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■キラキラ■

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  • 1:

    ageha

    雨が続き、憂鬱な日が続く。そう。梅雨。この季節になると、毎年あなたを思い出しては、涙する。優しいモノも。綺麗なモノも。あたしの前には、もう何もないの。ただただ、降り止まない雨に、流れ止まらない涙。

    2008-05-13 15:11:00
  • 21:

    ageha

    「アゲハ!!何先に帰りよんねん!!本間キレ…?!」あたしを追いかけてきた涼は。あたしの涙を見て言葉を飲み込んだ。「怒ればええやん!怒れや!!」初めて涼に。大きな声を出したかもしれない。嫌われる。きっと。嫌われる。そしてまた。一人になる。「何で泣くねん。ほんで何で急にキレんねん。訳分からん。説明して?」涼はあたしの凄みに少し動揺しながら言った。

    2008-05-16 09:49:00
  • 22:

    ageha

    「好き…やから…」涼は。それで?と。「信じとった。涼の事。」うんうんと。涼は優しい顔をしてあたしの話を聞く。「それだけ…」涼はため息を付き。話始めた。「ようするに不安なったって事やな?で、俺どないしたらいい…?」こんな優しい顔する人だなんて。知らなかった。「何で。何でこんな事するん。」涼は悟られたような顔を一瞬したけど。「意味分からん」と言った。

    2008-05-16 09:58:00
  • 23:

    ageha

    涼はあたしの目を見ずに「別れへんなら今日店きて。別れるなら…もう来んでええ。」そう言って帰って行った。ずるいよね。こんなに依存してるのに。側にいれないなんて。辛すぎる。無理だよね。あたし弱いから。きっと。涼から離れられない。

    2008-05-16 10:03:00
  • 24:

    ageha

    その夜。あたしの行き先は。やっぱり涼の店。ムカつくけど。気分が悪いけど。やっぱり涼の側にいたい。そう思ったから。「よかった。もう拗ねんなよ。」横に座った涼が小声で言った。「うん」もう少し。このままでいい。涼はあたしが携帯を見た事知らないから。きっと。大丈夫。問題は優。優が何を言うかわからない。「俺客きとるからヘルプつけるわ」涼はいつもの笑顔であたしの髪を撫でながら席を立った。どうしよう。優が来る…。

    2008-05-16 10:10:00
  • 25:

    ageha

    「おはよ」優は少し酔ってるのか。あたしにベッタリくっ付いた。「涼に怒られるで!」あたしは忠告してやった。「あんな奴が兄貴って…最悪。どーでもいい。」ドキっとした。「優酔ってんちゃうん?」心臓の音。聞こえそう。「かもな。アゲハちゃん。俺…」やばいと思った。言われる。絶対。絶対絶対やだ。「すみませーん!!優酔ってるみたいで〜…」大きな声を出した。違うホストの子がきてくれて。優を連れて行った。

    2008-05-16 10:20:00
  • 26:

    ageha

    ねぇ。あたし一人になりたくないよ。怖い。震えが止まらない。「大丈夫?涼さん呼ぶからちょっと待ってな?」ヘルプの子が涼を呼びに行った。どれくらい経っただろう。あたし泣き続けてたらしくて。店は閉店直前で。ラストソングが流れていた。「落ち着いたか?」涼の声で我に返った。妙に安心して。また泣いて。他のホストやお客さんがいるのに涼に抱きついた。「どないしたん?」涼は困った顔をしていた。「一緒に帰る…」あたし困らしてる。涼を。困らしてる。「うん。帰ろ?」涼は優しくあたしを撫でて。少し待っててと言い残して店の片付けをしだした

    2008-05-16 10:30:00
  • 27:

    ageha

    もう壊れそうで。あたし弱くて。やっぱりこうやって何かに寄生しないと生きていけない寄生虫みたいで。全部。終わりにしたくて。涼が眠ったあと手首を切ったんだ。だけど死ぬ勇気もなくて。泣きながら血が流れるのを見てた。

    2008-05-16 10:41:00
  • 28:

    ageha

    涼は目が覚めると。あたしの体を触ってきて。手首の傷には気づかなかったみたい。シャワーする時。ためらい傷が少し染みた。そのあとまた涼は眠って。あたしは眠れず。涼の携帯を見つめていた。優は…。どうなったんだろう。今度こそ。言われるよね。きっと。あたしは、涼の携帯から優の番号を盗み。部屋を出た。

    2008-05-16 10:47:00
  • 29:

    ageha

    夕方すぎ…あたしは優に電話して。会う約束をした。今日は店が休みで優は私服だった。「飯でも食おか。」先に話を切り出したのは優の方で。あたしは呆然としていた。「私服の方が似合ってる」何でそんな事を言ったのか分からない。ただ本当にスーツより私服の方が似合っていた。「久しぶりにいわれたわ〜」優は嬉しそうに言った。「久しぶり?」あたしは聞いた。「おう。中学ん時。俺綺麗なもんとかキラキラしたもん好きで〜笑。皆には女みたい〜言われてたけど。たった一人だけ、似合ってるゆうてくれた子おってん。笑」あたしの記憶の中で。優の話は激しくデジャブした。

    2008-05-16 10:58:00
  • 30:

    ageha

    中学の時、クラスで。いつも一人浮いていた男の子。綺麗なモノを綺麗と言えて。優しいモノを大切にして。すごくキラキラした人。話をしたのは一回だけ。家への帰り道。その人は私服で。キラキラしてて。「似合ってるね」って。あたしが言った。雨が降ってて。だけど傘もささずに。「ありがとう」って。すごく嬉しそうに言った。

    2008-05-16 11:07:00
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