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  • 1:

    ◆p49SjSsAGY

    フィクションで作成しています。

    2009-10-07 05:04:00
  • 25:

    ◆p49SjSsAGY

    車も少なく、人が道を歩いていなくてなんだか絵はがきの中に飛び込んだような気分になったので車を適当に停めて下車した。ドアを開けると、むわっと暑くて蝉が鳴きわめいているのに何故か心地よくてその場で背伸びをした。右を見ても左を見ても車も人もいなく、ただ川の流れる音と蝉の声だけが響き渡っている。

    2009-10-09 15:31:00
  • 26:

    ◆p49SjSsAGY

    景色を見てるだけで別に落ち込むような事なんてないのに、なんか心が軽くなるような気分になっていく。空気がおいしいって…こういう事なんだろうな。住むと不便そうだけど、旅行とかなら来たい場所だなここは。

    2009-10-09 17:16:00
  • 27:

    ◆p49SjSsAGY

    ぼぉっと川の流れを見ていた。それが何分くらいかは分からないけれど川にまるで吸い込まれるように、私は時間を忘れ見入っていたが、背後から聞こえてきた草履を摺る音がして川から視線をそらした。

    2009-10-09 17:18:00
  • 28:

    ◆p49SjSsAGY

    「暑いねぇ…」にこりと微笑み私の隣に立ち止まったのは、小柄なお婆さんだった。両手を腰に回して川に視線を向けて頭を二回深くうなずかせた。「暑いですね」無視するわけにもいかず答えると、お婆さんは私の顔を見て微笑んだ。「旅行ですかな?」ゆっくりとした口調で話し掛けてくるお婆さんは、初対面にも関わらずどこか懐かしい感じもした。

    2009-10-09 17:23:00
  • 29:

    ◆p49SjSsAGY

    「いぇ、今日は仕事が休みだったので遠出しようと思って…」「そうですか…あなたみたいな若くて綺麗な人がこんな田舎にわざわざ」たまたま通りかかっただけで、別にここに来たくてきたわけではないなんて言えずにうなずいた。お婆さんはまた川に視線を向ける。

    2009-10-09 18:09:00
  • 30:

    ◆p49SjSsAGY

    「あの…お婆さんはこの近くにお住まいなんですか?」「へぇ。その道をずぅっと歩いた所にある小さな家に1人で住んでんよ」お婆さんは、道の先を指差したので私はそちらを見ると、小さく家が見えた。お婆さんの足だと10分はかかるだろう。

    2009-10-09 18:13:00
  • 31:

    ◆p49SjSsAGY

    「いつもここまで散歩されるのですか?」「家の中に居ても寂しいだけだろ?それに座ったままだと足がだめになってしまうからね…でも、この川はあまり見ないようにしてる」お婆さんは川を眺めながらふとそう話した。「なぜ?なぜ川を見ないようにしてるんですか?」

    2009-10-09 21:54:00
  • 32:

    ◆p49SjSsAGY

    お婆さんは意味深な表情を一瞬見せた。「…この川はね…」お婆さんが私に話してる時だった…頭上をものすごい数の大きな大きな鳥が飛んでいき、思わず肩をすくめてしまった。鳥の大群は遠くの山に向かって飛んでいき、やがて何事もなかったかのように蝉の鳴き声がまた響き渡っていた。

    2009-10-09 22:08:00
  • 33:

    ◆p49SjSsAGY

    少しの間、空を見ていた。昼過ぎにもなると更に太陽の日差しがきつい。「びっくりしましたね…」そう話ながら隣にいるお婆さんの方へゆっくりと視線を向けたが、そこにはお婆さんの姿がなく辺りを見回してもお婆さんの姿は見つけれなかった。「えっ?えっ?あれ?…お婆さん?」呼んでも返事はなくて、ただただ驚く事しかできないままとうとうお婆さんの姿を見つけれないままだった。ほんの一瞬だったのに…ほんの一瞬目をそらしただけで、あんな短時間に身を隠すなんてできるわけがない…

    2009-10-10 09:12:00
  • 34:

    ◆p49SjSsAGY

    ガサッガサッ。車に戻ろうと足を一歩前に進めた時、足元で何かにあたりこすれた音がして、驚いて足元を見てみるとさっきまでなかったはずのいくつかの花束が置かれている。慌ててそこからピョンと飛び越えわけも分からないまま花束を見ていると、喪服を着た老夫婦らしき2人が私の後ろを通り過ぎていった。

    2009-10-10 09:16:00
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