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鬼の家

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  • 1:

    彼女はごく普通の家に生まれ、ごく普通の暮らしをしていた。
    彼女は20歳の時に運命の相手と出会い、24歳で結婚をした。
    彼女の運命と信じた男は本当に彼女の運命を変えた。

    2008-08-21 00:25:00
  • 15:

    夜になり、またあの山道を通って帰った。街頭しか光がない田舎町から帰ると大阪の深夜のうるささや人ごみが嬉しかった。
    直樹は地元に帰らないと決めていたので安心して付き合いは続き、結婚も決まった。
    当時を振り返り涼子はビールを片手に「若気の至り…」と呟く。

    2008-08-21 01:43:00
  • 16:

    >>9さん>>15さん
    ありがとうございます?今日は終わります?

    2008-08-21 01:45:00
  • 17:

    名無しさん

    面白い??

    2008-08-21 11:50:00
  • 18:

    遅くなりました?
    >>20さん
    ありがとう?

    2008-09-08 02:08:00
  • 19:

    涼子

    しばらくして結納の日となった。朝から涼子の母は着付けや料理と慌ただしくしていた。
    予定の時間になり、親子三人で玄関先で待っていると一台のタクシーが止まる。
    阪神ファンのように眩しい黄色のワンピースに細木数子がよく付けているような大きな宝石をジャラジャラと付けた女が出てきた。
    直樹の母、和子!!

    2008-09-08 02:15:00
  • 20:

    しばらく世間話というか…相変わらず和子の自慢話を終え、結納が始まった。
    和子は鞄から風呂敷を取り出し風呂敷を開けると札束が出てきた。次に指よりデカい大きな宝石の付いた婚約指輪を出した。
    和子「恥ずかしながら息子はまだ経済的余裕がありませんが私共には資産がありますのでご安心下さい。式場もこちらですべて決めております。新婚旅行は金額内で好きな所を2人に選んでもらいます。」

    2008-09-10 15:42:00
  • 21:

    和子の迫力に涼子親子はあっけにとられたままで結納は終わった。
    和子たちが帰り、3人で庶民らしく熱いお茶とせんべいを食べていた。いつもと違って会話がない。
    涼子の母「涼子…大丈夫?えらい金持ちなんは分かったけど姑さんキツい人やなぁ」
    涼子「うまくやっていけるんやろか…」
    涼子の父「やいやい言うな!あちらの家は金も持って素晴らしいやないか!俺らみたいな貧乏に毛が生えたような庶民ではさせてあげられへんことしてくれる!支えてくれる!涼子も結婚すんねんから俺らの家から出て、死んだらあちらの墓に入るんや!…幸せになれ…こんな何もしてやれん親父ですまんな…」

    2008-09-10 15:50:00
  • 22:

    涼子はお風呂に入り、シャワーを浴びてひたすら泣いた。
    将来の不安…
    親元を離れる寂しさ…
    何よりも直樹の親のように金持ちでなくても、涼子にとって自分の親は胸を張って自慢できるから父親の言葉が悲しかった。

    2008-09-10 15:54:00
  • 23:

    しばらくして寿退社で涼子は退職した。小さなアパートに引っ越し、結婚式を迎えた。
    結婚式は直樹の地元で開かれるため、和子が用意した大型バスに親族、上司、友人らが大阪を出発し長い山道をはるばるやってきた。

    2008-09-10 15:59:00
  • 24:

    結婚式場にふさわしくない疲れきって憂鬱そうな花嫁・涼子が居た。
    和子に引っ張り回され、和子の仕事関係の人に顔見せさせられていた。
    和子「長男の嫁、涼子です。」
    仕事関係の人「えらいべっぴんな子やね。」
    和子「いえいえ、ろくに教育もしてない、なんの取り柄もない子でして、これから教育していかなアカンのです。」

    2008-09-10 16:03:00
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