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運営運営
◎喋らない理容室◎
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1:
リョコ
繁華街から離れた静かな場所にある小さな理容室。 一見どこにでもある普通の理容室だが、一つだけ他の店と違うとこがある。
それは…私のお父さんは口がきけない理容師だとゆうこと。
〜そんな少し変わったお店のお話〜2008-03-31 01:04:00 -
2:
リョコ
ガランガランガラン
今日もお店の扉は軽快な音を鳴らして開く。店はグリーン色の壁にクリーム色の床。シャンプー台は二台、カット台は三台。本当にこじんまりしたお店だ。
2008-03-31 01:23:00 -
3:
リョコ
お店は昔は母と夫婦仲良く二人でやっていたが、母が亡くなってから父は一人でお店を営むようになった。
そして、母が亡くなったその日から父は喋らなくなってしまった。2008-03-31 01:29:00 -
4:
リョコ
もともと、声帯の痙攣?の病気もちだったが喋れなくなったのは精神的なものらしい。母が亡くなって3年たつが、父の声を聞いたことは一度もない。 あれから3年もたつのかぁ。私は20歳。もうすぐ成人式だ。
2008-03-31 01:40:00 -
5:
リョコ
もともと、声帯の痙攣?の病気もちだったが喋れなくなったのは精神的なものらしい。母が亡くなって3年たつが、父の声を聞いたことは一度もない。 あれから3年もたつのかぁ。私は20歳。もうすぐ成人式だ。
2008-03-31 01:41:00 -
6:
チョンコ
ゼッタイソツギョウシテヤル、サムハニダー
2008-03-31 01:50:00 -
7:
リョコ
『はぁ〜おとん、今日も客一組しかきてへんや〜ん』軽快な扉の鈴の音とは裏腹に外は雨。夏なのに雨。夏の雨はジメジメして気持ちを憂鬱にさせる。ふてくされて頬骨をつく私に父は、
{はーちゃん、部屋戻ってていいよ}とほほ笑みホワイトボードに書いた文字をみせる。
そう。喋らなくなってから父はホワイトボードで会話をするようになった。もちろんお客さんにも。カウンターには
{申し訳ございません。私は口がきけません。耳は聞こえます。会話は紙に書きます。それでもよろしかったら、どうぞいらっしゃいませ}と貼り紙がしてあるのだ。2008-03-31 02:09:00 -
8:
リョコ
『ほな部屋おるから、なんかあったらコール鳴らしてね』部屋に行こうと靴をぬいでいると、ガランガランガラン。雨の中真っ赤な傘をさした女性が入ってきた。
女性『すいません、今すぐカットしたいんやけど、いける?』
『あ、いらっしゃいませ。いけますよ!でも〜』貼り紙を指差す私。
女性『へ〜。あ、全然いいですよ。お願いします』ニコっと笑う女性は夜の匂いがプンプンしたけど、とても綺麗で少し見惚れてしまった。2008-03-31 02:26:00 -
9:
リョコ
バスタオルを差し出す父。女性『ありがとう〜。ウワッ!ふっかっふかゃね』バスタオルに顔を埋める女性。さっきまで泣いていたのだろうか?まぶたが少し腫れて鼻が少し赤くなっている気がした。
{今日はどうなさいますか?}
ホワイトボードを鏡ごしにみて笑う女性。『あ、そうするんか!了解了解!今日はバッサリ切って欲しいねん!』
2008-03-31 02:36:00 -
10:
リョコ
(え〜キレイな茶髪ロングやのにもったいなぁ〜)どうやら女性はおまかせでバッサリショートにするらしい。
父はどんな要望にも、いつも微笑むばかりだ。
『ほならお父さん葉月部屋戻ってるね』OKマークをする父を確認して私は靴を再びぬいだ。2008-03-31 02:48:00