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1:
さく
俺が生まれて初めて好きになった女の背中には大きな十字架が彫られていた。
「クリスチャン?」って聞いたらお前は「私が殺した男のイニシャル。」って言ってた。
今お前は心から笑えてますか?
2011-05-21 21:27:00 -
8:
さく
新規で来た風俗嬢に俺は昔語りをしていた。
きっかけは【風俗の仕事って偏見ある?】っていう質問から。
ホストという職業は嘘をつくから信じてもらえず長続きしたいんだと思う。あいさつみたいに「好き」と言って、無理をして笑うから相手は「仕事」って気づいて夢から覚めるんだと思う。2011-05-21 22:16:00 -
9:
さく
俺の言葉はいつも嘘も無理もなかった。店での会話も店以外での会話も俺にとって苦痛に感じることは一度もなかった。
夜の商売をしてるものは何かしら心の闇を抱えている人間が多いようだがそんな話もまるで小説を読んでいるような気持ちで聞くことができた。
2011-05-22 06:10:00 -
10:
さく
人の痛みとか闇とか人並みに背負ったつもり。だから同情もしない代わりに同調もせず人の身の丈に傾聴できたのだと思う。 ホストは天職。お客様は親友で彼女で姉妹でホステス。
2011-05-22 21:59:00 -
11:
さく
「なぁさくやぁ。今日部屋来れる?」接客中にあやのが潤んだ瞳で俺に尋ねた。「全然いいよ?あやのから誘ってくれるのめずらしいなぁ♪」そう答えると「チェックして。。。」あやのは会計を済ませ店を出ていった。閉店の片づけを終えあやのに電話をかけた。
2011-05-22 22:05:00 -
12:
名無しさん
頑張ってください。
2011-06-03 08:17:00 -
13:
さく
『お疲れ。今から部屋行くけどプリンと白バラのコーヒー以外に何か欲しいもんある??』「ないよ。早くぎゅーして。。。」『わかった。急いでいくから待っててな。』近くのコンビニであやのが好きなものを目一杯買い込みタクシーを走らせた。
2011-06-14 20:59:00 -
14:
さく
部屋に入ると何も言わずにあやのは俺に抱きついてきた。『ちょっ。俺汗くさいし酒臭いしやめときや(笑)』「いいねん。さくや…。あたし怖いねん…。」『何も怖いことないから…。おいで。』俺はあやのを抱きしめた。
2011-06-14 21:06:00 -
15:
さく
あやのは心が弱っていた。容姿も美しくお金も十分すぎるほど持て余していた。店に来だしたのも心の闇を埋めるためだったのだろう。決して男を捜しに来ていたのではなく平静を保つためにプライドを守るために存在意義を確認するために店に通っていた。
2011-06-15 09:05:00 -
16:
さく
『落ち着いた?』腕の中で小さくなるあやのの髪を撫でた。「うん。ありがとね。昨日あいつから着信あって動揺してしまってん。また過呼吸なってもてな。」『お母さんから連絡あったんやな。お金か?』「んー。何か今一緒にいてる男に金がかかるんやて。暴力もひどいらしいし。とりあえず30振り込んだ。」『そか。お母さんも目さましてくれたらええな。』「うん。。。」俺たちは会話を終えるときつく抱き合って夜を迎えた。
2011-06-15 09:12:00 -
17:
さく
「さくやー。起きやー。同伴あるんやろ?」あやのに起こされ眠たい目をこすりながらリビングのソファーに腰掛けた。「コーヒー飲む?」『うん。』湯気の立ったマグカップを手渡され一口飲むと頭が徐々に覚醒してきた。
2011-06-15 11:47:00