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∞ぽん酢∞
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1:
あたしの名前は御浜めい。友達には、マメって呼ばれたり呼ばれなかったり。昭和五十年後半に産声を上げてはや二十年は過ぎました。そんなの私の今までのお話。始まり始まり*。'・゚;*。・。
2005-12-12 17:01:00 -
337:
『あ、もしー?近くにおんねやろ。上がって来て』
コウタの声を聞きながら、不安げに隆介を見上げた。
『大丈夫やで。』隆介は大きな手で豆の頭に触れた。2005-12-30 19:06:00 -
338:
コウタが【誰か】と喋りつづける中、
『メイは心配する事ないから。ごめんな。』
----そんな事を言う隆介の、主旨には触れない謝罪が、虚しく不安を尚更、煽り立てる。
『もー来るわ』
----コウタがふてぶてしく言い放ち、豆は我に返る。2005-12-30 19:10:00 -
339:
『誰が来るん?』
──なぜか聞けずに又、生唾を押し込む様に飲み込んだ。
白く揺れる煙をだだ、固まった様に見つめていた。2005-12-30 19:13:00 -
341:
『……・・・元カノ』
──入ってきたアイリの姿が目に写る、
【あぁ、やっぱり。】
思った時にはアイリは向かい合う様に置かれたソファの、コウタの横に黙って座っていた。2005-12-30 19:19:00 -
342:
『で、何これ』
───アイリはいつも通りのヒジキがいっぱい乗っかった目をパチパチと見開き、コウタを見つめた。
『・・・・もーいーやろ。俺ももうしんどいって』
----コウタはソファに深く座りこんだまま、ポツリと囁いた。2005-12-30 19:22:00 -
343:
『は?意味わからんねんヶド。呼ばれたヶド、アイリ来た意味あるん?』
----明る過ぎる茶色い眉をしかめ、アイリはコウタを睨みつけている。
『ぶっちゃけよや』
コウタはアイリの鋭いヒジキを見る事はなく、ため息の様にまた囁いた。2005-12-30 19:26:00 -
344:
『・・・・なぁアイリ』
----次に口を開いたのは、豆の横に静かに座っていた隆介だった。
『隆介、勘違いせんとってな!!アイリなんもしてへんから!!アイリ、隆介に嘘なんかついてへんから!!』
----まるで言葉を被せる様に、アイリは急いでペラペラと口を動かす。2005-12-30 19:30:00 -
345:
『アイリ、騙されたねん。ほんまやで!!この人に騙されだけやねん!!』
━━━言葉はどれも全く理解出来ず、眉をしかめる豆。
気にも止めず、いや、豆などあたかも存在しないかの様にアイリのヒジキは隆介を見つめていた。
・・・・・・・・すがるような弱々しい目で。2005-12-30 19:34:00 -
346:
『アイリ、もーいーねん。もーいーから。』
----隆介は、体を前に少し出して向かい合うアイリにまるで子供をあやす様に話し出した。
アイリは隆介を見つめたまま、今にも涙を落としそうに座っている。
豆は、隆介の背中と一緒に視界に写った、アイリを黙って見つめる。2005-12-30 19:42:00 -
348:
『だって…だっ……てなァァ・・・あたッッあたし…』
----勢いの灯火こそ消えたアイリは、さっきとはまるで別人の様に弱々しく、啜り泣きながら口を開いた。
隆介はいつもと変わらず、優しい目で真っ直ぐに向き合ったアイリを見つめる2005-12-31 02:41:00 -
349:
キ───────ンッ
シュボッッ・・・・
アイリの啜り泣く声を聞きながら口にする煙草は、いつになく苦かった。
----世界の時間は止まってしまったのか、もしくはこの異様な空間のみぞ時間が流れていないかの様に、静かである。2005-12-31 02:47:00 -
350:
『……あたしな、この人の店にたまたまキャッチされて行ってん。』
----ゆっくりと話し出したアイリは、コウタを指してまたすぐに俯いた。
『…隆介と別れてから、何も手につかんくて、ホスト行き荒らしとってん。』2005-12-31 02:51:00