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闇の中の心臓
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1:
夢魔
鼓動が脈打つ。 激しい嘔吐。 フラッシュバック。 もうあれから3年。 後遺症はいまだ続く。 真っ白な壁が血で染まる。 血だらけの拳。
2008-08-01 09:55:00 -
161:
夢魔
優奈はやつれた夢魔の目をそらすことなく見つめた。 「なんでおれらに何も言うてくれへんねん! おまえ一人で生きてるんちゃうねんぞ! 何が仕事が忙しくてやねんっ! ツレにまで見栄はってどうすんねんっ!」 涼も目に涙を浮かべていた。 「おれら仲間やろ? 仲間がつらい思いしてるときに見捨てるわけないやろ? 頭冷やせよ。 それが仲間やろ?」 啓さんがゆっくりとした口調で言った。 「今日は空気読んでおれら帰るわ。 頭冷やしたらまた明日飲みに行こや。 まぁ優奈にしっかり説教してもらえや。 おまえがいっぱい裏切られてきたことおれは知ってるわ。 友達やからな。 そんな奴らと一緒にすんなや。 金なんかどうでもええねん! いい加減分かれよ! じゃあ明日待ってるからな。 強制やからな!」 涼はそう言うと啓さんと外へ出て行った。
2009-09-27 11:38:00 -
162:
夢魔
静まりかえった部屋の中、優奈が口を開く。 「バカッ!あほっ!優奈を金に着いてくるようなアホな女と一緒にせんとって!何がどうなっても私は夢魔の味方やで?なんでも一人で抱えこんで・・・夢魔はいつもそうや!自分には味方は誰もおらんとでも思ってるん!? どんだけ心配してたと思ってるん!?」 優奈はそう言うと夢魔の頭をポンと叩いて抱き着いた。 「今日は夢魔がいらんこと考えへんようにずっと一緒におるからっ! 嫌って言うても勝手にずっとおったるからな! わかったかこのやろぉぉ・・。」 夢魔は初めて自分の間違いに気づいた。
2009-09-27 11:49:00 -
163:
夢魔
夢魔の夢。 誰もが自分の夢を実現させるための学校を作ること。 支えてくれる人間がいて初めて夢は実現できる。 組む人間さえ間違えなければ夢は必ず叶えられる。 それを教えられた瞬間だった。 夢魔が作りたかった学校。 そこではそれを教えていけたらいいなと思う。
2009-09-27 11:56:00 -
164:
夢魔
「ありがとう。」 子供の頃から教えられてきた言葉。 その言葉の深さを夢魔は初めて知った。 いつも夢魔の胸で丸くなって眠っていた優奈が今日は夢魔を優しく包みこむように眠っていた。 夢魔は優奈の胸で丸くなって眠った。 「明日はみんなで飲みに行こうな。」 夢魔はそうつぶやくとそっと目を閉じた。
2009-09-27 12:30:00 -
165:
夢魔
夢魔はいままでの出来事を思い出していた。 裏切り、痛み、優しさ、温もり。 夢魔の夢はきっと叶うだろう。 「仲間と一緒にいつも笑っていたい。」 夢魔がその気持ちをずっと忘れない限りは。
2009-09-27 12:44:00 -
166:
夢魔
-完結-
2009-09-27 12:45:00