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沼地

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  • 1:

    名無しさん



    今私は何処に居る

    何処に向かってる

    何を探して

    何を求めてる

    足がぬかるみにはまって

    動けないでいる?


    沈んで溺れられれば


    それはそれで


    幸せなのにね。


    2012-11-14 21:46:00
  • 31:

    名無しさん


    「あ、ごめん。」

    「ううん、こっちこそごめん。じゃあせっかく来てくれて悪いんだけど待たせても悪いし行くね。」

    「待って!後少しだけ。目つむって?」

    「え…うん。」

    言われるがまま目を閉じ、しばらくするとHは言った。

    「目…開けて?」


    2013-04-19 01:10:00
  • 32:

    名無しさん


    これは…



    目の前にはカルティエの小箱があった。

    「サンタさん来たでしょ?」


    笑いながら、そう言った君。

    今でも忘れられないんだ。


    あの時の悲しい様な寂しいような、君のあの笑顔を。

    2013-04-24 22:02:00
  • 33:

    名無しさん


    「本当だ…。」

    私は無理に笑って答えた。
    その顔は泣きたいのに笑う事しかできないピエロさながら、さっきの君ときっと同じ様な歪んだ笑顔だったに違いない。

    確信をつけばきっと壊れてしまうから。

    いつか、君は私を触れれば壊れてしまう薔薇のガラスの様だと言った。


    それはきっと私の存在だけではない。


    それはきっと…



    私たちのすごす時間そのもの






    2013-04-24 22:09:00
  • 34:

    名無しさん


    「ありがとう。」

    「はめてみて?」

    サイズはピッタリだった。
    ねぇ、何でこんなものを私に渡すのか。

    これをはめる事ができるのは、君の前でだけ。

    高価なものが欲しいわけじゃなかった。
    それは君が感じる不安を和らげるためだけの贈り物。
    だから私は気付かないふりをする。笑い喜んだ顔をする。

    どこへも行かないよ。だけどきっといつか壊れてしまう事だけはわかってるんだ。心のどこかだけは極めて冷静で現実的なのに、また自分の声にまで気付かないふりをする。

    傷口は広がるばかり。でもそれを癒せるのも君だけなんだ。

    まるで底なし沼ー。

    そう、どこまでも落ちていければいいのに。終わりなんて見たくない。

    2013-05-06 01:54:00
  • 35:

    名無しさん


    「ピッタリだね。さすが。」
    「でしょ?似合ってるよ。」

    そんな会話をしながら私とHはタクシーに乗り、私を飲み会の店で降ろし走り去って行った。

    店に着く前に指輪を外す。
    誰にも内緒の関係だから。

    Hは既婚者だ。

    私は不倫相手。

    夫婦関係はだいぶ前から破綻していて、奥様は自分が相手をするくらいなら他の女に相手をさせた方がマシだとHに言い放ったらしい。

    彼は幼少期は虐待も受けていたと私に話した。

    今でも金をせびってくるけども親の事を恨んではいないとも話した。

    ただ彼に愛情を与えたくなった。
    だって、そんな彼の話には彼を支えてあげられているであろう人物が誰一人として居なかったから。



    2013-05-06 02:08:00
  • 36:

    名無しさん


    彼を頼る周りの人間は何人も居た。

    だけど彼が頼る人物は見た事がなかった。


    2013-05-06 02:12:00
  • 37:

    名無しさん

    2013-05-08 17:50:00
  • 38:

    名無しさん


    だけど世の中は非情だ。


    彼の周りに居る人間は皆、彼が生み出す金だけでの繋がりだ。

    会社関係者、妻や親でさえも。

    彼が私に振り込み続ける謝礼金とやらも、嫌と言う程彼に染み付いた自分の所へ引き止めるための彼なりの術。


    何て悲しいんだろう。

    それはきっと諦めにも似た安心感を手に入れるための術。


    2013-05-08 23:47:00
  • 39:

    名無しさん


    「お疲れ様ー!!」

    店に入ると飲み会は既に一時間程前から始まっていて、皆軽くできあがっていた。

    「遅くまでお疲れ様。」
    会計士事務所経営のいつもやたらとテンションが高い宮本が話しかけてきた。

    「いつもこんな時間だよ。」

    宮本に何故か気に入られている私は毎回宮本主催の飲み会には呼ばれていた。

    心の隙間を埋めるのにはちょうど良く、声がかかればいつも参加していた。

    2013-05-08 23:53:00
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