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Strange occurrence

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  • 1:

    岬 ◆rYagzMs.go

    「計画は、順調に進んでいるかね」

    一人の男の声がホールに響いた。

    「はい、順調であります。」

    その声を聞いて、男は満足した。

    「そうか。ご苦労。」

    「失礼しました。」

    もう一人の男は、ホールから立ち去った。

    「もう少しだ…。もう少しで、あいつがわがものになる。」

    不気味な笑い声が、ホールに響いていった。が、突然服の中から黒いペンダントを取り出した。

    「何もしないってもな。こいつで、少し楽しませてもらうとするか。」

    男は、ペンダントに向かって「行ってこい」と言った。

    すると、ペンダントは空中に浮かび、続いて小さなブラックホールのような穴に吸い込まれていった。

    2006-05-08 16:12:00
  • 17:

    岬 ◆rYagzMs.go

    「父さん、元気にしてるかな…」

    素早く出かける準備をし、玄関で翔は、振り返った。

    「母さん…行ってきます。」

    その声は、孤独に暮らしてきた翔の辛さが語られていた。

    2006-05-08 16:37:00
  • 18:

    岬 ◆rYagzMs.go

    30分程で学校到着。
    「なぁ、翔。今日、転校生来るって知ってるか?」
    守が翔に会ってそうそう話をしてきたのである。

    翔と話したくてしょうがない様子だった。

    まず友人に話しかけることから、朝が始まると守は考えていた。

    「知るわけないだろ。というか、そういう情報を手にいれるのは速いよな」

    「まぁこの俺様にかかれば調べられないものなんてないぜ」

    「で、そんな自慢話するために話かけたのか?」

    「まぁそんなところだ─嘘だよ。嘘だって嘘だからー!その手をこちらに向けないで―ブッ」

    「ったく、朝っぱらから俺に殴らせるなよ…」

    「…まるで殴ったのはしかたがなかったっていうふうに聞こえるのですが」
    守の言葉など無視し、翔は腕時計に記されている時間を読み取った。
    もともと、翔は守の話に興味は無いのである。

    「そんなことより、もうホームルーム始まるぞ」

    「ちぇっ、今回のことは覚えとけよ!」
    よくあるセリフを残し、守は自分のクラスへと戻って行き、入れ替わりに翔のクラスの担任が入ってきた。

    2006-05-08 16:39:00
  • 19:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 20:

    岬 ◆rYagzMs.go

    放課後になると速攻で、翔は学校から出て普段使われて無い道に行った。

    どうしても、恵美から逃げたかったのだ。

    「今日は何とか一人で帰れた…わざわざ森の中の道を選んだかいがあったなー。」

    (でも、毎日こうやって回り道するわけにもいかねぇしな。

    他の策を練ってく必要があるか。

    だいたい、俺が頼んでも無いのに恵美が一緒に帰ろうとするからこういうことになるんだよな…。

    そういえば、最近この道使ってないから家までどれくらい時間かかるかわからねぇな。

    こんなことなら、守でも無理矢理連れてくれば良かったな。退屈しのぎにはなりそうだし。)

    翔の好きな透きとおっている空を見上げながら翔は、そんなことを思っていた。

    2006-05-08 16:42:00
  • 21:

    岬 ◆rYagzMs.go

    ─そのころ守は懋と帰っていた。帰り道は、ほとんど一緒なのだ。
    ちなみに、翔の家とは、反対方向にあるため翔と帰る時は、何かあった時だけである。

    「うっ…。すっげー寒気がする。」

    「風邪ひいたんじゃない?」

    「いや、そんなんじゃないぞ。この寒気はきっと俺に危険がせまってる感じだ。」

    なぜか守は、背を低くし辺りをキョロキョロ見ている。
    まるで、どこからか銃弾が飛んでくるかのように。

    「翔の…殺気?」

    「その確率は99%ありそうだな。こなったら、明日は全神経を使って生き延びるぞ!ウォー!やるぞー!」

    守は、山に向かって叫ぶようにしてそう叫んだ。
    目は、微妙に死んでいるが。

    「それって気合入れるところ?」

    「そうしねぇと、死にそうな気がするんだよ。」

    肩をおとす守を見た懋は、さすがに同情したくなってしまった。
    翔が守をオモチャ扱いした時のおぞましい光景は、口には出せないものなのだ。

    2006-05-08 16:43:00
  • 22:

    岬 ◆rYagzMs.go

    だが、[守の方についたら危ない]と自分にいいきかした。

    守側につくということは、翔が敵になるということだからだ。

    すると、そんな気持ちが顔に出たのか守は懋を見て叫んだ。

    目には、微妙に軽蔑と怒りが入り混じっていた。

    「やっぱり翔の味方だったのか…。翔の味方だったのかー!ウォー!やるぞー!」

    その結果その地区の住民からいかにも「迷惑だ」という視線が守に一斉に送られた。

    当の本人はきづいていないのだが。

    2006-05-08 16:45:00
  • 23:

    岬 ◆rYagzMs.go

    今度は、好奇心からではなく、恐怖心からでもあった。

    普通は、逃げるところ、翔は近づくのだ。

    (襲う気、か?は?この世に神社に祈ってる人を襲う奴がいるのか?)

    「目の前にいるか」と自分にツッコミをいれ、ようやく神社にたどり着き全力で"未確認生命"を通り越し、奈美の隣に立ち、振り返った。

    獣の体全体は黒っぽく、頭はゴギブリの気持ち悪さを2倍にしたようだった。

    しかも、ご丁寧に触覚が2本生えていた。

    (まともにこれ以上見てたら…吐きそうだな。っていうか、あんなのが存在するのってあり!?)

    奈美がようやく翔に気づいたのか、祈ることを中断した。

    2006-05-08 16:47:00
  • 24:

    岬 ◆rYagzMs.go

    奈美の顔は、いかにも寝起きの顔と言った感じで、ボーッとしていた。

    「え?えーっと…」

    「お、俺函崎翔。同じB組だよ、よ、よろしく。」(俺、何こんな時に自己紹介してんだよ…)

    「は、はい…」

    「な、なぁあいつって奈美さんの…知り合い?」

    それを聞いた瞬間、奈美の顔は何か不思議な物を見るような表情を見せた。

    「あ…ごめん。そうだよな、あんな奴が知り合いのわけ…ない、か。」

    "未確認生命体"は狂ったように体をうねらせて戦闘態勢に入っていた。

    まるで、暴れ牛のようである。

    2006-05-08 16:50:00
  • 25:

    岬 ◆rYagzMs.go

    「あれ…見えるん…ですか?」

    声までもボーッとしている奈美のその一言で、翔はこの現実から逃げ出したくなった。

    もちろん、翔も人間だ。

    現実にあり得ないことが起きればパニックになる。

    そして、心にこう誓った。

    (奴を狩って帰って、今日のことは寝て忘れる!)

    こう誓うのは、常人には理解できないのだが。

    「うぉぉぉぉ!!」

    もはや冷静ではいられなかった翔は行動に出てしまった。

    「翔さん、待って…」

    奈美の声もきかず、獣に飛びかかった。

    ありったけの力を拳にこめて。

    2006-05-08 16:51:00
  • 26:

    岬 ◆rYagzMs.go

    −「現実とは厳しいものだな。」翔はそう思った。そういう問題じゃないのだが。

    翔は、あの後獣攻撃をまともにくらい、5mくらいとばされていた。見事に宙をまった姿は、見られるものではなかった。

    (血が、見える。このままいけば…まぁ死ぬ、な。

    体に力が、入らない…。

    俺って…こんなに無力なのか…。

    守なら、簡単にぶっ飛ばせるんだけどな…)

    「最後までどんな時でも生き抜く。これを誓ってちょうだい。」

    (母の声だ。俺が最後に聞いた言葉でもある。

    そうだ。俺は、母さんに何もできなかった。

    絶対に忘れないと誓ったんだ。

    それが、俺にできる唯一のことだ!)

    2006-05-08 16:52:00
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