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DEAR…

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  • 1:

    名無しさん


    今思えば
    その時の一瞬が
    すべてだった。

    2010-04-10 14:26:00
  • 5:

    名無しさん

    完結まで頑張って?

    2010-04-10 14:40:00
  • 6:

    名無しさん

    ゆうとくんもさやかちゃんが好きに決まってる。自然にそう思った。勝手に少し距離を感じた。

    冬になって帰り道、ゆうとくんに呼び止められる。

    「何でバスケ来るの止めたん?」

    2010-04-10 14:41:00
  • 7:

    名無しさん

    だってさやかちゃんとゆうとくんはお似合いで。いつまでもゆうとくんにくっついてたら私はただの邪魔物で…なんて言えるわけがない。

    「――――寒いし、飽きた。」

    冬の乾いた空気に自分の声がやけに虚しくはっきり反響する。

    2010-04-10 14:43:00
  • 8:

    名無しさん

    ゆうとくんは一度私と目を合わせると何も言わず、横を通り過ぎて…振り返りもせず私に告げた。

    「卒業式の次の日に引っ越す
    あとちょっと、またバスケしよ」

    2010-04-10 14:47:00
  • 9:

    名無しさん

    たかだか12年しか生きてない子供のくせに、世界の終わりを感じた。
    今思えばそれくらいに純粋にゆうとくんが好きだった。

    何も返答できないまま、二人の背中の距離は開いて行った。
    歩き去るゆうとくんを振り返ることも呼び止めることもできず、視線の先の地面には小さなシミが跡を作り出していた。

    2010-04-10 14:50:00
  • 10:

    名無しさん

    卒業式まであと1ヶ月。
    恋の相談なんてするタイプではないし、誰にも何も言えず一人で泣く日が続いた。
    もちろんバスケにも行かず。

    教室で会うことは毎日なのに話をすることはあの日以来なくなった。

    2010-04-10 14:53:00
  • 11:

    名無しさん

    元気のない私に母は困り果て、毎日大好きなご飯を作ってくれた。

    大丈夫。学校では笑えてるから

    他愛のない会話をとめどなく紡いでくれる母。今思い返してもあなたに心配をかけてばかりだったなあ。あなたの優しさに救われなかったことはありません。

    2010-04-10 14:56:00
  • 12:

    名無しさん

    ある日の夕食後、母が電話を持って部屋に来た。
    「かずくんからよ」

    正直びっくりした。かずきとは幼稚園からの家族ぐるみの友達だけど、電話かけてくることなんて初めてだったから。
    ありがとうと電話を受けとった指先が震えていたのを母は気付いていただろうか?

    2010-04-10 15:00:00
  • 13:

    名無しさん

    なんとなく。

    本当になんとなく。

    話の内容はゆうとくんの事かなって直感で決め付けて、頭が、そうだ!と勝手に処理すると、意味のわからない速さで心臓が動き出して、体が小刻みに震えた。

    2010-04-10 15:05:00
  • 14:

    名無しさん

    幼なじみのかずき相手に受話口に出るまでに、何度も呼吸を整える自分がおかしくなり、勢いで保留を解除した。
    「はいはい?何。」
    精一杯の平静は、自分自身をさらに緊張させた。

    「何?じゃないし!お前、ゆうとが引っ越すって知ってたんだろ?!」

    2010-04-10 15:09:00
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