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独占欲。
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1:
のん。
独占欲。一人じめしたい。自分だけのモノにしたい。誰でも少なからず持っている感情ではないだろうか。その感情を理性で押さえつけてはいませんか?これはその理性とゆうリミッターが外れた時、人がどうゆう行動に出るのか。その最悪のケースを描いたお話です。※グロテスクな話、暗い話、狂った話が嫌いな方は見ない事をお勧めします。
2008-05-05 03:49:00 -
231:
のん。
辺りをキョロキョロと見渡してみても、どこにも悠の姿はない。悠?どこ?とてつもない不安が再び友里を襲った。呼吸器…邪魔…。無理やり呼吸器を剥がして起き上がろうとしたが、力が入らない。
2008-05-18 17:54:00 -
232:
のん。
前のように足にだけ力が入らない訳ではなく、全身に倦怠感が付きまとう。「何…コレ…?」得体の知れない感覚に陥る自分の体に恐怖を抱きながらも、あたしは必死に立ち上がろうとした。
2008-05-18 17:55:00 -
233:
のん。
全身が気怠い感じなのに、さっきから下腹部だけがズキズキと痛む。腰も痛いし…。一体何なんやろう?分かれへんよ。怖いよ、悠。何で傍におってくれへんの?何処行ったん?助けてよ、悠…っ。
2008-05-18 17:55:00 -
234:
のん。
数分後、神妙な面持ちの悠が病室に入ってきた。「悠っ!!何処行ってたん!?怖かった…っ」悠が入ってくるなり、あたしは悠に抱き付いた。「……っ、ゆり…」悠の様子がおかしい。目が腫れている。「…何?悠?どうしたん?」
2008-05-18 20:36:00 -
235:
のん。
「…っ」悠は唇を噛み締め、あたしと目を合わそうともしない。「悠、何なん!?」そんな悠の態度が余計に不安を駆り立てる。「あたしの体…どっかおかしいん…?」勇気を振り絞って問い掛ける。その返答は予想も出来なかった答えだった。
2008-05-18 20:37:00 -
236:
のん。
「子宮剄ガン…の可能性があるって…」子宮剄ガン?テレビや雑誌なんかで、たまに見るくらいで、はっきりとした症状や治療法なんかは分からない。「あたし…ガンなん…?」ガンと言えば、直接死とゆうイメージは少なくはなっているが、あたしのイメージでは、薬の副作用で、やせ細ったり髪が抜け落ちたりとゆうイメージが強い。それに知識のないあたしの想像では、もう助からないような気がして、目の前が一気に真っ暗になった。
2008-05-18 20:43:00 -
237:
のん。
「念の為明日検査するらしいけど…、もしガンやとしても転移さえしてなければ、手術すれば治るって…」「治るんっ!?」その言葉にあたしは少し安心した。しかし、悠の表情は変わらなかった。「悠…?治るん…やんな?」「あぁ…、でも結果は明日にならな分からんらしいから…手術の内容も明日にならな詳しく分かれへんって…、だから今日は早く寝とけ」
2008-05-18 20:44:00 -
238:
のん。
そう言って悠はあたしの頭を撫でてくれたけど、なぁ悠…、何でそんなに泣きそうなん?何でそんなに辛そうなん?悠の笑顔は疑問と不安を焦らせるだけだった。その日、悠は病院の許可を得て、朝まであたしの手を握ってくれていた。
2008-05-18 20:44:00 -
239:
のん。
翌日、検査を受けたあたしは、結果が出るまでの間、待合室で待つことになった。「悠…大丈夫やんな…?治るよな?」悠に聞いたって分からないのに…それでも、いつもみたいに強気に『大丈夫や!!』って言うて欲しかった。気休めでも。
2008-05-18 20:45:00 -
240:
のん。
「大丈夫…大丈夫…、ゆりは、大丈夫やから…」そんなに優しい顔せんといて。そんなに切なそうな顔せんといて。まるで自分に言い聞かせるみたいに、悠は何度も呟いた。それからあたし達は喋る事もなく、お互い黙ったまま時間が過ぎるのを待った。
2008-05-18 20:46:00