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伍行国
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1:
ヌッシー
「はぁ。はぁ。」
幼い少女が息を切らせて走っている。年の頃は10ばかしだろうか。
少女は崖っぷちに追い詰められた。
5メートルはあるだろ、大きく黒い鷹のような魔物が少女を襲う。2009-05-30 02:36:00 -
31:
名無しさん
「あ、わ…私、大きな鳥に…そ、そう【鬼鳥】に追われて崖まで逃げてきて…それで…えっと、それから。い…いえ、あれはただの鬼鳥じゃなかったわ。何者かに操られた【入内鷹】……」
(えっ!!?鬼鳥!?入内鷹!?なんで私あの鳥の名前しってるの!?)
『それで?』2009-05-31 02:07:00 -
32:
名無しさん
「うん。えと、龍が…そう!凄く綺麗な金色の龍が現れたの…月の光に照らされてキラキラ輝いて…その龍は私を助けてくれようとしたみたいなんだけど、私崖から落っこちちゃって。…あ、でもコレは夢の話なの。そう。今朝見た夢。この夢のせいで叫んじゃったの。あはは。でもス…スリッパで叩くん事ないじゃない。…あはは…は」
『…それは夢では御座いませぬ。あちらの世界で体験された記憶に御座います。スリッパの件は…申し訳ございませんでした。今までのご無礼お許し下さい。』
琥珀はそう言うと、肩方の膝付き頭を下げた。
私の下に膝を付いた琥珀の金髪は月の光に照らされてキラキラ輝いていた。2009-05-31 02:21:00 -
33:
名無しさん
「やだ何言ってんのよ!!やめてよ!!やめて!顔を上げてよ!それになんなのその喋り方!私は、この世界の人間よ!前田桜花よ!私にはお母さんもお父さんもいる。琥珀だって知ってるでしょ!!今朝だって一緒に朝食食べたじゃない!」
震える体に力込め目一杯叫んだ。目の前の人は本当に琥珀なのか?琥珀が琥珀じゃないみたいで私はただただ震えた。
『おじさん、おばさん…いえ、あの方達は、本当のご両親ではありません。私も前田琥珀ではありません。それに本当の前田桜花という少女は5年前、前田琥珀と共に亡くなっておいでです。あなた様の本当の名は……』
聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。2009-05-31 03:16:00 -
34:
名無しさん
『あなた様は…伍行国次期国王・女嘩(じょか)様であらせられる』
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
その名を聞いた瞬間、あらゆる記憶が蘇った。私の失った過去が津波のように私の中に押し戻されてくる。頭が痛くて破裂してしまいそうだ。
『琥珀、桜花!どうした。怒鳴り声が聞こえて来てみたら、今度は叫び声だ。おい!桜花大丈夫か?』
2009-05-31 03:33:00 -
35:
名無しさん
「まってよー。お兄ちゃん。置いてかないで。って、桜花ちゃん危ないよ!落っこちちゃうよ。速く崖から離れて!」
佐々木君とミカちゃんが走って様子を見にきたようだ。
佐々木君はミカちゃん置いて走って来たらしい。
「佐々木君…ミカちゃ…」
ーガラッー
私は目の前が真っ暗になって足を滑らせた。
ゆっくり意識が遠のいていくのが分かる。(私このまま落ちて死んじゃうんだ。で、なんで佐々木君まで落っこちてんの。あ、手を伸ばして助けてくれようとしたんだ。ダメだ佐々木君まで死んじゃう。助けて琥珀。助けて!)
「助けて!黄龍ぅぅーーーーーーーーー。」
『御意。』2009-05-31 03:54:00 -
36:
名無しさん
ー黄龍ーあの時助けてくれた美しい龍の名前だ。そして私の本当の名は女嘩。
全て思い出した。そう、私は天帝により次期王に選ばれたのだ。そして私を護るため黄龍が生まれた。
私は、意識が無くなる直前に私の主従に助けを求めた。その名を呼んだのは何年ぶりだろうか。薄れ行く意識の中で私は見た。金色に輝く黄龍を。久しぶりに見たなはずなのに、それは見慣れた輝きを放っていた。
(そっか。そうだったんだ。いつもそばに居てくれてたんだね。琥珀…)
私と佐々木君は金色のそれに身をまかせ崖下の深い深い海にのまれた。そして次に目を覚ました時は夢で見たあの場所だった。2009-05-31 14:52:00 -
37:
名無しさん
訂正ー主従でなはなく従臣
2009-05-31 15:37:00 -
38:
名無しさん
ーパチパチー薪のはぜる音がする。そして懐かしく優しい風の匂い。ここは確かに私の故郷、伍行国青州だ。重たい瞼をあげると、そこには見慣れた顔が焚き火に薪をくべていた。
「琥珀…私帰って来たんだね。…守ってくれてありがとう。」
『女嘩さま…お目覚めになられましたか。顔色が悪う御座います。』
琥珀はそう言うと、私の額に掛かった前髪をすくい上げた。2009-05-31 17:49:00 -
39:
名無しさん
前髪をすくった手がそのまま頬を撫で、跪いたままの琥珀は私の顔を心配そうに覗き込んだ。綺麗な顔をしているのは知っていたが間近でみると物凄い迫力だ。私の頬に当てられた彼の長く白い指は暖かく心地よい。だが妙に恥ずかしく、私のぼやけた頭を覚醒させた。
「はっ!佐々木君…佐々木君は無事なの!?」2009-06-01 01:23:00 -
40:
名無しさん
『…ああ。俺は無事だ。』
私のすぐ近くからクールな声がした。少し体を起こすと上半身裸の佐々木君が膝を抱え焚き火の前で暖を取っていた。(良かった。無事だったんだ。)
『…ところで、いったい此処はどこなんだ。それにあの龍は?女嘩とはなんだ。』
いつもの口調で聞いてきた。さすがは佐々木君。いつもながら落ち着いた人だ。普通の人なら龍を見た上、目が覚めたら知らない土地にいた、なんて事になったらパニックを起こすところだろう。佐々木君ならこれから話す事を直ぐに理解してくれるに違いない。私は重い頭を持ち上げ佐々木君の横に腰を下ろした。
「此処は私の本当の故郷伍行国よ。」2009-06-01 01:57:00