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蜘蛛の糸

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  • 1:

    りな

    手を伸ばせば届くのに、怖くて動けない。
    もう一度この身を委ねられたら。

    他には何もいらない。

    2008-04-21 19:02:00
  • 11:

    名無しさん

    あげ

    2008-04-30 09:50:00
  • 12:

    りな

    どれだけ時間が経ったのか…。
    柴原が眠りにつき、風呂場へ向かう。身体中が腫れ上がるほど何度も何度も体を洗った。
    『いつからこんなんなってんやろ…。』シャワーを顔に浴びながらいつも涙が出た。

    2008-04-30 19:28:00
  • 13:

    りな

    柴原の目か覚めるまでに髪を乾かし薄く化粧をした。
    【ピピピッ】柴原の携帯のアラームが鳴り柴原が目覚めた。
    「ずっと起きてたんか?」『うん。寝てしまったらせっかく柴原サンの顔見れるのにもったいないし。』「そうかぁ…。ごめんなぁ、もうすぐしたら嫁とは別れるからな。」柴原は申し訳なさそうに30万を渡し妻子の待つ家へ帰って行った。

    2008-04-30 19:35:00
  • 14:

    りな

    まだ夜が明けない街は賑わい、さっきまで自分がしてきた事をまるで引き立たせるかのようにまわりは楽しそうだった。
    とてつもなく感じる疎外感と孤独に襲われながら街を足早に出た。
    『いつからこんなんなってんやろ…』深いため息と一緒に無意識に口にしていた。

    2008-04-30 19:42:00
  • 15:

    名無しさん

    頑張って!

    2008-05-10 05:48:00
  • 16:

    りな

    自宅に着いたのは朝方だったが眠りについたのは昼過ぎだった。
    【ピピピッ】電話の着信音で目が覚めた。『誰よっ!?』ブツブツ独り言を言いながら携帯を手に持った。【着信/竹田】画面を見てすぐにベッドに放り投げた。鳴り止まない着信音にイライラしながら、タバコに火をつけた。『お金やったらまだあるよ…。だから私に触らんといて…』携帯を遠めにつぶやいた。

    2008-05-12 20:03:00
  • 17:

    りな

    竹田という男は、柴原と同様私の「パパ」であり、店に来て大金を落としてくれる私の大事な太客だ。そしてやはり体の関係はある。
    でも決して誰とでも寝るわけではない。体を使わないと客が付かないわけでもない。指名本数も店の中でもトップだし売り上げもそこそこあげている。
    自分で稼いだ分で生活は十分出来るが、寂しさは埋められない。男二人は金で「私」を買い、私はその報酬に体の快楽と金をもらう。ただそれだけの事。

    2008-05-12 20:15:00
  • 18:

    りな

    体が欲さなければ、特に二人に会う必要はない。相手が既婚者である以上「都合のいい女」何かになるわけがない。
    だから不倫は楽だ。誰にも縛られない、自分が優位でいられる。いらなくなったらいつでも捨てれる。

    2008-05-12 20:20:00
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