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1:
◆tRd/QWYm5M
前作【人造人間】【タイムマシン】を書いていた者です。よろしくお願いいたします。
2008-10-10 17:44:00 -
301:
◆tRd/QWYm5M
制服に着替えカバンを持つ。カランッ。指にはめていた指輪が床に落ち転がる。今まで滑り落ちた事なんて一度もない。「礼子ー?急がなきゃバス乗り遅れるわよー」母が階段の下から私を呼ぶ。私は指輪を拾い、はめながら階段を駆け降り、慌てて玄関へ向かう。「雪が積もってるから気をつけなさいよ?」何故か母の顔を見て泣きそうになった。でも、何でかは分からないまま。
2008-10-22 02:03:00 -
302:
◆tRd/QWYm5M
足を止めドアを開けるのを何故かためらい、振り向く。母は不思議そうに私を見ていた。「早く行きなさい?」「行ってきます」自分の行動がよく分からないまま、家を出て雪の上を歩く。
2008-10-22 02:06:00 -
303:
◆tRd/QWYm5M
いつものバスに乗り、駅のターミナルで降りた。カバンに入れていたマフラーを歩きながら取りだした時、一緒にカバンの中に入れていたペンケースも落ちた。
2008-10-22 02:10:00 -
304:
◆tRd/QWYm5M
拾おうとして手を伸ばすと、大きな手が私のペンケースを取る。「はい」渡され、視線を相手の顔へとゆっくり向ける。目の前にいたのは、陽だった。私は驚き、陽をじっと見る。よそよそしい笑顔を向けた陽。黒いコートを着ている。
2008-10-22 02:16:00 -
305:
◆tRd/QWYm5M
「ん?」不思議そうに私を見る目は陽だけど何か違う。「…ありがとう」うつむきながら話すと、陽はそのまま歩いていく。風に紛れて香水の香りがした。何であんなに冷たくされなきゃならないんだろ。私はイラッとして陽の後を追いかけ、腕を掴んだ。驚きながら私を見る。「なっ何?!」「何でそんな知らないふりすんの?」「えっ?知らないふりって…初めて会ったし…何が?」陽が私の手をはなした。ふいに見えた指には指輪がない。
2008-10-22 02:22:00 -
306:
◆tRd/QWYm5M
「指輪は?」「指輪?指輪って何が?」迷惑そうに私に話すその表情からは陽を感じ取れない。私は何かがおかしいと思い、霊感を解放して陽の額を見る。陽の額には文字が浮き出ない。何度見ても…。「陽?」「何で俺の名前知ってんの?ごめんどっかで会った?」
2008-10-22 02:27:00 -
307:
◆tRd/QWYm5M
…霊界使いを終えたんだ…頭に浮かんだ言葉。目の前にいるこの人の記憶に、私はいない。
「ごめんなさい。間違いでした」「えっでも名前…」私はその場から走ってバスターミナルに出ると、雪が丁度とけた所で足を滑らし派手に転けた。2008-10-22 02:34:00 -
308:
◆tRd/QWYm5M
歩く人が笑ったり、見てみぬふりをする。カバンの中身が全部濡れたアスファルトに散らばる。雪が溶けた水が足、靴下、スカート、コートに滲む。
2008-10-22 02:37:00 -
309:
◆tRd/QWYm5M
ぐいっ。腕をつかまれ引き上げられ私は立ち上がる。「大丈夫?」陽だった。地面に落ちた物を手際よくカバンへ入れて私にカバンを渡す。「いきなり走りだすからびっくりした(笑)派手に転けるし」こんな表情で笑わない。ひよっこ…どじだな…陽はそうやって頭をポンって…叩くんだよ…
陽は私を見て優しく微笑む。「大丈夫?」心配そうに私を見る。2008-10-22 02:42:00 -
310:
◆tRd/QWYm5M
そこには昨日までの陽はいない。全く知らない人。陽の姿をした、違う人でしかない。「俺、君の事知らないんだけど、ってか覚えてないんだけど、さっき名前…「名前?名前なんて言ってないです…ありがとうって言ったんです」 「あっそうなんだ(笑)ごめんっ。名前呼ばれたんだと…じゃあ」そう言って私に背中を向けて早足で歩いていった。
2008-10-22 02:47:00