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伍行国

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  • 1:

    ヌッシー

    「はぁ。はぁ。」
    幼い少女が息を切らせて走っている。年の頃は10ばかしだろうか。
    少女は崖っぷちに追い詰められた。
    5メートルはあるだろ、大きく黒い鷹のような魔物が少女を襲う。

    2009-05-30 02:36:00
  • 35:

    名無しさん

    「まってよー。お兄ちゃん。置いてかないで。って、桜花ちゃん危ないよ!落っこちちゃうよ。速く崖から離れて!」
    佐々木君とミカちゃんが走って様子を見にきたようだ。
    佐々木君はミカちゃん置いて走って来たらしい。
    「佐々木君…ミカちゃ…」
    ーガラッー
    私は目の前が真っ暗になって足を滑らせた。
    ゆっくり意識が遠のいていくのが分かる。(私このまま落ちて死んじゃうんだ。で、なんで佐々木君まで落っこちてんの。あ、手を伸ばして助けてくれようとしたんだ。ダメだ佐々木君まで死んじゃう。助けて琥珀。助けて!)
    「助けて!黄龍ぅぅーーーーーーーーー。」
    『御意。』

    2009-05-31 03:54:00
  • 36:

    名無しさん

    ー黄龍ーあの時助けてくれた美しい龍の名前だ。そして私の本当の名は女嘩。
    全て思い出した。そう、私は天帝により次期王に選ばれたのだ。そして私を護るため黄龍が生まれた。
    私は、意識が無くなる直前に私の主従に助けを求めた。その名を呼んだのは何年ぶりだろうか。薄れ行く意識の中で私は見た。金色に輝く黄龍を。久しぶりに見たなはずなのに、それは見慣れた輝きを放っていた。
    (そっか。そうだったんだ。いつもそばに居てくれてたんだね。琥珀…)
    私と佐々木君は金色のそれに身をまかせ崖下の深い深い海にのまれた。そして次に目を覚ました時は夢で見たあの場所だった。

    2009-05-31 14:52:00
  • 37:

    名無しさん

    訂正ー主従でなはなく従臣

    2009-05-31 15:37:00
  • 38:

    名無しさん

    ーパチパチー薪のはぜる音がする。そして懐かしく優しい風の匂い。ここは確かに私の故郷、伍行国青州だ。重たい瞼をあげると、そこには見慣れた顔が焚き火に薪をくべていた。
    「琥珀…私帰って来たんだね。…守ってくれてありがとう。」
    『女嘩さま…お目覚めになられましたか。顔色が悪う御座います。』
    琥珀はそう言うと、私の額に掛かった前髪をすくい上げた。

    2009-05-31 17:49:00
  • 39:

    名無しさん

    前髪をすくった手がそのまま頬を撫で、跪いたままの琥珀は私の顔を心配そうに覗き込んだ。綺麗な顔をしているのは知っていたが間近でみると物凄い迫力だ。私の頬に当てられた彼の長く白い指は暖かく心地よい。だが妙に恥ずかしく、私のぼやけた頭を覚醒させた。
    「はっ!佐々木君…佐々木君は無事なの!?」

    2009-06-01 01:23:00
  • 40:

    名無しさん

    『…ああ。俺は無事だ。』
    私のすぐ近くからクールな声がした。少し体を起こすと上半身裸の佐々木君が膝を抱え焚き火の前で暖を取っていた。(良かった。無事だったんだ。)
    『…ところで、いったい此処はどこなんだ。それにあの龍は?女嘩とはなんだ。』
    いつもの口調で聞いてきた。さすがは佐々木君。いつもながら落ち着いた人だ。普通の人なら龍を見た上、目が覚めたら知らない土地にいた、なんて事になったらパニックを起こすところだろう。佐々木君ならこれから話す事を直ぐに理解してくれるに違いない。私は重い頭を持ち上げ佐々木君の横に腰を下ろした。
    「此処は私の本当の故郷伍行国よ。」

    2009-06-01 01:57:00
  • 41:

    名無しさん

    「伍行国-それは天帝・太一神により作られた5つの州からなる国よ。
    黄州・王都を中心とし、東の青州、西の白州、南の朱州、北の真州でなり、五つの聖獣に護られている。
    それぞれを黄龍、青龍、白虎、朱雀、玄武に加護されし国。
    ここは青州に位置しているわ。
    私はここ青州で産まれたの。」

    2009-06-01 02:05:00
  • 42:

    名無しさん

    『…じゃあ何か。あの金色の龍は聖獣って事か?色からして黄龍ってところか?で、桜花のこっちでの名前が女嘩って事で良いんだな。』
    話の分かる男である。
    「そう。その通り」
    『…なら変な話だな。なぜ国を守る為の聖獣が、使命を放棄してよその世界に来てるんだ。桜花一人…自国民を一人助ける為に世界をまたいで来てたんじゃ国を守る暇なんて無いはずだ。しかも黄龍は王都を守る聖獣だと言っていたな。尚更、使命として成り立たんだろ。』
    これだけの話でそこまで矛盾を探しだすなんて…流石!としか言いようがない。政治家を目指していただけはあるな。

    2009-06-01 02:32:00
  • 43:

    名無しさん

    見てる方がいらっしゃると信じつつ、お知らせです。
    今日からお仕事なのでしばらく更新止まります。
    生暖かく見守って下されば嬉しいです。

    2009-06-01 02:37:00
  • 44:

    10です。

    待ってます?

    2009-06-02 17:47:00
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