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僕等がいた。
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1:
奈津美
まだ17才だったあの頃
そこには確かに
僕等がいた。2005-05-17 15:34:00 -
161:
奈津美
幸せな時間は一瞬でしかなかった。近づき始める黒い闇が私たちを誘い出した。
2005-05-20 22:40:00 -
162:
奈津美
深い闇に閉じ込められたように手探りで探してみても悪夢は覚めない。覚めないのは、夢じゃなく現実だからだった。
僕等はいつまでも永遠だよと・・・抱きしめ合うことでしか確認する事ができずにいた。
不器用な手と指で守りぬこうとただ震えながら守ったつもりでいた・・・2005-05-21 01:52:00 -
163:
奈津美
第9話
「命」2005-05-21 01:53:00 -
164:
奈津美
奈津美「神田には」由美子「言ってへん・・・奈津美・・どうしよ・・・」トイレの床にしゃがみ込んで由美子は頭を抱えた。奈津美「生むん?」由美子「どうしよう・・・怖い怖いよぉっ」由美子が私の腕を握った。私は由美子を抱きしめた。
奈津美「とにかく考えなあかん!とにかくここでじたばたしてもしゃあない」由美子は震えながらもうなずいた。奈津美「とにかく教室もどろ」2005-05-21 01:58:00 -
165:
奈津美
由美子「奈津美ぃ・・・あたし怖いよ・・・やだっやだっ・・・」由美子は泣き出した。奈津美「あたしそばにおるから!どんな時だってあんたの手はなさんから!」由美子「奈津美ぃ奈津美ぃ」
2005-05-21 02:03:00 -
166:
奈津美
教室に戻ると真っ青な顔色をしてる由美子に気付いたのは神田だった。由美子はただうつむいて席に着いた。私は体調が悪いからだと嘘を付いた。由美子は弁当を食べなかった。私もあまり食べる気がしなかった。由美子の事を考えると泣きそうになった・・・。
2005-05-21 03:00:00 -
167:
奈津美
神田は結局戻って来ないまま学校が終わった。海「何かあったのかなぁ?」私は何となくわかった。 奈津美「あたし、今日は帰るね」そう言って教室を出てそのまま由美子の家に行った。
家に行くと誰も出てこなかった。奈津美「まさか・・・」走って近くの産婦人科に行った。
産婦人科の前で由美子のおじさんともう一人おじさんがいた。奈津美「おじさん・・・」
おじさん「奈津美ちゃん!」何も言わず走って病院に入った。患者さんは誰もいないしずかな所だった。スリッパに履き変えて中に入ると受付の看護婦さんが私に声をかけた。2005-05-21 03:17:00 -
168:
奈津美
「奈津美ちゃん?」振り向くとトイレから由美子のおばさんが出てきた。目が真っ赤だった。奈津美「・・・由美子は?」おばさん「・・・知ってたの?・・・」奈津美「・・・はい・・・」おばさん「さっき終わったところで今麻酔で眠ってるわ・・・神田君が付き添ってるから・・・」
ドクン・・ドクン・・
頭が真っ白になった。
おばさん「・・仕方がないもんねぇ・・おばさん分かってるねんけど・・神田君攻め過ぎてもて・・」おばさんは泣き出した。おばさん「ひたすら謝ってきてねぇ・・神田君だけが悪いわけじゃないのに・・・」
涙がこみあげてきた。奈津美「おばさん泣かないで・・・」おばさんの肩をさすった。2005-05-21 03:26:00 -
169:
奈津美
おばさんから今日は帰ってといわれ、私は産婦人科を出た。
おじさんの姿は目にはいったが声をかけれなかった。2005-05-21 03:30:00 -
170:
奈津美
奈津美「一緒にいるって・・約束したのに・・・由美子のそばに・・・いる事ができなかった・・・できなかった」海「何があったんだよ?!言えよ?!」奈津美「・・・あたしっ・・・あたし・・・」海「俺ら友達なんだろ?!痛み分け合って差さえ合っていかなきゃだめなんだろ?!お前が言ったんだよ!俺の痛みはお前の痛みでもあるって!」
2005-05-21 03:49:00