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心霊

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  • 1:

    ◆tRd/QWYm5M

    前作【人造人間】【タイムマシン】を書いていた者です。よろしくお願いいたします。

    2008-10-10 17:44:00
  • 41:

    ◆tRd/QWYm5M

    机の上にある割れた水晶玉を見る。霊界使いという言葉なんて聞いた事さえなかったし、天界とか生界とかも知らない。自分の前世は幼い頃に見たあの映像だとばかり思っていた。

    「明日から修行をしましょう。今日はもうお帰りなさい」

    2008-10-12 03:58:00
  • 42:

    ◆tRd/QWYm5M

    「明日もお待ちしています」女の人に家を出る時に言われ、頭を下げた。門を出ると背中が温かくなる。お婆さんが乗ったのだろう。「どうだった?」「霊界神様がついてるって言われた。明日から修行だって」「霊界神様は私達には見えないからね…そうかお前さんには霊界神様が…どうりで…凄い方に守られているんだね…お前さんのオーラは素晴らしく美しいからね、立派な霊界使いになるんだよ?」お婆さんと話していると何故か優しい気持ちになる。

    2008-10-12 04:08:00
  • 43:

    ◆tRd/QWYm5M

    駅のホームにつくと背中が軽くなり、お婆さんが姿を現した。「あぁ、また今日もあの人は来なかった…」お婆さんの顔が悲しい表情に変わる。「お婆さんは誰を待ってるの?」「太郎さんだよ」「彼氏?」「あぁ…そうとも言うね。初恋の人で、ハンサムで…気持ちは通じ合っていたのに…親の決めた人と私は結婚してね」「なんで?」「なんでって…太郎さんもそうしたからさ…別れる時ここでいつか会うって約束したんだよ」「いつかって?」「いつかはいつかさ…」

    2008-10-12 04:15:00
  • 44:

    ◆tRd/QWYm5M

    あまり遅くなると親が心配するので、お婆さんとも別れ私は1人電車に乗り込んだ。外はすっかり暗くなり月が見えている。 電車の中で今日あった出来事を振り替えってみたが疑問だらけだった。霊界使いなんてピンとこないし、霊界神様が守護霊だなんて言葉もピンとこない。

    2008-10-12 04:32:00
  • 45:

    ◆tRd/QWYm5M

    明日から修行が始まると言われたけど、修行って何?お経とかかな…自分の力が特別だなんて思った事さえないよ? お母さんに話したところで笑われるだろうなぁ。
    電車から降り駅前にあるバスターミナルに行くと、既に何人かがバスを待つために並んでいて、その中にあきらか体の色が薄い人を見つけた。年は中年で細く、男性。ただぼーっと立っている。

    2008-10-12 04:38:00
  • 46:

    ◆tRd/QWYm5M

    霊は『足が無い』と何かで知ったが、足はちゃんとある。もちろん全部の霊がそういうのではなくて、でもほとんどの霊にはちゃんと『足』はある。私は立ち止まり男の霊を見ていると、バスがプシューっと音をたてゆっくりと停まる。私が乗る予定のバスだけど何故か行きたくなかった。並んでる人は男の霊に気づく様子はなく、並んでる一番前の人がバスに乗り込むと一歩前に進んで行くが男は立ったまま。

    2008-10-12 05:09:00
  • 47:

    ◆tRd/QWYm5M

    また次の人がバスに乗り込むと、また並んでる人が一歩足を進める。男の霊の前には20代の女の人が立っている。私は、立ちどまったまま男の霊をじっと見ていたら、男の霊がゆっくり目の前に立っている女の人の背中に乗り、女の人はそれに気づく様子もなくバスに乗り込んだ。

    2008-10-12 05:13:00
  • 48:

    ◆tRd/QWYm5M

    私は結局バスには乗れないまま、バスはゆっくりと走り去ってしまい、私は一番前に立つ。バスターミナルには人がちらほらいる。「あー最近肩がこるんだよな」背後で声がして視線を向けると、スーツを着た男性が2人私の後ろを通りすぎる。1人が頭を横に曲げた方の肩をあげる後ろで、霊が背中に乗っていた。いわば『おんぶ』。 視線を他へと向けると人がいて、背中に霊が乗っている。

    2008-10-12 05:29:00
  • 49:

    ◆tRd/QWYm5M

    家に帰る間、さまざまな霊を見た。今までと違い明らかに今まで以上の数。家に帰ってからも私の部屋以外の場所で霊がいる。

    翌日、いつもより一時間前に私はお婆さんがいる駅に着くと真っ先にホームにあるベンチまでたどり着いた。早朝すぎて電車も人が少なくて座れたけど、霊がうじゃうじゃいて気分が悪くなってしまった…ベンチにはお婆さんが座っている。

    2008-10-12 06:40:00
  • 50:

    ◆tRd/QWYm5M

    「お婆さんおはよ」ベンチに座りお婆さんを見ると、お婆さんは私に視線を向け微笑む。 なんだか落ち着くなぁ… 「顔色があまりよくないね?」「霊がすっごい見えるようになっちゃって…気分悪すぎる」手で胸をさするとお婆さんは笑いながらうなずいた。 「霊界使いさんは大変だね」「なりたくないよ…これがこれからずっとって考えるだけでゾッとする」ホームにも霊がうじゃうじゃいて、私はうつむいた。「私は、早く太郎さんに会って霊界にいきたいねぇ…その時はお前さんにお願いするよ」 「今日会えたらいいね。でも私は今日から修行だからなぁ…修行って何するんだろ」「さぁ…それは分からないけど…さぁ行ってきなさい」お婆さんにそう言われ立ち上がり、お婆さんを見るとお婆さんは姿を消した。

    2008-10-12 06:52:00
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