一体どこに?帰ってしまったのではないかと半ば諦めかけ、最上階でもう使われていない旧校舎の音楽室へ向かった2008-03-24 15:40:00 -
146:
真吾
窓を覗いてみると
彼女は一番後ろの席で眠っていた…
起こさないように、静かに教室に入り、綾瀬さんが眠っている前の席に僕は座った。2008-03-24 15:43:00 -
147:
真吾
サラサラな髪の毛に
長い睫毛…気付くと彼女の頭を撫でていた。
自分がこんな行動派だとその時気付いた。
「ん…っ」彼女が目をうっすら開けた。2008-03-24 16:23:00 -
148:
真吾
手をとっさに離した。
彼女は僕の顔を見るとびっくりした様子で「何で?えっ森岡くん何でここにいるの?」
僕は「何か気になって…」
気になったからって追いかけてくるなんて普通イヤがられるよな…2008-03-24 16:27:00 -
149:
真吾
「ありがとう、優しいんやね。」綾瀬さんは無理して笑った。瞼がほんのり赤く何か妙に切なくなった。
「大丈夫…?」顔を覗き込むすると綾瀬さんの顔が急に赤くなった。2008-03-24 16:39:00 -
150:
真吾
「教室に戻ろっか」彼女は気まずい空気を察してか
席から立ち上がった。
「待って…」僕は今までじゃ考えられないような行動だった2008-03-24 17:37:00