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たとえば。
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1:
あや
例えば、あたしの香りがあんたに移るぐらいに一緒に居て
例えば、何でも無い会話をする為だけに電話をして
例えば、月曜日に一緒に休みを取って
例えば…2008-09-27 01:09:00 -
22:
あや
結局、次の休みの日に呑みに行く約束をして電話を切った。
“何着て行こ…”
誠はお洒落やし、何よりも隣を歩いていた誠の“好きな人”に何故か負けたく無かった。
…まぁ顔面では百負けてるんやけど…
どこか誠に惹かれてる自分に気づかないふりをして、その日は眠りについた。2008-09-27 03:55:00 -
23:
あや
そういや、真央は誠に番号を教えて貰われへんかったと言っていた。
あいつはどう言うつもりなんやろ。
てかあの人彼女じゃなかったんや。
あー何でこんな気になるんやろ…
…誠と遊ぶ日まで、毎日こんな事を考えていた。2008-09-27 04:03:00 -
24:
あや
そしていよいよ約束の日。女ばかりの職場で出会いも無かったあたしは、男友達以外と遊ぶのも久しぶりでドキドキしていた。
『お待たせー!行こか。』サングラスをかけてやって来た誠は…いかつい。
男前やけど、ジャニーズとかそっち系じゃなくて、不思議な雰囲気を醸し出している。
あたし達は適当に少しお洒落な居酒屋に入った。2008-09-27 04:07:00 -
25:
あや
『『乾杯!!』』
最初は緊張していたあたし達も、お酒が進むにつれてどんどん深い話になっていく。
『彼氏一年おらんとか嘘やろ?』
『いやほんまやって。』2008-09-27 04:12:00 -
26:
あや
…一年前、突然彼氏に言われた一言。
『俺、こいつが好きやねん。やから別れて。』
そっけ無く話す彼氏の横には、サラサラの綺麗なロングヘアの女の子がいた。
無理だと分かっていても、その子に少しでも近づきたくて、未練がましいあたしはその日から髪を伸ばし始めると同時にエクステをつけるようになった。
もうよりを戻したいとか言う感情は無いけど。2008-09-27 04:24:00 -
27:
あや
『誠は好きな人とは付き合えへんの?』
そんなあたしの質問に、彼は少し険しい表情をしながら答えた。
『…彼氏おるからなぁ。もうすぐ俺が彼氏なるけど。今でも体の関係はあるし』“…何この変な自信。”
『嫌じゃないん?…ふたまた…やろ?』
『…いいねん、別に。』2008-09-27 23:18:00 -
28:
あや
誠の表情から、彼女を好きな事が痛い程伝わってくる。
相手に恋人が居ても構わない程に、誰かを好きになれるなんて…すごい。
けど…なんか不健全やな。まぁあたしも人の事言われへんけど。。
彼女は誠とどんなつもりでそんな関係になってるんやろ?
誠は…それでいいんかな?2008-09-27 23:24:00 -
29:
あや
『頑張りや!てかあたしと遊んでていいん?』
『いいんちゃう?たまには俺だって他の子とおっても。』
そう言った彼はどこか哀しそうだった。もしかしたら、彼女と何かあったからあたしをご飯に誘ったのかもしれない。
『てか、あいつは本気で妬いたりしぃひんから。ただの独占欲しか無いっぽいし。』
“ほんまは…これでいいと思ってないんちゃうんかな?”2008-09-27 23:33:00 -
30:
あや
『なんか…誠だけそんな辛い想いしてるんおかしい』『…当然の報いやから。人の彼女こっそり横取りしてるんやし。』
…やっぱり、平気なわけないんや…。
店で見る誠はいつも気丈に振る舞っていて、こんな風に哀しい顔を見せる彼に少し戸惑う。
それと同時に、そんなに想って貰っている“彼女”に敵意を感じた。2008-09-27 23:40:00 -
31:
あや
その時、誠の携帯が震えた。
『…この後ちょっと逢ってくるわ。』
どうやら彼女かららしい。『そっか…じゃあそろそろ出よっか。』
会計の時、あたしも出すと言っても決して誠はお金を受け取らず、“楽しかったし。お礼。”そう言って笑ってた。
やばい…その笑顔は反則やわ…2008-09-27 23:44:00