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ホスト。
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1:
主
俺の名前は
【信楽 楓】
18才。
夜の街に憧れた。2005-06-02 15:06:00 -
131:
結局その日は美江から連絡はなかった。メールをしても返事はないし、相変わらず電話は着拒否。
『おもんない。』
細客の貴子がいきなり言いだした。
『あんたさっきから携帯ばっかイジってうちの話全然聞いてないやろ。』
『ごめん!ちゃんと聞いてるって!』
『もぅえぇわ。帰るわ。』そぅ言って貴子は帰った。2005-06-07 14:10:00 -
132:
貴子の乗ったタクを見送りながら俺はボーっとした。どこで何が狂ったんやろ。もぅ訳分からんわ。
『光!客来たから店戻れ!!』
颯太さんやった。
俺は仕事に集中しようと
思って携帯の電源を切った。何もかも忘れる為に俺は酒を浴びる程飲んだ。2005-06-07 14:11:00 -
133:
目が覚めると代表と彼方さんと颯太さんが何か話していた。
『光にはまだ無理ちゃいますか?今あんなんやし。』『いや、光やったイケる思うんや。』
『でも、プレッシャーだって半端ないんですよ?まだ光はこの業界入って一ヵ月やしもぅ少し待ってやった方が』
会話の内容があんま分からんかった。だからもぅ一回寝直した。2005-06-07 14:12:00 -
134:
二回目に起きた時は夕方やった。店の中には俺の他に太一と最近入ったばっかの要が寝ていた。
俺は携帯が気になって電源を入れた。メールの問い合わせをしてみたけど
やっぱ美江からは何もなかった。起き上がり店を出て実家に帰ろうと思った。
今日は久々の休みやし。2005-06-07 14:13:00 -
135:
タクを拾って家に帰った。久々の実家。やっぱ落ち着いた。おかんはまだパートに行っていた。弟はたぶん学校か塾かのどっちかやろう。俺は自分の部屋に入りベットになだれこんだ。
あれだけ寝たのに関わらずベットに入るやいなや俺はまたすぐ眠りについた。
『お母さん、兄ちゃん帰ってるやん。』
『寝かしとき。』
夢うつつの中でおかんと弟の会話が聞こえた。2005-06-07 14:14:00 -
136:
『楓〜ご飯やで。』
おかんのその声で目が覚めた。食卓の上には俺の好きなもんばっかりやった。
『あんたちゃんとご飯食べてんの?』
『食ってんで。』
『ならえぇけど、帰って来るんはえぇけど電話の一本くらい入れなさいや。』
『へいへい。奏お前のコロッケくれ。』
『嫌じゃ!』
『楓!弟のもんとりなさんな!』2005-06-07 14:14:00 -
137:
やっぱ家族ってえぇなぁ。そんな事を思った。
ここで少しだけ俺の家族の話をしようと思う。
俺の家はおかん【信楽 美津枝】(41)と弟【信楽 奏】(15)そして俺の三人家族。おとんは奏が生まれる少し前に女を作って出て行った。まぁまだガキやった俺もおとんの顔は覚えてない。2005-06-07 14:15:00 -
138:
おとんが出て行ってから家は一気に貧乏になった。
その為おかんは必然的に夜の仕事をするよぅになった。毎日酒の匂いを漂わせて帰って来るおかんが、俺は嫌でたまらんかった。
中学にあがる頃には俺は家に帰る事がなくなった。2005-06-07 14:16:00 -
139:
貧乏やけどやっぱ俺は家族が大好きや。それに俺がホストになったから少しは生活も増しになるやろ。
『楓、味噌汁こぼしてるで!』
おかんの声でハッとした。『ボーっとしてるからやで。』
おかんのネチネチが始まったと思った俺は急いで自分の部屋に入った。
居間からはおかんの文句が聞こえる。2005-06-07 14:18:00 -
140:
俺は美江に一回かけてみた。やっぱり着拒否。
痛い…。ナンバーから落ちた事がじゃなくて、美江と会わんくなったのが。俺ひ知らんうちに美江に対して情が湧いていたのかもしれん。仕方なくメールを送ってみる事にした。
【本間に頼むから、連絡くれ。電話が嫌やったらメールでもかまわん。待ってるから。光。】
送信。
美江からの返事を願って俺は眠りについた。
もぅいっぱい?やった。2005-06-07 14:19:00