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DEAR…
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1:
名無しさん
今思えば
その時の一瞬が
すべてだった。2010-04-10 14:26:00 -
31:
名無しさん
かずきの声にビックリして教室に隠れた。
「わかった!」ゆうとくんの声が響いて、かずきが教室に入ってくる。
「俺は10分後に行くから」
―かずきはマセガキってやつだったのかもしれない。2010-04-10 16:17:00 -
32:
名無しさん
何も言わず教室を飛び出して体育館に向かった。
今思えば何がそんなに難しかったんだ?って事が、当時はこの世の終わりに思える程、絶望的な試練だった。
急ぎすぎて、ゆうとくんとほぼ同時に体育館に着いた。2010-04-10 16:21:00 -
33:
名無しさん
急に入ってきた私にビックリするゆうとくん。
目線をバッシュの靴紐に落とすと器用に括り、無言でバスケットボールを手にした。
広い広い体育館にバスケットボールが跳ねる音とゆうとくんのバッシュの音だけがこだまする。2010-04-10 16:24:00 -
34:
名無しさん
何も言葉が出てこなくて、ただただ、シュートの練習をする彼の背中を見つめた。
もお、かずきが来るな。最後にゆうとくんのバスケやってるとこ見れたしいいじゃん。って弱い自分に言い聞かせてたとき、
いきなりゆうとくんからパスが回ってきた2010-04-10 16:27:00 -
35:
名無しさん
「ずーっとサボって下手になってる??」
優しい笑顔を向けられたのはあの帰り道以来だった。
「そんなことないし!」
「じゃぁシュート決めてみて。俺、その間にアルバムに書いていい?後で俺のにも書いて。」
――ビックリするくらい普通に喋ってたな。何も思い詰める程の事ではなかったのかもしれない。ただ12歳の私の器量で受け止められなかっただけ。未知のことを過大視しすぎていただけ。2010-04-10 16:34:00 -
36:
名無しさん
やっぱり下手になってたシュートを打っていたが、背中のゆうとくんが気になって仕方ないので隣に行って私もゆうとくんのアルバムにメッセージを残す。
「明日卒業式終わったら読んで」
書き終わったゆうとくんが真っ直ぐに私を見てアルバムを渡す。
一日早い卒業証書授与式みたいだった。2010-04-10 16:38:00 -
37:
名無しさん
「わかった。じゃあ私が書いたのも卒業式が終わってから読んでね。」
そこへ、かずきが入ってきて三人で少し遊んで、誰が言い出すでもなく自然と体育館を後にした。2010-04-10 23:32:00 -
38:
名無しさん
「ただいま!お母さん、クッキー作る!」
リビングに駆け付けると母は既にエプロン姿で道具と材料を準備してくれていた。
「おかえり。手洗ってエプロンしてね。」2010-04-10 23:35:00 -
39:
名無しさん
母は何を聞くでもなくニコニコと笑顔で手伝ってくれた。
失敗することなく綺麗に焼けた数十枚のクッキーの中から、一番綺麗な何枚かを小さな箱に入れ、用意されたリボンをかける。
「…できた。」
「全部おいしそう。頑張ったね。お父さんにもおすそ分けしてあげないと。」2010-04-10 23:41:00 -
40:
名無しさん
その日の夕食後、母と父と三人でクッキーを食べながらナゼか私のアルバムを見ていた。
「お前は、本当に小さいときからやんちゃだったな。」
ほっぺに絆創膏を貼った3歳くらいの私の写真を見ながら父が微笑む。
「この頃はお父さんのことが大好きで本当にお父さん子だったのにね。」
母が笑いながら父を見ると父は、この頃はってなんだよ〜と肩を落としておどけてみせる。2010-04-10 23:46:00