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Strange occurrence
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1:
岬 ◆rYagzMs.go
「計画は、順調に進んでいるかね」
一人の男の声がホールに響いた。
「はい、順調であります。」
その声を聞いて、男は満足した。
「そうか。ご苦労。」
「失礼しました。」
もう一人の男は、ホールから立ち去った。
「もう少しだ…。もう少しで、あいつがわがものになる。」
不気味な笑い声が、ホールに響いていった。が、突然服の中から黒いペンダントを取り出した。
「何もしないってもな。こいつで、少し楽しませてもらうとするか。」
男は、ペンダントに向かって「行ってこい」と言った。
すると、ペンダントは空中に浮かび、続いて小さなブラックホールのような穴に吸い込まれていった。
2006-05-08 16:12:00 -
11:
岬 ◆rYagzMs.go
「自分が助けた」という決定的なところが記憶に無いことだ。
人間は、誰しも大きすぎる安堵感に浸るとそうなるのだろうか。
…ともかく、それ以来恵美は俺と一緒に帰ろうとする。
もう二度とあんな事は、起きないと思うんだが。
だが、翔は一つ気づいてなかった事がある。
不思議な点は、もう一つあったということに。
そして、翔の平凡的な生活にも終わりが近づいてきているのだった。
それは、これから翔の学校に転校する少女によってもたらされることになるである。
2006-05-08 16:30:00 -
12:
岬 ◆rYagzMs.go
はじめまして。小説を本格的に書いたのは初めてなので、読みづらいところなどあると思いますが、楽しんで読めたもらえたら嬉しいです。
2006-05-08 16:31:00 -
13:
岬 ◆rYagzMs.go
「"ルーイン"」
低く冷たいその声を聞いた少女は、素早く数メートル後ろに移動した。
”声”の後に何が起きるか分かっていたのである。
”声”を発した男の右手の先から、無数の黒い矢の光が出ることを。
目に見えない速度で、光は放たれ、少女を追った。
その攻撃の正確さは、少女の予想を上回っていたらしく、完全には避けきれず、宙を舞った―
2006-05-08 16:32:00 -
14:
岬 ◆rYagzMs.go
ガバッと布団から勢いよく翔は体を起こした。
翔の着ている服と、翔の髪は汗でびっしょりとぬれていて、何キロも走ったかのように、肩で息をしていた。
「…し、死ぬかと思った…」
翔は、さっきまで見ていた夢を思い出していた。
見覚えの無い男、無数の黒い光、そして鋭い痛み―
妙にリアルだった夢を、翔は早く忘れることにした。翔は、嫌なことを早く忘れようとするタイプなのだ。
「さて、朝食でも食べるとするか…」
そう呟いた翔は、立ち上がろうと膝に手をついた―
「イッ!いつつ…。この痛み…夢と一緒だ…」
翔は、全身に苦痛があるものの、何とか気合で立ち上がることにした。
どれだけ体に痛みや疲れがあっても、周りの人には全然何ともないと振舞うのが翔のモットーでもあるのだ。
2006-05-08 16:34:00 -
15:
岬 ◆rYagzMs.go
それは、翔にとって同時にプライドでもあった。
なので、翔はたった一度も授業を休まなかった。
また、翔には特異体質と言うべきものがあった。
異常なほど、人より何倍も傷や痛みの治りが早いことだ。
例えば、翔は5歳の頃、右腕を骨折するという大怪我をしたが、次の日には完治したのだ。
これには医者も、頭を抱えるばかりだった。
普通─いや、人ではありえない力を、翔は持っていたのだ。
そして、翔は気づいていない。宙を舞い、ダメージを受けたのは少女。痛みを感じたのは翔。この2つの関連性に。
2006-05-08 16:35:00 -
16:
岬 ◆rYagzMs.go
テレビから、最新のニュースを伝えるべく、アナウンサーが現場の近くで早口で内容を話している声が流れた。
「―今日6時50分に発生したと思われる火災が今ちょうど消しとめられました。現在遺体は、親とみられる2体が発見されています。まだ、子供は発見されておらず捜索中です。引き続き―」
翔は、毎朝こうしてニュースを聞きながら朝食を一人で食べている。
別に一人暮らしを好んでしているわけではない。
母親は、翔が中2の時原因不明の病で亡くなっていて、父親は、海外で働いているので帰ってこないのだ。
生活は、定期的に銀行に振り込まれるお金で生活をしている。
2006-05-08 16:36:00 -
17:
岬 ◆rYagzMs.go
「父さん、元気にしてるかな…」
素早く出かける準備をし、玄関で翔は、振り返った。
「母さん…行ってきます。」
その声は、孤独に暮らしてきた翔の辛さが語られていた。2006-05-08 16:37:00 -
18:
岬 ◆rYagzMs.go
30分程で学校到着。
「なぁ、翔。今日、転校生来るって知ってるか?」
守が翔に会ってそうそう話をしてきたのである。
翔と話したくてしょうがない様子だった。
まず友人に話しかけることから、朝が始まると守は考えていた。
「知るわけないだろ。というか、そういう情報を手にいれるのは速いよな」
「まぁこの俺様にかかれば調べられないものなんてないぜ」
「で、そんな自慢話するために話かけたのか?」
「まぁそんなところだ─嘘だよ。嘘だって嘘だからー!その手をこちらに向けないで―ブッ」
「ったく、朝っぱらから俺に殴らせるなよ…」
「…まるで殴ったのはしかたがなかったっていうふうに聞こえるのですが」
守の言葉など無視し、翔は腕時計に記されている時間を読み取った。
もともと、翔は守の話に興味は無いのである。
「そんなことより、もうホームルーム始まるぞ」
「ちぇっ、今回のことは覚えとけよ!」
よくあるセリフを残し、守は自分のクラスへと戻って行き、入れ替わりに翔のクラスの担任が入ってきた。2006-05-08 16:39:00 -
19:
削除削除されますた
あぼ~ん -
20:
岬 ◆rYagzMs.go
放課後になると速攻で、翔は学校から出て普段使われて無い道に行った。
どうしても、恵美から逃げたかったのだ。
「今日は何とか一人で帰れた…わざわざ森の中の道を選んだかいがあったなー。」
(でも、毎日こうやって回り道するわけにもいかねぇしな。
他の策を練ってく必要があるか。
だいたい、俺が頼んでも無いのに恵美が一緒に帰ろうとするからこういうことになるんだよな…。
そういえば、最近この道使ってないから家までどれくらい時間かかるかわからねぇな。
こんなことなら、守でも無理矢理連れてくれば良かったな。退屈しのぎにはなりそうだし。)
翔の好きな透きとおっている空を見上げながら翔は、そんなことを思っていた。
2006-05-08 16:42:00