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最低おとこ
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1:
新
この世に産まれて21年。
あたしの人生の中で革命を起こしたあんたとの出会い-。
沢山の人と出会ってきた中で最も最悪な男。
そして、最も愛した人ー。2008-07-28 16:21:00 -
116:
新
結局、その日1日、ローテンションのままコースを回りきり食事を終えてクタクタになりながら帰宅した。案の定、晃の姿はなく疲れ果てたあたしは布団の上に倒れ込み心を落ち着かせてから仕事の準備に取り掛かった。
2008-09-26 13:58:00 -
117:
新
その後、晃とは仲直りしたものの年の離れた方ばかりとお付き合いをしていたあたしにとって奴の子供じみた性格には付き合いきれないと思うことが多々あった。いつも道り、昼過ぎ頃目覚めたあたし。まだ眠っている晃をしり目にエステに行きたくて行きたくて仕方なくなった。我慢ができなくなったあたしは、晃に「行って来る」と伝えると引き止めてきた。意味が分からない。毎日毎日寝てばかりする晃にムカついたあたしは、引き止めてくる晃を無視し、家を出た。その後、駐車場代がないと電話を入れてきた晃。あたしは千円札1枚だけを握りしめ奴に渡しに行った。
2008-09-26 14:11:00 -
118:
新
情けない…。どうしても社長と比べてしまうあたし。そんな中、晃の誕生日が近付いてきた。別に何かしてもらったわけでもないし、むしろイライラさせられてばかりだったけれど、1ヶ月も前から来月は自分の誕生日だと騒ぐ晃に何もしてやらないわけにはいかなかった。晃が騒げば騒ぐ程、奴の周りも騒ぎだす。
2008-09-26 14:17:00 -
119:
新
同級生の友達に対し、車が欲しいと催促する晃。どこまでも図々しい奴…。あたしは今まで生きてきてこの年になって自分の誕生日だと騒ぎ、プレゼントの催促までする奴の姿を見たことがなくてある意味驚かされた。そして晃の誕生日前日、仕事が休みだったあたしは連れ出され、同級生同士の誕生日会に強制参加させられた。しかも意味も分からない晃が借りているという誰も住んでいないテーブルしかないマンションで。
2008-09-26 14:35:00 -
120:
新
あたしの中には何の配慮も遠慮もなく土足でどんどん入り込んでくるくせに、あたしの知らない晃はたくさん居た。今日だって12時を過ぎた時点で電話が鳴りやまない。きっとどこかあたしの知らない女や、本妻からに違いない。盛り上がる場とは反対にあたしのテンションは下がる一方。きっとここに居る皆も晃の遊び癖を知らない奴なんていなくてあたしも馬鹿にされているんじゃないかなんて被害妄想に襲われる。だから、あたしは晃に冷たくなる。晃の周りに晃に惚れているなんて少しでも思われたくなかったから。皆にお祝いされて、お酒を飲み楽しそうにはしゃぐ晃。あたしはちっとも楽しくなんかなかった。
2008-09-26 16:49:00 -
121:
新
結局あたしは「おめでとう」の一言も言えずに誕生日パーティ−が終了した。ただ誕生日を迎えるその日1番に隣に居れたことに優越感だけを感じていた。普通の恋愛ならそんな優越感さえ必要なかったのに。素直にお祝いすら出来ないあたしはやっぱり小さい人間だ。
2008-10-10 13:31:00 -
122:
新
だけどそんな優越感は見事に破壊された。あちこちで1週間程続いた晃の誕生日パーティ−。ある時は先輩達にお祝いされてまたある時は会社で。そして家族。あたしはおかしいと思った。この歳になって家族にお祝いしてもらうなんて…。だけど晃はこう言った。「俺んち毎年家族でお祝いすんねん」家族でご飯に行くと言っていたその日の夜、あたしはお店に出勤していて晃からメールが届いた。「ママ会いたいよ〜」あたしはキモッ!と思いつつメールを返した。その後、返信なし。どうせ酔っ払っているんだろうと思ったあたしはいつも道り仕事に励んだ。
2008-10-10 13:44:00 -
123:
新
そして帰りに迎えに来た晃。案の定、酔っ払い。酔っ払うとキモさがいつもより倍増する。そしていつも以上にデリカシーというものがなくなりあたり構わず我が思いきり出される。
2008-10-10 13:52:00 -
124:
新
開口一番こう言った。「お前にメール送ったやんかぁ。あれ間違えて女に送ってもうて一緒におんのに会いたいとか通用しやんやん。トイレ行った時に送ってんけど出た瞬間、目の前おって突っ込まれてなんとかごまかそうと思ってんけど無理やってん。」あたしは別にそんな話一切聞きたくない。だからあんなあほみたいなメールがバレた晃に「大丈夫やったん?」なんて心配しているふりをして心の中ではざまぁみろとガッツポーズを決めていた。その後すぐに携帯が鳴り、突然ケンカし始める晃。きっと女からの電話。路地のど真ん中に突然車を停めてあたしを残し、外に飛び出しやがった。そんな彼の姿は誰から見ても荒れ模様。怒鳴りながら端っこの方に寄せられてあるゴミ箱をけり上げ、当たり散らす晃。どうでもいいけど車に残されたあたしはかなり気が悪かった。あんたの痴話喧嘩している姿なんか見たくもないし、大体自分が悪いのにキレている意味が分からない。あたしは心底、奴の素行の悪さに呆れた。
2008-10-10 14:20:00 -
125:
新
後日談になるが、あたしは晃の誕生日会をした次の日。結局、何も誕生日プレゼントも用意していなくて、「おめでとう」の一言すら言っていなかったあたしは、一緒に居るのにさすがに悪いと思い、浮気するんじゃないかと疑って外に出してくれない晃に対し、何が出来るのかと考えた結果、電波の悪い家の中を理由に外に出て、花屋に電話を入れた。内緒で花束を届けてもらおうと思ったあたし。電話を終えて部屋に戻ると、疑いの目で見てくる晃。終いには布団にくるまり拗ねだした。機嫌を取ること数十分…。ピンポーン…。家のチャイムが鳴った。きっと花屋さんだと思ったあたしは、晃を必死に起こしたけれど「どうせなんかの勧誘やろ」と言ってフル無視する晃。3回程、チャイムを鳴らして静かになった。この時点で作戦は失敗。一切、起きようとしない晃をしり目にあたしは自ら花束はどうなったのかと気になり、玄関を開けた。そこには無造作にドアの取っ手に吊るされたポリ袋に入った花束があった。あらかじめ郵便受けにはさんでおいたお金の入った封筒はちゃっかり空になっていた。ちょっとしたサプライズになると思ってしたことが、完璧な自作自演になってしまった。少しショックを受けながらもあたしはその花束を持って晃に手渡した。初めて口にする「おめでとう」の言葉と一緒に。晃はびっくりしながらも疑ったことに後悔し、嬉しそうにしていた。
2008-10-10 15:44:00