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心霊
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1:
◆tRd/QWYm5M
前作【人造人間】【タイムマシン】を書いていた者です。よろしくお願いいたします。
2008-10-10 17:44:00 -
161:
◆tRd/QWYm5M
【人間界】にいる全ての霊界使いがむやみやたらに、【霊界送り】をすると三途の川がパンクする事になる。さまよう霊にも順番があるのだから。と、先生は教えてくれた。
2008-10-20 03:45:00 -
162:
◆tRd/QWYm5M
私は、バスターミナルに来ると陽の姿を目で探してしまう。それが恋だという事は、分かっていたけど、自分の中で認めたくなかった。好きになった理由なんて、はっきり言って、分からない。
2008-10-20 03:49:00 -
163:
◆tRd/QWYm5M
私が降りるバス停に着き、降りる。空はすっかり暗くなっていた。ため息まじりに歩きながら家路までの道を、歩いていく。頭上の空に見える月明かりが小さな橋の下を流れる川を照らしていた。「ただいま」「お帰りなさい。お友達来てるわよ?」「友達?」「ついさっき来たばかり。部屋で待ってもらってるから」母との会話も後回しにして階段を駆け上る。友達なんていない私に友達という来客?もしかしたら、陽かもしれない。淡い期待を持ちながら自室のドアを開ける。
2008-10-20 11:05:00 -
164:
◆tRd/QWYm5M
小さなテーブルに置かれた来客用のグラスが1つ、まだ溶けていない氷がカランッと音をたてた。部屋には誰もいない。閉めようとしたドアを再び開け、廊下に出ようとした時、背後に人の気配を感じ振り返る。「よっ?」陽の姿を見つけると同時に部屋の窓から風が吹いてきた。
2008-10-20 11:18:00 -
165:
◆tRd/QWYm5M
胸がきゅんとする。「びっくりした」「ベランダに出てたんだ。お前の家結構でかいんだな。お嬢様?」「まさか。 ねぇ、どうやって私の家知ったの?」「この地区にある冬月は、二件だけ。俺とお前」陽はこの地区に住んでいる事が分かった。窓を閉めると陽はクッションの上に座り、タバコを口にくわえる。「灰皿ないから」さっとタバコを取り上げテーブルに置くと、陽はため息をついた。付けられたばかりのエアコンから冷たい風がふく。
2008-10-20 11:24:00 -
166:
◆tRd/QWYm5M
「何の用?」「明日霊界送りするけどついてくる?あれから霊界送りした?」「まだ」「んじゃ着いて来いよ?明日朝迎えに来るから」ポンポンっと私の肩を叩きドアを開ける。「迎えにってどこに?」「ん?あぁ分からない」「何時?」「適当」そう言って部屋から出ていってしまった。立ち上がり部屋を出て階段を降りた時に、玄関のドアが閉まり玄関にいた母が私に視線を向けた。
2008-10-20 11:32:00 -
167:
◆tRd/QWYm5M
朝5時過ぎに目が覚めた。陽に会えるんだ…。まだ母も父も眠っている家は静かで、脱衣場で顔を洗い歯を磨き部屋に戻り服を着替えた。半分開けていた窓を全開にし、網戸を開けベランダに出る。薄明かるくなりはじめた空を見上げる。
2008-10-20 11:42:00 -
168:
◆tRd/QWYm5M
閑静な住宅街。道にはまだ誰もいなくて、起きたのがやたら早すぎた事に今頃気づいた。ん?胸元が光っている事に気付き視線を向けると、霊界石が強く光っている。え…これって、霊界送りするって事?気を集中させ、0にしていた霊感を戻すと家の前の道に霊がたくさん集まっているのが見える。
2008-10-20 11:48:00 -
169:
◆tRd/QWYm5M
いつも見る霊とはあきらかに違うの気がした。霊が集まるとか聞いた覚えなんてない。あきらかに家の前に集まっていて、家に入ってくるような…集まった霊達がゆっくりとこちらを向き体を浮かせベランダに立っている私の所へと近づいてくる。何かが違う…先生はこんな事言ってなかった。
2008-10-20 11:53:00 -
170:
◆tRd/QWYm5M
動く度に揺れる霊界石は、光りが強くなっていき、私の周りに集まっていく霊達が一体一体少しずつ少しずつ光りだす。
2008-10-20 12:34:00