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闇の中の心臓
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1:
夢魔
鼓動が脈打つ。 激しい嘔吐。 フラッシュバック。 もうあれから3年。 後遺症はいまだ続く。 真っ白な壁が血で染まる。 血だらけの拳。
2008-08-01 09:55:00 -
117:
夢魔
夢魔は吐き気が止まらなかった。 夢魔の知っている涼はもうそこにはいなかった。 暴力、略奪、恨み、憎しみ。 それが夢魔と涼の共通点だった。 気の合う仲間と幸せを分かち合いたい。 涼は目を輝かせながら夢中に話した。 夢魔は裏切りを感じた。
2009-03-09 07:01:00 -
118:
夢魔
ちょっとしたことから2人は公論になった。 涼は「夢魔はかわいそうな奴やな」と言った。 夢魔の中に何かが切れた。 空白の脳に亀裂が入る。 血液が逆流していく。 止まらない喉の乾き。 気が付けば夢魔は涼を殴りつけていた。 懐かしい血の匂い。 なぜか笑いが止まらない。
2009-03-09 07:08:00 -
119:
夢魔
涼には夢魔を障害で訴えることも警察に売ることもできた。 だが涼は何もしなかった。 夢魔は空虚な時間の中で眠れない日々が続いた。 どうして涼を殴ってしまったのだろう? 夢魔は何日も寝ずに食わずに塞ぎこんだ。 やめていた薬に手を伸ばした。 金なら腐るほどあった。 毎日のように夢魔の周りには女が群がってきた。 何不自由ない生活。 夢魔は朦朧とする意識の中で部屋の窓からネオン街の光を見下ろしていた。
2009-03-09 07:19:00 -
120:
夢魔
気が付けば夢魔はベランダの柵に片足をかけていた。 生きることは苦痛を伴う。 死は苦痛から解放してくれる。
2009-03-09 07:21:00 -
121:
夢魔
なぜか夢魔は最期に優奈の声を聞きたいと思った。 夢魔は優奈に電話をかけた。 意外にも優奈はすぐに電話に出た。 昔の優しい優奈の声だった。
2009-03-09 07:24:00 -
122:
夢魔
優奈は夢魔を裏切った女だった。 夢魔を憎しみのエネルギーで満たしてくれた女だった。 殺したいくらい憎い女。 それなのに。 夢魔の目からは涙が溢れ続けていた。 優奈の声を聞いた瞬間、なぜか死ぬのが怖くなった。 電話を切ると、夢魔は20分ほどベランダの柵に座っていた。 ピンポーン。 呼び出し音が鳴る。 ドアを開けるとそこには優奈が立っていた。
2009-03-09 07:33:00 -
123:
夢魔
「やつれたね・・・。」と優奈。 夢魔は黙っていた。 優奈の目には涙が滲んでいた。 夢魔は感情もなくただただその姿を見つめた。 長い沈黙が続く。 「ごめんね・・・。」 優奈が静寂を破った。 夢魔は黙っていた。 再び長い沈黙が続く。 話したいことは山ほどあった。 なのに言葉が出てこない。 優奈がその場にしゃがみこむ。 夢魔はただただその場に立ち尽くした。 本当は優奈を強く抱き寄せたかった。 混乱。 不安。 懐疑心。 様々な感情が飛び交う。 胸が裂けるように痛い。
2009-03-27 07:04:00 -
124:
夢魔
一人が怖かった。 気が狂いそうだった。 優奈に側にいて欲しかった。 それだけだった。 それなのになぜか体が動かない。 夢魔は死んだ魚のような目で優奈を見下ろしていた。
2009-03-27 07:08:00 -
125:
夢魔
「寂しかった・・・。」 優奈はポツリとそう呟いた。 夢魔はふいに強い苛立ちを覚えた。 「ふざけんなよ!」 気が付けば夢魔は叫んでいた。 悲しみ、苦しみ、絶望、孤独。 夢魔の精神は崩壊寸前だった。 「ごめん。やっぱり今日は帰るね。」 優奈はそう呟くと静かにドアを開けた。 涙で化粧はボロボロになっていた。 目は真っ赤に腫れ上がっていた。 優奈は「ごめんね。」と呟くと部屋を出ていった。
2009-03-27 07:20:00 -
126:
夢魔
夢魔はただただ立ち尽くしていた。 その時ふいに感情が波打ち始めた。 感情なんてなくしていたはずだった。 心臓はすでに凍りついていたはずだった。 こんなに心が動いたのはどれぐらいぶりだろうか。 気が付けば夢魔は走り出していた。 「今日だけは。今日だけは側にいて欲しい。」 夢魔はそう言うと優奈を強く抱き寄せていた。
2009-03-27 07:28:00