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好きと言いたかった
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1:
まり
今朝はインターホンの鳴る音で目を覚ました。インターホンを見ると50半ばのスーツを来た男が立っていた。
『朝っぱらからセールス?』私は居留守をすることにした。
2010-12-10 14:46:00 -
29:
まり
この日、藤堂さんは夕方にフロントから出前を取ってくれた。正直、客と寝る部屋で食欲など湧かず、私はほとんど食べなかった。
『食欲なくて』私がそう言うと、どこまで察したのか、
『ごめん。僕、デリカシーなかったね』と藤堂さんは答えた。2010-12-10 18:16:00 -
30:
まり
藤堂さんはあまり私の事を聞いてはこなかった。ただひたすら自分の話をするばかりだった。学生の頃の話を聞いた時は、やっぱり坊ちゃんだなと少し悲しくなった。中学から私立に行き、大学を出て、一般職に着いた後、計り知れない借金をしてパチンコ屋を開業。一代ですることは、そうあることではないと聞いたことがあった。
2010-12-10 18:21:00 -
31:
まり
『パチンコ屋さんて、親からの人がほとんどなんでしょ?』私が、そう言うと
『やりたがりだっただけだよ。時代が良かったんだ』と、藤堂さんは答えた。
私の倍以上の借金を背負った彼は私の手の届くことない雲の上の人。
何だか、自分が惨めに思えた。2010-12-10 18:27:00 -
32:
まり
そして気が付けば、藤堂さんに当たっていた。
『私は家が貧乏で、父親が馬鹿みたいにお人よしだから、お金にならない仕事して、人にばっかり給料あげて…最後にはサラ金に騙されて借金…父親は身体壊すし、母親は男と蒸発。弟は小さいから里親に出して…』涙が出た。2010-12-10 18:32:00 -
33:
まり
『私は…私は朝から晩まで親父の相手して…藤堂さんには解らないでしょ?貴方の背負ってる借金と私の借金は意味が違う…毎日毎日何しに来るの?昨日も、今日も…リピーターさん来れなくなるじゃない?!迷惑です』
一気に言い放った、その言葉を藤堂さんは黙って聞いていた。2010-12-10 19:29:00 -
34:
まり
どこからどう見ても藤堂さんは、とばっちりをくっただけだった。そんな藤堂さんは静かに口を開いた。
『正直、君の苦しみは解らない。ただ、君が他の人に抱かれてると思うと…嫌でね。マリちゃんに一目惚れしたんだ』
2010-12-10 19:34:00 -
35:
まり
『からかってるなら止めて下さい』
『ごめんね。会ったばっかりなのに。でも本当だから』藤堂さんはニコリと笑った。私はそんな彼に
『もう来ないで下さい。NG出しますから』と言った。
その日は、それで時間が来てしまった。2010-12-10 19:39:00 -
36:
まり
次の日、出勤すると藤堂さんの予約があった。でも、藤堂さんは来なかった。
そして初めてボウズになりそうだった。
『店長!フリーないの?』私が店長に尋ねると
『あれ?聞いてない?藤堂様、本人はこれんらしいねんけど料金だけは頂いててな…バレたらやらしいから今日はお前何もせんで給料あるんやで』と店長は笑って答えた。2010-12-10 19:43:00 -
37:
まり
『世の中色んな人間おんな〜』店長はタバコを吹かしながら私に言った。
『そうなんだ…』
明日は木曜日。藤堂さんは朝から晩までアポイントで埋まっている。
明日も来ないはずだ。
2010-12-10 19:46:00 -
38:
まり
『もし、今度こういうあったら、私をお客さんにつけてくれない?何か気持ち悪いよ藤堂さん』
私がそう言うと
『そうか?見るからに紳士だし、いい男やん。いくつなん?』
『41歳だって』2010-12-10 19:48:00