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━蝶々━
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1:
なつ ◆HVgrcIrdGM
蝶々みたいな女。
フワフワと舞うのは日の降り注ぐ昼間ではなく、ネオン輝く夜。
彼女は美羽。
夜空に舞う蝶々。2006-04-10 17:29:00 -
2:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『ちっ…』ガシャン。
携帯を床に投げ舌打ちをした。俺の名前わ奈津。夏に産まれたから奈津。ありきたりな由来だろ?2006-04-10 17:36:00 -
3:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『はぁ〜あ』
口癖みたいにため息をしてタバコに火をつける。舌打ちとため息の理由は………2006-04-10 17:41:00 -
4:
なつ ◆HVgrcIrdGM
カタ…ピッピッ…ピッ
無造作に床に転がった携帯を手にもう一度メール画面を開いた。2006-04-10 17:54:00 -
5:
なつ ◆HVgrcIrdGM
【ごめん!やぱきょ〜無理ぃ〜!まぢごめん!】
2006-04-10 17:55:00 -
6:
なつ ◆HVgrcIrdGM
そうこのメール。美羽からのドタキャンメール。
『ふっ。ははっ。』
美羽らしいなぁー。そう思うと笑けてきた。2006-04-10 17:59:00 -
7:
なつ ◆HVgrcIrdGM
俺は一人にやけながらベッドに寝転んだ。
『もう五年か…』
ふぅ〜とタバコの煙を吹き出した。五年前と変わらないセブンスターの香りが俺をあの頃に引き戻していく。2006-04-10 18:13:00 -
8:
なつ ◆HVgrcIrdGM
五年前。当時俺は18才。夜の世界に憧れ、幼なじみの豊と一緒にホストクラブで働きはじめた頃。
2006-04-10 18:23:00 -
9:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『暑い暑い!今日も暑いねぇ〜なっちゃーん!』
『遅いよおまえ!』
新人ホストの仕事はキャッチ。俺らはネオンの熱で夜になっても気温の下がらない街の一角にたった。2006-04-10 18:50:00 -
10:
なつ ◆HVgrcIrdGM
行き交う人々を眺める俺の目に、ふと一人の女が映った。デニムのショートパンツに白のタンクトップ。ゴールドの髪をなびかせ、俺の前を足早に通り過ぎた。
2006-04-10 19:03:00 -
11:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『ばりスタイルいい〜!』豊の視線も女の後ろ姿を追っていた。
2006-04-10 19:12:00 -
12:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『ショーパンやばいな』
俺と豊の会話に先輩の美咲が食い付く。
『えっ?どれどれ?見逃した!』2006-04-10 19:17:00 -
13:
なつ ◆HVgrcIrdGM
早足で通り過ぎた女の姿はなく、声かけろよバカっと美咲さんは俺と豊の頭を軽く叩いた。
2006-04-10 19:22:00 -
14:
なつ ◆HVgrcIrdGM
確かに声かけときゃよかったな。若そうやし客にはならんかもやけど…。おっと。仕事仕事………。
2006-04-10 19:31:00 -
15:
なつ ◆HVgrcIrdGM
豊の指差す先に目をやる。『あっ。さっきのショーパン…』
俺の声をさえぎるように豊がしゃべる。
『きゃ〜あつあつ!美咲さぁ〜ん!さっきの女発見!でも男つきっすわ!』2006-04-10 19:52:00 -
16:
なつ ◆HVgrcIrdGM
彼氏もちかよっ!ちっ!闇でちょっとがっかりなんてしながら無意識に女を見ていた。俺らの前を通り過ぎる女とその女の肩に腕をまわした男………
2006-04-10 20:03:00 -
17:
なつ ◆HVgrcIrdGM
パッ!…うわ!俺見すぎ!クリッとでかいネコみたいな目に睨まれた俺は思わず目をそらす。
『なっちゃ〜ん。あの女なかなか有名みたいよ?』
にやにやと豊が俺の顔を覗き込んだ。2006-04-10 20:14:00 -
18:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『なんかよくこの通りうろうろしてるみたいっ!たいてい一人か男連れ!』美咲さんから聞いたであろう豊の話をぼぉ〜っと聞いていた。
『残念な事にホストとスカウトは素無視らしいよ〜まぁみんな一回はチャレンジするらしいけど!』2006-04-10 20:28:00 -
19:
なつ ◆HVgrcIrdGM
ぽいぽい。気の強そうな顔してたもん。
2006-04-10 20:30:00 -
20:
なつ ◆HVgrcIrdGM
それからその女をちょくちょく見かけた。豊の言っていた通りたいてい一人か男連れ…ほぼ毎日違う男連れ。たまに一緒にいる友達であろう女はいつも一緒の子だった。
2006-04-10 20:43:00 -
21:
なつ ◆HVgrcIrdGM
そんなある日、俺と豊はかけをした。先輩達もおそらくしたであろうかけ。ターゲットはもちろんあの女。いつも足早に歩くあの女の足を止めた方が勝ち。
2006-04-10 20:52:00 -
22:
なつ ◆HVgrcIrdGM
ジャンケンで俺が先に声をかける事になった。
2006-04-19 00:59:00 -
23:
なつ ◆HVgrcIrdGM
なんて声かけるかな〜。
いつもと同じ様なノリ?いやいや。それぢゃ撃沈間違いない。インパクト。あの女の足を止めるインパクト…。2006-04-19 01:03:00 -
24:
なつ ◆HVgrcIrdGM
俺はタイミングとかける言葉を真剣に考えた。それはホストとしてのプライドか、その女に興味を持っていたからか…。
2006-04-19 01:07:00 -
25:
なつ ◆HVgrcIrdGM
なかなかタイミングがつかめないまま3日が過ぎた。
2006-04-19 01:09:00 -
26:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『なっちゃ〜んそろそろあの子通るんぢゃなぁ〜い?今日はいきますかぁ〜?』『…行っときますか』
俺の返事に豊がニヤっと笑う。チャンスは一度。2006-04-19 01:13:00 -
27:
名無しさん
頑張ってね?
2006-04-19 01:15:00 -
28:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『きたきた!…なんかいつもと雰囲気違うくね?』
こっちに向かって歩いてくるのは確かにあの女だ。あの女だけど…
『作戦変更』2006-04-19 01:18:00 -
29:
なつ ◆HVgrcIrdGM
おお!ありがとう?
2006-04-19 01:19:00 -
30:
なつ ◆HVgrcIrdGM
女はいつもの早足ではなく酔っているようで、泣いていた。俺は不謹慎にも、ラッキーだと思ったんだ。
2006-04-19 01:21:00 -
31:
なつ ◆HVgrcIrdGM
俺は女の方に向かって歩きだした。うつむき気味にフラフラと歩く女にわざとぶつかり、よろめいた女の腕をつかんだ。
2006-04-19 01:23:00 -
32:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『ごめん!大丈夫?』
涙いっぱいの目で俺を睨み付ける。思わず目をそらした。何?このどきどき。2006-04-19 01:27:00 -
33:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『腕…痛いんやけど』
女の声にはっとして手を離したその瞬間…
『ちょ!待って!』
女は俺の手が離れたと同時に、走って人混みに消えていた。2006-04-19 01:32:00 -
34:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『なっちゃん残念〜』
『あの女目力やばいって』まだ胸がドキドキする。初めての感覚に俺は戸惑っていた。2006-05-08 14:15:00 -
35:
なつ ◆HVgrcIrdGM
思わぬ出来事が起こったのは次の日だった。
2006-05-08 14:22:00 -
36:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『なあ』
女の声に、俺はメールを打つ手を止めて顔をあげた。『お・お前…』
そこに立っていたのはそうあの女。2006-05-08 14:27:00 -
37:
なつ ◆HVgrcIrdGM
豊と美咲さんの視線を浴びながら、俺は動揺を隠し冷静さを保とうと必死だった。そんな俺の気持ちを揺らすようにまた、並びのいい歯をのぞかせにこっと笑う。
2006-05-08 14:47:00 -
38:
なつ ◆HVgrcIrdGM
『みゆ。美しい羽でみゆってゆうねん。いい名前やろ?あんたは?』
『綺麗な名前やな。俺はなつ。夏産まれやから。単純やろ?』2006-05-08 14:50:00