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‐裏稼業‐
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1:
名無しさん
『バイトせーへん?』 藍子からのメール。 そーいえば最近バイトしだしたとか言ってたような。 『どんなバイト?』 私もバイト探しをしている最中で仲の良い藍子となら楽しくできるんじゃないかと一瞬頭をよぎる。それも仕事内容によるけれど。 『何でも屋的なやつ♪』 すぐに返事は返ってきた。何でも屋? そんな物が本当にあるんだろうか。 普通の求人雑誌では見た事も無いけれど、藍子はどこでそんな仕事を探してきたんだろう。 『1週間体験でやってみーへん?皆優しいし』 藍子からもう一通のメールが届いた。 『怪しい仕事じゃない?』少し心配になって返事を返してみた。 『大丈夫やで!』 体験が出来るならそれで仕事内容がわかるはず。 詳しい事は行ってみないとわからない。 『やってみよかな』 私は藍子にメールを返信した。これが私の人生を大きく揺るがす事になるなんて考えてもみなかった。
2009-02-21 12:15:00 -
5:
名無しさん
『そんな爆笑せんでも…』急に恥ずかしくなって俯く『おいでー』 花苅さんが家へと歩きながら右手を振っている。 『はーいッ!』 藍子は笑うのをやめて私の手を引いて走っていく。 花苅店長の第一印象は、藍子が言っていた通り不思議な人だったけど決して怖くは無かった。
2009-02-21 13:13:00 -
6:
名無しさん
『おじゃまします』 家のドアは開いたままで、玄関にしかれたマットの上にオレンジと白の斑模様の猫が寝転んでいた。 『小太郎ただいまぁ』 花苅さんが猫の頭を軽くたたくと猫は起き上がって花苅さんの後ろをついていった。 『すご』 私が驚いていると藍子が後ろから背中を押してきた。『ほら入って入って』 『あ…はい』 靴を脱いで中に入る。 家の中は古い作りで、どこを見ても木だった。 目の前には大きな木の置物が置いてあって、お金持ちなのは確かだった。
2009-02-21 13:56:00 -
7:
名無しさん
居間に入ると花苅さんはそそくさと縁側に座り込んだ『僕がご飯食べおわるまで待っててもらえるかなぁ?適当に家の中見てもらってても大丈夫だからね』 そういうと花苅さんは袋からお弁当を取り出して蓋をあけた。 『わかりました』 藍子は私を手招きして、奥の部屋へと移動した。 『ひろー…』 一つの部屋がかなりの広さで一階だけでもいくつかの部屋がある事がわかった。
『あのさ』 私が口を開くと藍子は階段を登って上の階へと行ってしまった。 『どしたん?』 声だけが聞こえる。 『花苅さんて凄いお金持ちそうやけど何してる人なん?この家広すぎやん』 私も階段を登っていくと藍子が上から私を覗き込んだ 『それだけ凄い人やねん!仕事ってなったら人が変わったみたいにおとぼけキャラじゃ無くなるねんで』 藍子は嬉しそうに話す。 きっと花苅さんに少し気があるんだろう。2009-02-21 16:27:00 -
8:
名無しさん
上にあがると藍子がとある部屋へと入って行った。 私も後を追って中へ入るとクッションを投げつけられた。 『いたッ!!』 クッションを掴んで藍子を見ると藍子は座り込んでいた。『何この部屋』 その部屋は藍子の大好きな俳優のポスターが貼りまくられていて、花苅さんの部屋では無い事がわかった。 『ここあたしの部屋!』 藍子は私に座りと言って座布団をひいてくれた。 『ここでバイトするてなった時に花苅さんが用意してくれてん。急な仕事が入った時は泊まり掛けになる事もあるから自由に使ってくれたらいいよーて』 藍子は自分の部屋を見回しながら楽しそうに話をする 『あたし七緒にもここ来て欲しいねんな。ここでの仕事本間楽しいし、店長もそやけど安土さんてさっき言ったやん?あの人も本間に優しい人やねんか』 藍子のこんな顔は初めて見るかもしれない。
2009-02-21 16:41:00 -
9:
名無しさん
『ただいまー』 ガラガラとドアが開く音がして若い男の人の声がした『おかえり』 藍子が階段から下に向かって声をだした。 『藍子!下降りてこいて店長が呼んでるで!』 『わかりました!』 どーいう関係かはわからないけれど、この3人はかなりの親密度らしい。 『下行こう』 藍子はまた私の前を進んで下に降りて行った。 『あ!うん』 下に降りてそのまま居間へと向かった。
2009-02-21 16:52:00 -
10:
名無しさん
居間に入ると牛乳をらっぱ飲みしているツンツンで金髪の頭をした若い男の人が立っていた。 『ぉ…おじゃましてます』驚いて声がどもってしまった。 『いらっしゃい』 決して笑ったわけじゃ無かったけど冷たそうな人でもなさそうやった。 『藍子ちゃん』 縁側に座っている花苅さんが藍子を呼んだ。 『はい!』 『僕ちょっとその子と話がしたいんだけど、千尋君と席を外してもらえるかな』花苅さんはこちらに目を移すことなく、膝に寝転がっている猫を撫でている。 『あいよ』 『はい』 藍子と千尋と呼ばれる男の人は居間から出ていってしまった。
2009-02-21 17:06:00 -
11:
名無しさん
『そこ座ってもらえる?』居間の真ん中に、漫画で出てきそうな真ん丸の木のテーブルが置いてある。 『はい』 テーブルの周りに置いてある座布団に座る。 『失礼します…』 座り込むと花苅さんは笑いだした。 『そんなお堅い話じゃあないんだよ。ごく普通に接してくれたら良いからね』 花苅さんの声はやたらと落ち着けた。 『はい』 『んじゃ説明しようか』 花苅さんは私の顔をまっすぐと見た。 少しの間睨めっこ状態だったけれど我慢出来なくなって私が目をそらした。 『ははは!可愛いね!』 『店長さんやー』 隣の部屋から千尋さんの声が聞こえた。 『セクハラ大概にしな俺が無理矢理とめんで?』 『おっかないねぇ』 これが花苅さんの趣味らしい。
2009-02-21 17:21:00 -
12:
名無しさん
『ていうか千尋君いつまでそこにいるのかなぁ?』 『あんたがセクハラやらへん様になるまでやろな』 普通の親子の様な会話をしていて、何だか笑えてきた。 『アハハ!』 『………』 花苅さんと千尋さんの会話がピタリと止まった。 『あ!すいません!』 『いやぁ笑いたい時には笑うもんだよ。少しは緊張が解けたかな?』 花苅さんはまた縁側へと移動して座りこんだ。 『どうも緊張してしまうらしいね。このまま話をしても大丈夫かい?』 花苅さんは外を見た状態で、どうやら私に気を使ってくれているらしい。 『はい!大丈夫です』 『んじゃ本題にね』 今度こそ話を始めてくれた
2009-02-21 17:29:00 -
13:
名無しさん
『僕達は何でも屋の様なものなんだよ。名前の通り頼まれた仕事は出来る範囲で何でもやるんだけど…』 どうやら藍子の話していた事は本当の事らしい。 『依頼をうけて初めて仕事が出来るわけなんだよね。内容的には小さい物なら、家の掃除、ペットの捜索、ごみ拾いとか本当に些細な物から大きな依頼になると…』 『店長!』 千尋さんの声がまた隣の部屋から聞こえてきた。 『まだ話す事ちゃうやろ』『そうかもしれないけど、これを言わなきゃ彼女を騙している事になるでしょ』『…………』 千尋さんは黙った。 私は何が何だか良くわからないまんまだった。 『僕達は表向きは何でも屋なんだよ。一応近所でも有名だし、遠くからの依頼も結構あるんだけどね。でももう一つ仕事があるんだ。それが裏稼業。つまりは怖い事もするんだよ。危険な仕事もね。表向きは何でも屋。ひっくり返せば裏稼業。それが僕達なんだけど』 一瞬何を説明されているのかがわからなかった。 藍子は確かに危険な仕事じゃない。楽しいって言っていたはず。なのに…。 裏稼業と聞いたところで、私は何だか包丁でも突き付けられているような不思議な緊張感に襲われた。逃げれないような、怖い感覚。
『藍子は…』 『ん?』 『藍子は確かに危ない仕事じゃないと言いました。藍子は嘘をつく子じゃないのにそれを教えたのは貴方達なんですか?』 怖くて声になっていなかったかもしれないけれど、私は聞いてみた。2009-02-21 18:01:00 -
14:
名無しさん
『あの子には何も教えちゃいないからね。』 『え…?』 花苅さんは空を眺めたまま静かに口を開いた。 『あの子にはお母さんしかいないらしいじゃないの。病弱だって聞いてるし。 藍子ちゃんが良い子なのは一目見れば大体わかる。 あの子を裏へ引っ張れば元に戻す事はできない。 母さんのもとへ今の純粋な彼女のまま返してやれるなんて保証も無いんだよ』 花苅さんが危険な人だという事がわかった。だけど今の話を聞くかぎり絶対に悪い人じゃないはず。
2009-02-21 18:12:00