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‐裏稼業‐

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  • 1:

    名無しさん

    『バイトせーへん?』   藍子からのメール。     そーいえば最近バイトしだしたとか言ってたような。 『どんなバイト?』    私もバイト探しをしている最中で仲の良い藍子となら楽しくできるんじゃないかと一瞬頭をよぎる。それも仕事内容によるけれど。              『何でも屋的なやつ♪』             すぐに返事は返ってきた。何でも屋?       そんな物が本当にあるんだろうか。        普通の求人雑誌では見た事も無いけれど、藍子はどこでそんな仕事を探してきたんだろう。                   『1週間体験でやってみーへん?皆優しいし』   藍子からもう一通のメールが届いた。        『怪しい仕事じゃない?』少し心配になって返事を返してみた。       『大丈夫やで!』    体験が出来るならそれで仕事内容がわかるはず。  詳しい事は行ってみないとわからない。                  『やってみよかな』   私は藍子にメールを返信した。これが私の人生を大きく揺るがす事になるなんて考えてもみなかった。

    2009-02-21 12:15:00
  • 41:

    名無しさん

    『やっぱだめだよ』   体調が戻ってきたのか、顔には血の気が巡っている。『え?』        『危なすぎ。ね飛鳥君』 『………』       飛鳥さんは黙って頷く。 『今晩は泊まっていきな』花苅さんが優しく微笑む。『でも…ッ』      『僕達が迷惑をかけてしまったんだからこれくらいはしないとじゃない?』  頭を押さえてゆっくりと立ち上がる。                   『痛いか?』      飛鳥さんが座った状態で花苅さんを見上げる。   『ほんの少しね』    目を瞑って息をととのえると、トイレに行くと行って部屋が出て行った。               部屋の中には飛鳥さんと私の二人だけ。      物静かな飛鳥さんとは会話になるはずもなく静かな時間が流れる。      ほんの数分のはずなのに長く感じるのは何故だろう。奥の部屋からは咲惠さんがお茶を入れているのか、陶器がぶつかる音がする。

    2009-02-24 18:54:00
  • 42:

    名無しさん

    『あぁ…』       飛鳥さんは煙草を消すと掌で目を押さえた。    『……!?』      急に声を出されたものでこちらも驚いた。     『大丈夫?』      ゆっくりと現れたのはお茶を入れに行っていた咲惠さんだった。私の心も落ち着きを取り戻していく。              『痛いな…』      『外しなよ』      飛鳥さんがつぶやくと、襖の柱に身体を寄せている花苅さんが声をかけた。  『見えなくなる』    『夜だから良いじゃない』どうやら飛鳥さんは目が悪いらしく、コンタクトをつけているらしい。       『見えないのは中々辛いもんなんだがな…』    ため息を一つ洩らすと飛鳥さんはテーブルの前へと移動して、持ってきた鞄の中からコンタクト用の入れ物を取り出した。

    2009-02-24 19:01:00
  • 43:

    名無しさん

    咲惠さんがゆっくりと飛鳥さんの前に湯呑みを置く。『悪いな』       『無茶は身体に毒です』 静かに飛鳥さんの背中をさすると、お盆を持って花苅さんの前へ移動した。  『悪いね』       花苅さんは湯気の出る湯呑みを受け取ると、そーっとお茶を飲んだ。     『あなたも…』     咲惠さんは微笑んで私の前へと座り込んだ。    『あ…ッ!すいません!』私が頭を下げると肩を撫でてくれた。       『春とは言えど夜は冷えますからね。薄着の様だし藍ちゃんから服を借りてきましょうか』       咲惠さんの微笑みには女の私もさすがにやられる。 『すいません///』   きっと私の顔は真っ赤な筈だ。顔が燃えるように熱い。            『さっちゃんにそんな事されたらドキドキするよねー』花苅さんがゆっくりとテーブルに湯呑みを置いて布団の上へと座り込む。   『あ…はい///』    下を俯くと咲惠さんはクスリと笑って部屋からでて行ってしまった。                 憧れてしまう程の品の良さに私は心地よさを覚えてしまったらしい。

    2009-02-24 19:11:00
  • 44:

    名無しさん

    『いって…ッ』     飛鳥さんが小声で呟いた。『大丈夫かい?』    花苅さんが飛鳥さんの肩に手を乗せる。      『今日はとくに痛む』  歯を軽く食い縛りながらゆっくりとコンタクトを外す。  『また資料と睨めっこしてたんだろ?仕事熱心だからねぇ。でもあまり勉強しすぎりとそれなりに負担も大きくなっちゃうよ?』  飛鳥さんは片方のレンズをコンタクトケースに直すと蓋を閉めた            『目が見えなくなるまでに全部記憶してやるさ』  静かに鞄から目薬を取り出して目にさす。     『可愛くないねぇ…』  花苅さんがポンポンと二回肩を叩いた。      飛鳥さんはコンタクトケースを鞄に直そうとしている。    (ん?)         『あの…』       私は自然と声を出していた

    2009-02-24 21:47:00
  • 45:

    名無しさん

    『飛鳥さん、片目だけコンタクトなんですか?』     飛鳥さんは私が話かけた事に少し驚いてはいたけれど静かに返事をしてくれた。『あぁ』        その割には様子がおかしい            すぐ近くの物も見えないらしく湯呑みを倒しそうになりながら湯呑みを掴んだ。それなら両目ともコンタクトなはずなのにな…なんて思いながら飛鳥さんを見ていた

    2009-02-24 21:59:00
  • 46:

    名無しさん

    『遅くなってごめんなさいね?藍ちゃんに掴まれてしまって逃げれなくて』  咲惠さんが襖の横で笑っている。         胸には藍子の物と思われるパジャマが抱えられていた『はいどうぞ』     咲惠さんがパジャマを私の膝に置いてくれた。   『すいませんッ!!!』 私が頭を下げると咲惠さんは困った様な顔をする。             『謙虚な子ね』     私の頭を数回撫でると下を向いて目を瞑った。   『私は偉い人じゃないの。そんなに謙虚に振る舞われたら困るわ?』     最後には微笑んで私の腕をつかんだ。       『今日でお友達になれたんだし、ね?』      『はい…』       私は素直にうれしかった。今まで私は施設にいたためか、人との付き合いが苦手で学生の時も藍子以外とはあまり付き合いをもたなかった。         狭く深くの付き合いが自分が傷つかない唯一の方法のような気がしていた。              口で言われただけなのに、私は素直に嬉しかった。

    2009-02-24 22:29:00
  • 47:

    名無しさん

    『ふふ』        花苅さんが私と咲惠さんを見て笑っている。    『何?紺之』      咲惠さんは楽しそうな花苅さんに微笑み返す。   『いやぁ、姉妹の様でね!見ていて楽しいよ』   花苅さんもにこやかに微笑んでいる。       『あらそう?』     咲惠さんは一瞬目を瞑って下を向いた。                  ガタン…                    飛鳥さんが無表情のまま立ち上がる。       『悪いが寝るぞ』    『私気を悪くッ…』   飛鳥さんは俯いたまま立ち上がった私の肩に手を置いた。          『そんなわけないだろう。ただ目を使い過ぎたもんで頭が痛いだけだよ。それにもう二時を回ってる。お前達も寝ないと体を壊すぞ』飛鳥さんはそれだけ言うと、違う部屋へと移動した。

    2009-02-24 23:36:00
  • 48:

    名無しさん

    花苅さんは指で顔をかきながら時計を見る。    『本当だね』      『あら…』       何だか残念な気がした。 少しの間なのに何故だか居心地が良くて、もう少しこのまま皆で話がしたいと思ってしまっていた。   『寝るとこどーする?藍ちゃんの部屋行く?』   『起きた時に藍ちゃんが驚いてしまうわ。私は違う部屋で寝ましょうかしら』 そう言うと束ねていた髪を下ろした。       背中位まであるサラサラの髪は綺麗に輝いていた。               『やめてよ咲惠ちゃん。僕ドキッとしちゃったよ』 花苅さんはほんの少し顔を赤らめている。     『以外に純粋ね』    咲惠さんは鼻で笑うと私の方を向いた。      『一緒に寝ましょうか』 優しい顔で私を見る。  『はいッ』       『良いなぁ』      花苅さんが布団に伏せながらぶつぶつと独り言を喋っている。                    『おやすみなさい』   咲惠さんは冷たい目で花苅さんに手を振る。    『おやすみぃ』     花苅さんの悲しそうな声だだんだん小さくなる。  咲惠さんが先に別の部屋へと移動したのを見て、私も花苅さんに挨拶をした。             『お先にすいません』  花苅さんは顔を伏せていたために私に気がつかなかったらしく驚いていた。  『おやすみぃ。今日はごめんね?ゆっくり寝ると良いよ。また明日ね』    布団に顔を乗せて笑っている。                      『花苅さんも身体に気をつけて下さいね』     私は頭を下げて部屋を後にした。

    2009-02-24 23:51:00
  • 49:

    名無しさん

    咲惠さんが入って行った部屋はギリギリ見える所にあって、急いで中へ入る。  『失礼しまーす』    中へ入ると、暗い部屋の中で咲惠さんが服を着替えている最中だった。    『あッ!すいません///』 私が部屋から出ようとすると咲惠さんは笑った。  『気にしないで。七緒ちゃんも着替えないと…』  パジャマのボタンをつけながら笑っている顔が暗がりに見えた。       『そういえば…』    私もまだ着替えが終わってなかった。       焦って着替える。                『楽しかった?』    咲惠さんは布団の中に入りながら静かに質問をしてきた。          『はい!』       『ごめんなさいね?飛鳥怖かったでしょ…』    咲惠さんが悲しそうな声を出した。

    2009-02-25 00:00:00
  • 50:

    名無しさん

    『いえ…』       咲惠さんの悲しそうな表情に私は気がついた。   『飛鳥さんは…』    私が口を開くと咲惠さんのいつもの表情が戻り、私を見つめている。     『咲惠さんとは?』   聞いて良いのかわからなかったけれど、ここにいれば誰しもが気になるだろうと私は思った。                  咲惠さんは一瞬目を開いて、私を見たけれどすぐにうつむいてしまった。   『今は友達よ?』    『今は?』       私はずけずけと咲惠さんの心の中へと入る。    『少し前はね。私の恋人とも言える人だったの』  (やっぱり…)      二人の関係は怪しかった。            『あの人は去年事故を起こしてしまって、左目を無くしてしまったの』    『左目!?』      私は驚いてしまった。  確かに左っかわの方が前髪が長くて見えにくかったけれど確かに目があった。 『あの人の左目は義眼よ』衝撃をうけた。     確かに動いていたし、きちんと瞬きもできている。 なのに…。        (何て事をッ…)     ふと思い出した。    『片目だけコンタクトなんですか?』         確かに私は飛鳥さんに聞いてしまっていた。    空気の読めない最悪な女だったと今は後悔するだけ。

    2009-02-25 23:49:00
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