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好きと言いたかった
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1:
まり
今朝はインターホンの鳴る音で目を覚ました。インターホンを見ると50半ばのスーツを来た男が立っていた。
『朝っぱらからセールス?』私は居留守をすることにした。
2010-12-10 14:46:00 -
2:
まり
もう一度、ベットに入ろうとした時だった。
『あれ?あの人…』なんとなく見覚えがあるような気がした。
すると、インターホンが再び鳴った。
『はい?』私は恐る恐るインターホンに出てみた。2010-12-10 14:49:00 -
3:
まり
インターホンの画面に映る絵に描いた様な紳士が丁寧に話し出して、私は言葉を無くした。
『朝早くに失礼致しました。わたくし、藤堂タカヤ氏の名を受けまして本日お邪魔させて頂いております』2010-12-10 14:52:00 -
4:
まり
藤堂タカヤ―――彼に初めて会ったのは、ちょうど一年前の寒い日だった。
『こんにちは』そう言って扉を開けた私の目の前に彼は呆然と立っていた。2010-12-10 14:55:00 -
5:
まり
父親が作った借金の肩代わりに私は、とある風俗店に勤めていた。このご時世にまだあるんだね、こんな話。そう他人事なら言いたくなるが、自分の身にふりかかったソレを、この頃の私は不幸と思えなくなっていた。
2010-12-10 14:58:00 -
6:
まり
地元を出て大阪で一人。友達なんていなくて、むしろ友達なんて欲しくなくて。少しでいいから一日でも早く、ここから出る事だけを夢見て朝から晩まで休みなく働いていた。
月に一度、どうしても働けない時期だけは物悲しく思えてならなかった。2010-12-10 15:03:00 -
7:
まり
この日は、一週間ぶりの勤務で、一年もの間ここで働いている私にはリピーターもそれなりにいて、予約は完済していた。
その一番最後の予約が新規のフリーだった。2010-12-10 15:07:00 -
8:
まり
『フリーありがとう』私が店長に言うと
『たまには回さないとな!何か団体の一人やわ』と店長は答えた。
私の素性をよく知る店長は私には異常な程優しかった。昔はお父さんも優しかったなって、働き出した頃はよく思ったものだ。2010-12-10 15:09:00 -
9:
まり
『あの…入らないの?』ドアの前で立ち尽くす彼に私は声をかけた。
『え?あぁ…お邪魔します』そう言って彼は部屋に入ってきた。スーツがよく似合う長身に幼さの残る顔は見るからに育ちが良さそうだった。2010-12-10 15:13:00 -
10:
まり
『始めましてマリです』
『始めまして藤堂言います』これぞお辞儀。そんな風に頭を下げた彼に私は思わず吹いてしまった。
『こういう、お店は初めてですか?』2010-12-10 15:15:00