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‐裏稼業‐
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1:
名無しさん
『バイトせーへん?』 藍子からのメール。 そーいえば最近バイトしだしたとか言ってたような。 『どんなバイト?』 私もバイト探しをしている最中で仲の良い藍子となら楽しくできるんじゃないかと一瞬頭をよぎる。それも仕事内容によるけれど。 『何でも屋的なやつ♪』 すぐに返事は返ってきた。何でも屋? そんな物が本当にあるんだろうか。 普通の求人雑誌では見た事も無いけれど、藍子はどこでそんな仕事を探してきたんだろう。 『1週間体験でやってみーへん?皆優しいし』 藍子からもう一通のメールが届いた。 『怪しい仕事じゃない?』少し心配になって返事を返してみた。 『大丈夫やで!』 体験が出来るならそれで仕事内容がわかるはず。 詳しい事は行ってみないとわからない。 『やってみよかな』 私は藍子にメールを返信した。これが私の人生を大きく揺るがす事になるなんて考えてもみなかった。
2009-02-21 12:15:00 -
15:
名無しさん
『あの子は特別純粋な子でね、一度信頼した人や自分の傍にいてくれる人のためならきっと何でもしちゃうような子なんだよ。 僕が仕事を彼女に頼めば、
いけない事だとわかっていても彼女は仕事を引き受けるはずだよ。 でもそれは僕のやり方じゃないからやらないんだ。 ひどい事はしたくない。 だから僕は彼女にここを辞めてもらう事にした。 あ!行き場が無くなるわけじゃないんだよ? 僕がきちんとした会社を用意してあるからね。だから彼女は自分の変わりになる君を選んできたんだと思うんだけれど』2009-02-21 18:19:00 -
16:
名無しさん
『失礼な話、君は天涯孤独というやつらしいね。』 花苅さんの言う通り。 私が5歳の頃、両親は自殺して亡くなっている。 お祖母さん達がいたけれど母さんや父さんの事をみっともないと言い私を受け入れてはくれなかった。 それから私は施設で生活していたのだ。 『大丈夫だよ。そんな不安そうな顔はしないでちょーだいな。僕も千尋君も同じ様な物だからね。 千尋君は親からの虐待で施設に預けられていたんだ。ひょんな事から僕らは友達になってね。 僕が預かりたいと思って施設にかけあってみたんだ。千尋君も両親とは完璧に縁が切れているからね。今は僕の大切な家族なんだよ』
2009-02-21 18:26:00 -
17:
名無しさん
『花苅さんは…?』 私はつい聞いてはいけない事を聞いてしまったような気がした。 『僕かい?』 花苅さんは少しの沈黙の後口を開いた。 『僕はこういう家の長男として産まれたんだよ。下にはもう1人弟がいるんだけど。そいつは利口でね。 昔から僕はこんな適当な性格をしてたもんで弟から嫌われてしまってね。 弟はきっと自分の方が勉強も出来るし、利口なのに長男や次男っていう関係だけで家を継ぐものが決まるのが本当に嫌だったんだろうね。 僕は長男だったから両親や周りの人間から可愛がられた。大事にされたんだよ。 だけどその反面弟はいつも1人ぼっちでね。とてつもなく寂しかったはずだよ。僕はそんな弟をみていて決めたんだ。 僕が家をでれば弟が家を継ぐことになるのは確かだったから家を出て行った。 両親からも周りの人間からも止められたけどね、僕は父さんだけじゃなく母さんまで殴ってしまってね…』
2009-02-21 18:42:00 -
18:
名無しさん
花苅さんは一度喋るのを辞めて猫を撫でていた。 『そこで両親が僕に言ったんだよ。出ていけ。縁は切っておくからなって。悲しくなんかなかったんだけど、最後の最後まで弟は僕を睨み付けていたんだ。 一度も好かれる事は無かったって事だね』 花苅さんは俯いてしまった 『ひどいです』 私は思った事はすぐ口に出るタイプで、簡単に何でも言ってしまう。 『ひどくなんかないさぁ。ひどいのは僕だからね。 両親を傷つけて、弟も傷つけて。兄としても息子としても本当に最低なのはこの僕の方なんだから』 花苅さんは立ち上がると私の前に座りこんだ。
2009-02-21 18:49:00 -
19:
名無しさん
『重たい話を聞いてくれてありがとうね。 本当申し訳ないよ』 花苅さんが頭を下げた。 『頭あげて下さい!』 私の一声で花苅さんはもう一度深く頭を下げて頭をあげた。 『君は今いく場所はあるのかい?』 花苅さんが私の顔を見る。『行く場所…』 『お付き合いしている方がいるとか、やるべき事があるとか、そういうのは?』 私はしっかりと花苅さんを見た。 『どちらも無いです』 花苅さんは考えこんで私の前へと小さな紙を差し出した。 『どうだろうか?僕等の下で一緒に働かないかい?不安ならば藍子ちゃんから聞いただろうが一週間だけでもいいんだよ。 君を1人のままにさせておくのもどうも不安でね』 花苅さんは立ち上がった。『僕に出来る事はこれだけなんだよ。後は千尋君にお任せしようかな…』 そういって部屋から出て行ってしまった。
2009-02-21 18:57:00 -
20:
名無しさん
襖をあけると千尋さんが膝をついて座っていた。 『任せて大丈夫?』 『あぁ』 『宜しくね…』 花苅さんは少しふらつきながら違う部屋へと移動していった。 『あのおっさんいらん事まで喋りよってからに…』 ぶちぶちと文句を言いながら私の前に座る。 『大体の話わかったやろ?どないする?すぐに決めれるもんとちゃうかもしれんけど…』 思ったよりも優しい声で喋りかけてくれた。 『……』 『今日で決めれんかったら明日明後日でもいけるで』今の私にはほんの少し時間が足りなかった。 『また来てもいいですか』小さい声できくと千尋さんは勢いよく立ち上がり 『当たり前やろ!』とにっこり笑った。 『藍子は?』 『あのアホは寝てるわ』 頭をかきながら猫を見ている。 『藍子はどこで知り合ったんですか?』 『俺はよー知らん。店長が急に連れてきよったから』『そーなんですか…』 私が下をむくと千尋さんはあたあたとしながら 『また聞けばええやろ!』と大きな声をだした。 そのまま私は一度家へ帰される事になった。
2009-02-21 19:06:00 -
21:
名無しさん
千尋さんから渡された小さな紙は『契約書』というやつらしかった。 名前、電話番号。 それ以外は書く場所が無くて、判子を押すだけの簡単そうな契約書だった。 自分の家の中で色々と考えこんでいた。 両親の事や自分の事。 考えてみたって答えの見つからないような何とも言えない事ばかりが頭の中をぐるぐると回った。 ピリリリ…ピリリリ… 携帯を開くと藍子からの電話だった。 『はいもしもし?』 電話に出ると酔ってるであろう藍子のでかい声が聞こえた。 『ななぉ?』 『どしたん?』 藍子は完璧に酔っているらしく私の質問も無視で電話の奥で笑っている。 『どこおるん?』 『てんちょとこー…』 『店長ッ!?』 店長て事は男2人しかいない場所に藍子は完璧に酔った状態でいるって事になる 『行くから待ってて!!』携帯をきってパジャマ姿のまま自転車を飛ばして迎う。何をされるかわかったもんじゃない。 藍子自体あそこまで酔う程お酒は飲まないはず。
2009-02-21 23:52:00 -
22:
名無しさん
花苅さんの自宅について、急いで玄関を叩く。 バンバンッ… 叩いている最中に玄関がほんの少し開いた。 開き戸になっているドアで横に滑らせると簡単に開いていった。 『藍子ッ!?』 走って家の中を探し回ると小さい声がもれている部屋の前までついた。 『てんちょー…ッ』 『千尋君押さえてッ!』 『ハハハッッ』 3人の声が聞こえて扉を勢いよく開いた。 『藍子に何してんよ!!』今にも泣きそうな声で叫んだのと同時に部屋の中を見るとお酒を瓶ごと飲もうとしている藍子の腕を掴んでいる花苅さんと、その横で1人で笑っている千尋さんの姿があった。 『七緒ちゃん!!』 花苅さんは疲れ切った顔をして私に助けを求めた。 『もー無理…』 『てんちょ好きでッす!』藍子が今度は花苅さんの腕を掴んで押し倒した。 私は見ていられなくて花苅さんから藍子をひっぺがして思い切りほっぺたを叩いた。 『いーかげんにしてよ!』叩く音で千尋さんの笑いも止まり、藍子も花苅さんの上に馬乗りになった状態で止まった。 花苅さんはぐったりと横たわっている。
2009-02-22 00:08:00 -
23:
名無しさん
花苅さんの顔は赤くなっていて息遣いも荒かった。 『花苅さん!?』 首を触ると一瞬で熱がある事がわかった。 『千尋さんッ!今頼りになるのは千尋さんしかいてないんですよッ!!!お願いやから起きて下さいッ!』 私の声で千尋さんは飛び起きて近くにある電話をとって電話をかけはじめた。 『飛鳥さん!?俺ッす!はい!おっさんが熱出してるんすけどどないしたら…』誰かに電話をしているらしい。 千尋さんの顔も焦りで真っ青になっていた。 『私に代わって下さい!』電話を千尋さんから奪い取って電話をかわった。 『お電話変わりました、七緒と申します。』 『酔ってないな?』 電話の相手は男の人だった 『はい!』 『今医者そっちにむかわせてっから今から言う事を応急処置としてやっててくれるか?』 『はい!』 私はこの人がただ者じゃないと言うことがわかった。酔っていたとはいえ、私の声で一気に酔いが覚めていた千尋さんの声の微かな変化に気付いたらしい。 あの状態から酔っていると気付くのは素人じゃ無理なもんだった。
2009-02-22 00:24:00 -
24:
名無しさん
『そいつが熱出したりすんのは日常茶飯事だから気にすんなよ。とにかく身体に毛布かけてくれるか?』 『はい』 受話器を一度置いて後ろを振り返ると引き出しの中から布団を取り出している。『これでええか?』 布団はゆっくりと花苅さんの上にかけられた。 『はい』 受話器をとって電話の相手に声をかける。 『出来ました』 『んじゃ後は氷枕とかそんな感じのを使ってやってくれるか?そんだけでいい』『はい』 返事をすると相手の男の人は、もうすぐ着くから待っててくれと言って電話をきった。
2009-02-22 12:55:00