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Anytime I believe your smile
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1:
なち ◆IWSq4hWLgI
みんなの笑顔が大好きだ。その笑顔が消えてしまうことや、その笑顔の裏側を知ることになろうとは予測もしなかった。
人ってそうゆう生きものってことを忘れ人を信じてきた。
今のあたしは人の笑顔が恐い2006-02-07 22:22:00 -
2:
なち ◆IWSq4hWLgI
「なち、なちが幼稚園の頃、園長先生に“この子は世渡り上手になりますよ。人によって顔を使い分けてる”って言われたことがある。」
あたしは明かりの消えた部屋で小さなタバコの火を眺めながら母親に聞かされた言葉を思い出していた。2006-02-07 22:28:00 -
3:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは八方美人。周りに合わせて言葉を選び、常に人の下に立つ事で自分を守ってきた。その事でたくさん傷ついたけど、それがあたしの生き方だった。
2006-02-07 22:30:00 -
4:
なち ◆IWSq4hWLgI
小学生の頃、幼なじみの幸奈(ユキナ)、仁美(ヒトミ)と仲が良かった。
幸奈は気が弱く自分の意見をはっきりと言えない子で母親は過保護。何かあるとすぐ泣いて母親に報告し、母親は飛んで来る。
幸奈はあたしより下の立場であたしと平等な恵(メグミ)の間を行ったり来たりしていた。あたしはよく恵と衝突した2006-02-07 22:36:00 -
5:
なち ◆IWSq4hWLgI
仁美は気が強く、毎回喧嘩をしていた。でもいつも一緒だった。
仁美と二人でよく幸奈にちょっかい出してたなぁ。
小学5年。亜梨沙(アリサ)が輪に加わった。この時、幸奈は恵の方に居たので亜梨沙は幸奈の代わりだった。2006-02-07 22:42:00 -
6:
なち ◆IWSq4hWLgI
これから中学入学まであたしは亜梨沙をイジめたんだ。
亜梨沙、あんたとの出会いはタイミング悪かった。
あたしの家は兄貴と父、母の4人家族。父はサラリーマンをしながら兄貴の野球のコーチをしていた。お酒が大好きで毎日飲んでは説教から始まり暴力に発展、落ち着けば潰れていた。母は過保護で何事にも干渉してきた。パチンコ好きでいつも帰りが遅く、「妹やから。お兄ちゃんがこう言ってるでしょ!」が口癖だった。兄貴は親の期待もあり野球に没頭。女癖が悪く金使いも荒い。しかしごく一般家庭だった。2006-02-07 22:50:00 -
7:
なち ◆IWSq4hWLgI
「今からおばあちゃんち行くから!」母の声に起こされたあたしは小学に「法事で…」と欠席連絡をする母の言葉に(なぁんや、法事かぁ)としか思ってなかった。
おばあちゃんちは親戚も住んでいて親戚の家族もあたしの家族構成と同じだった。あたしはおじさんが大好きだった。2006-02-07 22:54:00 -
8:
なち ◆IWSq4hWLgI
車に乗り込んだあたしは変な感じがした。小学生ながら嫌な予感を察知していた。そして、その予感は的中した。
おばあちゃんちに着いて母、父、おばあちゃん、おじさん、おばさんが何やら話し込みはじめた。退屈なあたしは兄貴にちょっかいを出す。あたしは楽しかった。久しぶりに親戚にも会って楽しかったんだ。2006-02-07 22:58:00 -
9:
なち ◆IWSq4hWLgI
そして夜、我が家に帰るなり夫婦喧嘩勃発!いきなりの事で戸惑うあたしを理由を理解している兄貴は自分の部屋に連れて行き静かに口を開いた。
「なち?なちはお父さんとお母さんどっちが好き?」『お母さん』素直な気持ちだった。酔った父しか印象に無いあたしは父が大嫌いだった。2006-02-07 23:02:00 -
10:
なち ◆IWSq4hWLgI
「そっか。もしもお父さんがおらんくなったら二人でお母さんを助けような?」 『お父さん…おらんくなるん?』 「お父さんな、借金あるねんて。」 『借…金?』あたしには一気に全てを理解する事は簡単だった。
その後、何を話したかは覚えてないが、翌朝兄貴の布団で目が覚めた2006-02-07 23:07:00 -
11:
なち ◆IWSq4hWLgI
(学…校)あたしは体を起こした。(??!)天井がぐるっと回りベッドから床に落ちた。あの時のことは鮮明に覚えている。
ドターンッッッ!!物凄い音にびっくりして母親が飛んできた。
「なち!なち!な…!…ち!な……!………!」母の声がどんどん遠ざかっていく。2006-02-07 23:11:00 -
12:
なち ◆IWSq4hWLgI
「あんた!丸1日も起きやんかってんよ?!」そう、あたしの見た明るい空は1日後の朝だった。医者によると精神的なショックを受け入れきれなかったのでしょう、とゆうことだった。検査は何とも無いので自宅療養となった。家に帰ってその晩、あたしは食欲を無くしベッドから起き上がる事が出来なくなっていた。トイレは母親に担がれた。これこそ無気力だったのかなと思う。
2006-02-07 23:23:00 -
13:
なち ◆IWSq4hWLgI
頭が痛い、吐き気がする。平熱だがだるかった。寝込んでるのに夫婦喧嘩の声が響いていた。
3日目の夜、父が部屋にきた。あたしは無意識に父に寝たフリをした。部屋の明かりを付け、あたしを起こした父。そしていきなり父はあたしに土下座をした。自分のせいでなちをこんなに苦しめていると謝る父の声は震えていた。そしてあたしの頬にも涙が流れた。話し合いの結果、おじさんの家は離婚、あたしの家は保留となった。穏やかな生活が戻ったがあたしは毎年正月におじさんに会える楽しみを奪われた。2006-02-07 23:30:00 -
14:
なち ◆IWSq4hWLgI
父の帰宅後、あたしは決まって『お帰りなさい』と言い、傍に寄る。(また酒の匂い…)そして寝静まった頃に起きだしてガレージに行き父の車の中を覗く。(また日本酒…)あたしはあの父が謝るとき「酒をやめる」と言ったことが信用しきれなかった。(あのお父さんが辞めれるわけない)確信していた
2006-02-07 23:33:00 -
15:
なち ◆IWSq4hWLgI
母は前にも増してパチンコに行きラストまで帰って来なかった。「ストレス溜まるのよ!」母はよく言ってた。
兄貴は野球で毎晩遅くなり、あたしはいつも一人だった
淋しいとか言わない。お父さんの事も言わない。何も言わない。あたしは自分の部屋に居る時間が増えた2006-02-07 23:37:00 -
16:
なち ◆IWSq4hWLgI
溜りに溜まった欝憤が爆発した。その相手が亜梨沙だった。
幸奈は放ってた。亜梨沙も幸奈と同じ様に恵の間を行ったり来たりし始めた。最初は笑ってた。ある日、恵にあたしの秘密をバラした事が発覚。あたしは切れた…学校のトイレであたしは産まれて初めて人を殴った。亜梨沙の顔面にパンチが入る。亜梨沙は鼻血を流しながら必死に謝り続けた。そんな亜梨沙を見ていると余計にイライラした。2006-02-07 23:42:00 -
17:
なち ◆IWSq4hWLgI
その日から本格的ないじめがスタート。パシリ、カツアゲ…毎日一緒にいた。亜梨沙、あんたにとって毎日が地獄やったやろうなぁ。あたしは気付いてたんよ。でも止まれへんかった。罪悪感が一層あたしを止まらせてくれへんかった。
2006-02-07 23:45:00 -
18:
なち ◆IWSq4hWLgI
小学6年の冬。仁美と仲良しの亜由美(アユミ)に告られた。あたしは基本バイやから偏見は無かったが付き合うことはなかった。
しかし、亜由美によってあたしのファーストキスは奪われた…らしい(眠っていたので記憶なし)2006-02-07 23:48:00 -
19:
なち ◆IWSq4hWLgI
春休み、亜梨沙と連絡が取れない日々が続いた。中学に入る目前、あたしは亜梨沙に切られた。
中学に入り幸奈と同じクラスになり、幸奈と行動するようになった。
吹奏楽入部。幸奈はフルート、あたしはドラムやった。一年の冬、同じクラスの樋野にバスケ部に誘われた。ここからがあたしの人生が狂った部分。2006-02-07 23:56:00 -
20:
なち ◆IWSq4hWLgI
バスケ部に入ってからを書く前に…
亜梨沙、本間にごめんなさい。ずっと苦しかったと思う。色んな手を試してあの後、亜梨沙のメアド調べてん。架空の人物で亜梨沙に間違いメールしたよな。あれ、なちって気付いてたやろ?「怒ってないから許すとかはないけどもう関わることもない」って言ってたよな。当然の言葉やと思う。長い間、ほんまにごめんなさい。2006-02-08 00:01:00 -
21:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしはバスケ部に入って、先輩に媚を売った。チームメートで一番気の強い綾乃(アヤノ)、綾乃にくっついて気の強い亀(カメ)ちゃんにも媚を売った。
キャプテンで頭が良く気の強い猪崎(イザキ)、頭が一番良くとてもスポーツ部をしそうにない井上、そして樋野、最後にあたしの大好きだった可愛い優しい智美(サトミ)。この時の自分は輝いていた。毎日が楽しかった。あたしは智美と大親友になった2006-02-08 00:09:00 -
22:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは智美が大好きだった。毎日一緒に居た。試合も遊びもいつも一緒
それはLIKEじゃなくLOVEだった。
あたしは関係を壊すのが嫌で何も言わなかった。手を繋いで歩くだけで幸せだったから2006-02-08 00:11:00 -
23:
なち ◆IWSq4hWLgI
中2の冬、キャプテンにあたしは告られた。智美が大事だった。智美が大好きで全てだった。あたしは智美を選んだ。
そして中3の夏、忘れもしない7/29。とても暑い日だった。みんなより出遅れたあたしはスタメンとなっていた。あたしは智美といつものように試合会場に向かっていた。2006-02-08 00:15:00 -
24:
なち ◆IWSq4hWLgI
この日、あたしは幸せだった
この後に起こることがあたしの人生に大きく影響するなんて想像も付かなかった2006-02-08 00:17:00 -
25:
なち ◆IWSq4hWLgI
智美、あんたはいつもあたしに笑顔をくれた。
ほんまに大好きだった
あたしに勇気があれば何か変わってたかも知れへん2006-02-08 00:19:00 -
26:
なち ◆IWSq4hWLgI
智美、卒業式の日にくれた手紙まだ置いてるよ。
あたしがあんたに書いた『本間は好きやった。でも関係壊したくなくて言われへんかってん。ごめんな』ってゆうのに対して「何で早く言ってくれへんかったん?ばか!あたしもなちが好きやった」って返してくれたなぁ。本間に後悔したし自分を恨んだ。昔に戻りたくても、もう過ぎたこと。
お互い言ったよな?《幸せになってな!》あんたは今幸せなん?久しぶりに街で会ったら彼氏おるって言ってたな。智美はめっちゃ可愛いからモテるわ!2006-02-08 00:25:00 -
27:
なち ◆IWSq4hWLgI
今でも幸せになって欲しいって願ってる
なあ、最後ばいばいって言った時、お互い笑顔やったけど正直笑われへんかった。勝手でごめんな。あんたは本気で笑えてた?
いつかまた街で会ったら幸せって心底笑える二人でありたいな!2006-02-08 00:31:00 -
28:
なち ◆IWSq4hWLgI
接続悪いので今日は終わります???
2006-02-08 00:33:00 -
29:
名無しさん
華原朋美
2006-02-08 04:51:00 -
30:
なち ◆IWSq4hWLgI
7/29、試合会場に入った。あたしには他校のキャプテンで憧れの人が居た。猪崎がたまたま友達だったのもあり話す機会があった。見た目と違い、冷めた言葉を投げ掛けられたあたしは落ち込んでいた
2006-02-08 14:52:00 -
31:
なち ◆IWSq4hWLgI
「あいつはああゆう奴やから気にしやんでいいよ」
笑いながら話し掛けてきた。それが瞳美(ヒトミ)だった。
瞳美は少しぽっちゃりで髪を立て左耳にボディピ用の大きめな穴が開いていた2006-02-08 14:56:00 -
32:
なち ◆IWSq4hWLgI
瞳美に出会い、あたしはすごく幸せだったよ
毎日が楽しかった
毎日素直に笑っていた
あの日が来るまで2006-02-08 15:02:00 -
33:
なち ◆IWSq4hWLgI
チームメートに交ざりセンターに立つ瞳美はまるで男の子のように見える
(かっこいい子やなぁ)
あたしは感心しながら見ていた
試合はあたしたちは完敗、瞳美のとこは優勝した2006-02-08 15:10:00 -
34:
なち ◆IWSq4hWLgI
『おめでとう!』あたしは笑顔で瞳美に駆け寄った
瞳美はブロックのオールスターに選ばれるほどの力がある。
あたしはその日から瞳美にべったりだった
智美の気持ちも知らないで2006-02-08 15:39:00 -
35:
なち ◆IWSq4hWLgI
何日か試合が続いた。
その度、あたしは瞳美と一緒に居て帰りは一緒に帰った
8/5あたしは初めて瞳美と遊んだ。某グループの野外コンサートへ行った。
人込みに紛れそうなあたしを瞳美の手が引っ張る
「ほんま頼りないなぁ。ちゃんと捕まっときや」手を繋いで瞳美が笑う2006-02-08 15:50:00 -
36:
なち ◆IWSq4hWLgI
初めてプリクラを撮った。《瞳美 なち 仲良し》
家に帰ってプリクラをノートに張り付けた2006-02-08 15:51:00 -
37:
なち ◆IWSq4hWLgI
それから一週間、メールのやりとりで過ごした。
8/13、瞳美と会い自転車でぶらぶらしていた。
「あのさぁ。」瞳美が真っすぐ前を見ながら言う。 『ん?』 「好きな人おる?」 『へ?いや…うん』曖昧な返事に対して瞳美はあたしの方を見て苦笑いした。
あたしは、いつも好きという言葉が出ない。2006-02-08 16:08:00 -
38:
なち ◆IWSq4hWLgI
「もしも、自分がなちを好きって言うたらどうする?」 『びっくりする』 「そりゃそうやわな」
瞳美は前に米屋の子を好きだと言っていた。あたしは瞳美の言葉を深く考えなかった2006-02-08 16:11:00 -
39:
なち ◆IWSq4hWLgI
「なち?好きやで?」 『うん。ありがと』笑いながら答えた。二人の間に沈黙が流れた
「なち、付き合って?」瞳美の言葉で目を丸くしたあたしに「冗談とかで言わんよ。本間に好きや。その辺の男より幸せにするから」 『本間に?うん。あたしも好きやねん。』 「まじで?!めっちゃ嬉しいやんけ!」 『記念にプリクラ撮ろうよ』
この日から智美とのプリクラがたくさんのノートが瞳美で埋まって行った。疎遠になった智美との距離がまた大きく開いてしまった2006-02-08 16:19:00 -
40:
なち ◆IWSq4hWLgI
毎日瞳美と電話で長電話、メールのやり取りをした。幸せだった。恐いぐらいに…
そんな幸せが長く続くわけが無かった。ある日、事件が起こった
些細なことから瞳美と会うことを禁じられた。あたしは泣いた。これでもかとゆうぐらいに狂い泣きまくった。2006-02-08 16:23:00 -
41:
なち ◆IWSq4hWLgI
─コツッ─
窓に何か堅いものが当たった。
(??)気のせいだと思い込み無視した
─ゴンッ!─
さすがにびっくりして窓を開けた2006-02-08 16:26:00 -
42:
なち ◆IWSq4hWLgI
外はうんざりするぐらい横振りの大雨
憂欝な暗い空
気温は下がり、道を歩く人が見当たらない
ただぽつんと一人立っていた。2006-02-08 16:29:00 -
43:
なち ◆IWSq4hWLgI
傘もささずに立っていた
傍らには折り畳み自転車。
片道45分の距離を飛ばして、瞳美はあたしの家の前に居た
「やーっぱりな!絶対泣いてると思ったわ」瞳美はびしょびしょになりながら笑いながら言った2006-02-08 16:32:00 -
44:
なち ◆IWSq4hWLgI
「何となく泣いてるなって思ってさ。おまえの電波届いたわ」
信じられない。これは夢?あたしは直ぐ様、瞳美を部屋に入れた。
ナイスタイミング!両親共に留守だった2006-02-08 16:36:00 -
45:
名無しさん
うわー…?感動?
2006-02-08 17:09:00 -
46:
なち ◆IWSq4hWLgI
46さん、ありがとうございます???
2006-02-08 22:25:00 -
47:
なち ◆IWSq4hWLgI
受験当日、緊張しながらも二人で会場に向かった
休憩のときもずっと一緒にいた
それから合格発表まで生きた心地がしなかった2006-02-08 22:27:00 -
48:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしの学校からの受験者は一人も落ちることが無かった。あたしは自分の番号を見つけた途端、泣いた。
あの頃は、素直に泣けていた
しかしこの涙が後に悲しみに変わるとも知らず、あたしはこれから先もヒトミと一緒に居れることが嬉しくて幸せだった2006-02-08 22:30:00 -
49:
なち ◆IWSq4hWLgI
─中学校卒業式─
この日、ヒトミも卒業式だった。式が終わりみんなが公園で写真を撮る中、あたしはサトミと話していた2006-02-08 22:32:00 -
50:
なち ◆IWSq4hWLgI
「なちがうちから離れていくの気付いてた。すごく淋しかったけど、なちの幸せそうな顔見てたら何も言われへんかったわ」 『ごめんなあ。サトミの気持ち気付かんくて。でもな、本間に好きやってんで』 「あやまらんくていいよ。お陰で友達の大切さに気付いた。なちがうちから離れて淋しいときに、サトミ淋しいやろ?本間はなちとおりたいんやろ?って言ってくれて話しきいてくれる友達がおるのわかったから。」 『そっか』 「うちも好きやったで。お互いもっと早き伝えれてたらよかったな」 『…幸せなってな』 「なちも!ヒトミに幸せにしてもらいや!」
2006-02-08 22:38:00 -
51:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしはサトミの言葉を胸に駅へ向かった。
行き先はヒトミの所
いつも公園の山になってるうえのほうからヒトミの姿を探す
(あ!居た!)あたしはヒトミの姿を見つけると勢い良く山を駆け下りる2006-02-08 22:41:00 -
52:
なち ◆IWSq4hWLgI
晴れて卒業したあたし達はこれから自由に会うことができる
明日が楽しみ。明後日も楽しみ。未来がとても楽しみ。あれしてこれして…夢物語があたしの中で広がっていた2006-02-08 22:43:00 -
53:
なち ◆IWSq4hWLgI
自転車置場に止めて、手をつないで教室に向かう。あたしたちは全学年で話題となった。幸いにも茶化すものも居ない。あたしたちは教師・生徒共に公認になった
2006-02-08 22:50:00 -
54:
なち ◆IWSq4hWLgI
休み時間、お昼は一緒。クラスはバラバラだったけどずっと一緒に居た。
学校が楽しかった。毎日が楽しかった。
楽しかったんよ2006-02-08 22:52:00 -
55:
なち ◆IWSq4hWLgI
6月、体育祭の準備が始まった。ヒトミは体育祭実行員だった。
この時から歯車がズレ始めていたんだ
気付かなかったよ。ううん、気付かないようにしてたのかな?2006-02-08 22:55:00 -
57:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしはこの時、ヒトミとあたし、そしてヒトミのクラスを入れて17人〜19人で行動していた。マトコ・リサ・ユリア・コトミ・アサミ・ミカが慕われていた。
2006-02-08 22:58:00 -
58:
なち ◆IWSq4hWLgI
お互い応援団の練習とあたしはプラス、バイトもあって忙しかった。
でもね、あたしさぁどんなに忙しい時もヒトミを忘れたことなかったよ。ヒトミが居たから頑張れた。ヒトミがあたしの全てやから2006-02-08 23:00:00 -
59:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしね、ヒトミの心が離れていくの知ってた。マトコが好きなのも知ってた。
でも聞けなかった。聞いちゃダメだって、聞いたら終わってしまうって…あたしちゃんと笑えてた?2006-02-08 23:02:00 -
60:
なち ◆IWSq4hWLgI
そして9月。今度は文化祭の準備に差し掛かった。ヒトミは行事ごとになると先頭に立って動く人だった。
また会えない日々。前は我慢できたのに今回ばかりは不安だった。2006-02-08 23:05:00 -
61:
なち ◆IWSq4hWLgI
その不安が的中してしまった。
忘れもしない、9/2。
文化祭準備期間のため、学校は昼までで久しぶりに一緒に帰る約束だった。
でも、文化祭の会議でヒトミは残ることになりあたしは一人で家に帰り連絡を待った。
電話とにらめっこ…こうゆう時の時間は経つのが遅い2006-02-08 23:09:00 -
62:
なち ◆IWSq4hWLgI
─プルルッ─
きたぁ!
内容は、父親の手伝いのため、今日は行けない。だった2006-02-08 23:11:00 -
63:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは責めた。久しぶりに会える楽しみが崩れ悲しみが言葉として溢れ出て止まらなかった
「地下鉄やから」その一言により電話は切られ、電源を落とされていた2006-02-08 23:13:00 -
64:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしが悪かったのかな?あの時、あたしの聞き分けさえ良ければ何か変わってたのかな?ううん、きっと遅くなってもヒトミはあたしから離れてたよね
2006-02-08 23:14:00 -
65:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしはユリアに電話をした
『ユリア?今何してる?』 「カラオケおるよ?」 『ヒトミもおるん?』
「ううん。なちの家に行くからって急いで帰ったよ?でしたん?来てないの?」 『うん』 「おかしいなぁ。終わったのだいぶ前やし着いてるはずやで」 『ありがとう、ごめんな』2006-02-08 23:18:00 -
66:
なち ◆IWSq4hWLgI
電話を切り、あたしはマトコに電話した。
呼び出しはなるけど出ない。
次にヒトミの家に電話した2006-02-08 23:19:00 -
67:
なち ◆IWSq4hWLgI
なんと、お父さんが出た
『あのヒトミは…』 「さぁ?まだ学校から帰ってないみたいやわぁ」
これでヒトミの嘘がわかった
あたしは放心した。それから5時間、何をしたか覚えてないがバイトがあるので渋々出勤。仕事が手に付かずだらだらと退社時間を迎えた2006-02-08 23:21:00 -
68:
なち ◆IWSq4hWLgI
帰りの自転車であたしはもう一度ヒトミにでんわをした
─プルルッ─ つながった!2006-02-08 23:22:00 -
69:
なち ◆IWSq4hWLgI
「はい?」後ろが騒がしい。まだ外だとわかった
『今どこ?何してるん?』なるべく冷静にゆっくりと話した
「おとんの仕事手伝ってるよ」 『嘘やろ?さっき家に電話したらおっちゃん知らん言うてた。』 「友達と遊んでた」 『何で隠すんよ?何で嘘つくん?』 「なちが怒るから…」 『久しぶりに会うねんで?あたしがどんな気持ちで待ってたと思うん?!誰とおんねん!』あたしはキレた。2006-02-08 23:28:00 -
70:
なち ◆IWSq4hWLgI
接続悪いので、今日はここまでです??
2006-02-08 23:29:00 -
71:
なち ◆IWSq4hWLgI
59さん、アンカーありがとうございます???
2006-02-08 23:34:00 -
72:
なち ◆IWSq4hWLgI
接続が良くなったのでまた書き始めます(*・∀・*)?
2006-02-08 23:35:00 -
73:
なち ◆IWSq4hWLgI
「誰でもいいやん」ヒトミの言葉に怒りがヒートアップした。
『良くないやろが!誰とおるんか言えや!どうせマトコやろが!?』言いたくない、聞きたくない固有名詞を出してしまった2006-02-08 23:37:00 -
74:
なち ◆IWSq4hWLgI
「そうやで。マトコとマトコの地元におる」 『何やねんそれ?あたしとの約束は破ってマトコとおるってどうゆうことやねん!?』 あたしは怒りや悲しみでどうしようもない気持ちをぶつけることしか出来なかった
2006-02-08 23:40:00 -
75:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしはね、きみの一番になりたかった
あたしとの約束よりマトコを選ばれた時、あたしには独りぼっちになった虚しさが押し寄せてきた。一気に真っ暗な暗やみに突き落とされたような…2006-02-08 23:42:00 -
76:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしが責めたから、結果ヒトミの口から一番聞きたくない言葉を聞かされた
「マトコが好きやねん。もう、なちのこと好きじゃないねん。だから別れてや」
あたしは何が起こったか分からなくなった。暗闇の中、何も見えない、何も聞こえない、地面の感覚も夜風も、あたしに伝わらなかった2006-02-08 23:47:00 -
77:
なち ◆IWSq4hWLgI
「聞こえてる?」ヒトミの言葉で我に返った。と、急に涙がこぼれた。脳が痺れてるみたいで体が震えていたのをハッキリ覚えている
『……や。嫌や!何で?嫌なとこ治すから!本間に嫌や!あたしにはヒトミしかおらんねん!』泣き叫んだ。しかしその叫びが伝わることはなかった
「もう無理やから。嫌なとこはないねん。ただ好きじゃなくなっただけ」
ヒトミはいつもあたしを責めたりしない。この時もそう言って「ばいばい」と電話を切られた。2006-02-08 23:52:00 -
78:
なち ◆IWSq4hWLgI
『ヒトミぃぃぃ!嫌やぁぁぁ!あ"ぁ"ぁ"ぁ"ッッッ!』
その日どう帰ったのか、いつ眠ったのかわからない。
翌朝、あたしはまだ状況を把握できないでいた2006-02-08 23:55:00 -
79:
なち ◆IWSq4hWLgI
本間に大事な人を失って、あたしは自分が起きてるのかすら分からない。水を触っても感覚がない、親と話しても会話が曖昧で自分が第三者として遠くから自分を見ている感覚だった
2006-02-08 23:57:00 -
80:
なち ◆IWSq4hWLgI
人は【心の場所は?】と聞かれると胸を指す。本来ならば脳が全て指令を出し、胸はいわゆる心臓で血液を送る働きしかしないので感情のコントロールは出来ない。つまり頭を指すのが正しい。
しかし、この時あたしは確かに心は胸にあると感じた。胸の奥がそわそわして締め付けられて苦しかった2006-02-09 00:01:00 -
82:
なち ◆IWSq4hWLgI
そしてさらに、登校したあたさを待ち受けていたもの、それは目の前でバスから降りてくるヒトミとマトコの姿だった。
不思議なもので、この時その光景を目にしても辛くなかった。あたしの感情は壊れていた2006-02-09 00:03:00 -
83:
なち ◆IWSq4hWLgI
教室に入るなり、あたしはトイレへ向かった。頻繁にトイレへ行けばヒトミのクラスの前を通るから
この日も昼までの授業だった。あたしはヒトミとちゃんと話がしたかった。その気持ちだけでヒトミのクラスに足を運んだ2006-02-09 00:06:00 -
84:
なち ◆IWSq4hWLgI
ユリアが話す場を設けてくれた。しかしヒトミは拒んでいた。
『ちゃんと納得いくように話して?このまんまやったら苦しい。ヒトミはいいよ、好きな人が居るからあたしが居なくても幸せやん。あたしはヒトミしか居ない。ヒトミを好きなまま離れて、あたしはこの気持ちをぶつけるとこがないねん』あたしはヒトミに訴えた2006-02-09 00:09:00 -
85:
なち ◆IWSq4hWLgI
それを遮断したのはマトコやった。
「本間見ててネチネチうっとおしい。ヒトミが別れる言うてるのわからんの?ほんまうざいねん!お前、ミカにあたしの文句言うてたらしいなぁ!」
あたしは意味が分からなかった。「あたしを腹立つって言うたんやろ!」確かにミカに『たぶんヒトミはマトコが好きやわ。あたしはずっとヒトミが好きやったのに後から出てきて…腹立つわ』とこぼしていた。それにアレンジを加えてマトコに伝えていた2006-02-09 00:14:00 -
86:
なち ◆IWSq4hWLgI
「腹立つんやったら二度とクラス来るなや!帰れや!学校も来るな!きしょい」
そう言うとマトコはあたしを押し出し教室のドアを勢い良く閉めた
中からは《あははは!》と笑い声が響いてきた2006-02-09 00:17:00 -
87:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは自分のクラスに戻り教卓の上にあったカッターを握り締めトイレに走った。途中涙が止まらなかった
個室に入り無意識に左手首を切り付けた。何度も何度も切った2006-02-09 00:19:00 -
88:
なち ◆IWSq4hWLgI
無知なあたしは手首を切れば死ねると思ってた。
【ドンドンッ】「なち!?」ユリアの声がした。開けるとユリアが立っていた
「何してんの!?保健室行こう!」 『いい…』 「あかん!こんなに血が出てるやん」 『いいねん!死にたいねん!ヒトミがおらんくなるなら死んだ方がマシやねん。』
【バシッ】ユリアのビンタが飛んできた。痛くなかった。ユリアを見ると泣いていた。2006-02-09 00:24:00 -
89:
なち ◆IWSq4hWLgI
泣きたいのはこっちやわ…
自然に涙は止まっていた2006-02-09 00:25:00 -
90:
なち ◆IWSq4hWLgI
ヒトミ、あんたがあたしに歌った唄。
ポルノグラフィティのアゲハ蝶は今聞いても泣ける。
会えただけで良かったのに愛されたいと願ってしまったね2006-02-09 00:27:00 -
91:
なち ◆IWSq4hWLgI
間違った恋愛やったかも知らん。けど本気で愛してた。愛することを教えてくれた、でも裏切りや失恋も教えてくれた。これがあたしのリストカットの始まりやった
あの日以来、あたしは本間の恋愛は出来やん。人を疑うようになった。素直じゃなくなった。
2006-02-09 00:30:00 -
92:
なち ◆IWSq4hWLgI
あんなに楽しかった学校が一日で大嫌いになった。最初は仮病で休みがちやったのが本格的に行かんくなった。
なち、引きこもり生活スタート2006-02-09 00:31:00 -
93:
なち ◆IWSq4hWLgI
今日はここまでです???
2006-02-09 00:32:00 -
94:
なち ◆IWSq4hWLgI
84さん、アンカーレスありがとうございます???
2006-02-09 00:37:00 -
95:
名無しさん
読んでるよ☆
2006-02-09 01:17:00 -
97:
なち ◆IWSq4hWLgI
98さん、ありがとうございます???ぜひ最後までお付き合いください??
99さん、アンカーレスありがとうございます???2006-02-09 01:28:00 -
98:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは毎日アゲハ蝶を聴いていたなぁ。飽きることもなく泣いて過ごした日々
いつも一緒で終わることなんて夢にも思ってなくて…案外、終止符って簡単に打てるものやってんな。
片割れを無くした気分ですごく淋しかった。膨大な喪失感に襲われて胸の辺りがスースーした。
まるでこの世界に自分一人になったような孤独さ、全ての生きものに見離された気分にまでなった2006-02-09 16:00:00 -
99:
なち ◆IWSq4hWLgI
ひらりひらりと舞い遊ぶように姿見せたあなた。あれは暑い夏だったね。
あなたに会えた、それだけで良かった、それだけであたしの世界は光に満ち溢れていた。夢で会えるだけで良かったのに愛されたいと願ってしまった瞬間、世界が変わった。
あなたが言の葉に込めた意味をついに知ることは無かった。もしこれが戯曲だったのならなんてひどいストーリーだろう?進むことも戻ることも出来ずにただ一人立ち尽くすだけだった。
あなたが望むのならこの身などいつでも差し出すよ?降り注ぐ火の粉の盾にでも何でもなる。だからただそこに一握り残ったあたしの想いを救い上げて心の隅に置いて
あなたが揺らぐその景色の向こう、近づくことは出来ない。でも、出来たら愛してください。たまにはあたしの肩で羽を休めてよ。2006-02-09 16:28:00 -
100:
なち ◆IWSq4hWLgI
学校に行くとなれば遅刻・早退は当たり前。休むとなればずっとパソコンをいじっていた。
この頃、もう亡くなられていた【南条】とゆうネットアイドルに憧れていた。
Coccoをスキになったのも南条のお陰だった2006-02-09 16:32:00 -
101:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしはCoccoのRainningを聴いてすぐに心を打たれた
それはとても晴れた日で未来なんていらないと思ってた。私は無力で言葉を選べずに帰り道の匂いだけ優しかった、生きていける…そんな気がしていた。教室で誰かが笑ってた。それはとても晴れた日で…
腕を切ってみた。温かさを感じた血に塗れた腕で踊っていたんだ。あなたはもう居なくてそこには何もなくて太陽眩しかった。泣くことさえ出来なくて……今日みたく雨ならきっと泣けてた2006-02-09 16:52:00 -
102:
名無しさん
南条って南条あやさんのことですか?『卒業式まで死にません』の。
2006-02-09 17:47:00 -
103:
なち ◆IWSq4hWLgI
105さん、お問い合わせありがとうございます?
そうですよ?99年3月に亡くなられ、お父さまと婚約者様によって【卒業式まで死にません】が出版されました2006-02-09 17:50:00 -
104:
なち ◆IWSq4hWLgI
南条はリストカットや大量服薬をしていた。しかし日記の文面は非常に明るく鬱など感じさせないものだった。それが南条の人気だった。私はPCで南条のHPに飛び、BGMカノンを聴きながらひたすら何度も日記を読み、時には自殺系サイトやメンタルサイトを閲覧し1年で色んな知識を頭にたたき込んだ。ヒトミが居なくなりあたしの心の拠り所はこの世に居なくなった無機質な画面のなかに人気を集める南条になっていた
2006-02-09 17:55:00 -
105:
なち ◆IWSq4hWLgI
腕に伸縮包帯を巻き付けて欠陥を浮き上がらせ、剃刀を突き刺し、一気に引く。
【ブチンッ】とゆう鈍い音に続き【ビュワッ!】と血が吹き出る。大げさに聞こえるかもしれないが本当に真上に吹き上がるのだった。それを眺めて、500ペットボトルに貯めていた。2006-02-09 17:59:00 -
106:
なち ◆IWSq4hWLgI
この頃、さすがに毎日貧血で運動なんて出来たものじゃなかった。教室までの階段で息が切れ、耳のすぐ傍に心臓があるんじゃいなか?と思うぐらい【ドクンドクンッ】とゆう耳鳴りがした。トロトロ自転車を漕ぎモタモタ階段をあがり教室に入った頃には疲れ果ててぐったり。1限目開始10分でギブアップ、保健室で寝てから早退をする。そんなこんなで1・2限目の授業はどの教科も単位が危なかった
2006-02-09 18:04:00 -
107:
なち ◆IWSq4hWLgI
リストカットに平行してOD(オーバードーズ)。つまり薬の大量服薬もした。アナスイの財布を買ったことがある方はわかると思いますがその箱が閉まらないぐらいに薬をため込んだ
2006-02-09 18:06:00 -
108:
なち ◆IWSq4hWLgI
引きこもりをしていると当然ながら生活リズムが狂うため処方どおりに薬を飲むことが困難になる。いや、もう貯めるのが一つの趣味みたいなものになっていた。
2006-02-09 18:08:00 -
109:
なち ◆IWSq4hWLgI
この辺りの記憶が曖昧になっていて、ほとんど思い出せない中、はっきり思い出せる日。
この日は担任から電話があり、久しぶりに登校。
教室に入ったあたしへの目線はそれはもう冷たいものだった2006-02-09 18:15:00 -
110:
なち ◆IWSq4hWLgI
中央の自分の席に荷物を置くとおもむろにペットボトルに入れたお茶と薬箱を取り出した
本鈴5分前のことだった2006-02-09 18:17:00 -
111:
なち ◆IWSq4hWLgI
総合学科に通うあたしはその日、好きな科目を選択するとゆう時間割りなので本鈴5分前にもなると移動のため人が少なかった。
あたしは1限目に心理学の授業をとっていた。授業はスキだがどうも担当と気が合わないし隣の席の子は拒食でカリカリに痩せてていつもリストカットの傷やあたしの薬を見たがるので少し…いや、だいぶ病んだ2006-02-09 18:22:00 -
112:
なち ◆IWSq4hWLgI
あいにく、ヒトミとは全く授業が被らないので身が持った感じ。
憂欝の気分のまま、適当にポイポイッと薬を口に放り込みお茶で流し込んだ。そして本鈴が鳴ってからトロトロと移動をはじめる。2006-02-09 18:24:00 -
113:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは遅刻常習犯。しかぁし!診断書のお陰で厳しくされることは無かった。
「遅いぞー!」担当と目が合った。だるさを表にだしながら着席2006-02-09 18:26:00 -
114:
なち ◆IWSq4hWLgI
「なち!おまえこのまんまやったら卒業できひんぞ」あたしは顔を上げ担当を睨み、ふっと笑って『大丈夫。その時は辞めるから』
空気が止まった。焦ったように担当は出席を取りはじめる2006-02-09 18:29:00 -
115:
なち ◆IWSq4hWLgI
「おはよう!久しぶりやなあ」カリカリの子(以後、あっこ)が笑う。 『久しぶりぃ!』あたしとあっこは大声で話しハシャイだ。担当に注意されてもお構いなしだった
あたしは薬が回り思考は停止。酔っ払いみたいに舌が回らなくなり極度の眠気により担当とあっこに『寝るわぁ』と残し落ちた2006-02-09 18:33:00 -
116:
なち ◆IWSq4hWLgI
いや、本当に落ちた。
【ゴンッ】とゆう鈍い音と共におでこを机に打ち付けたが無反応で眠っていたとあっこから聞かされた
それから2限目は隣の部屋に移動。起こされて起きてふらふらよろよろと移動。天秤をつかってアロマを作る作業。実は天秤の使い方を知らないはず…ここから全く記憶が無いのであっこの証言をもとに書きます2006-02-09 18:37:00 -
117:
なち ◆IWSq4hWLgI
まず教室に入ったあたし。入ったことすら記憶に無いけど…
出された課題を着々とこなし、天秤を扱っていたとゆう。しかも『なち天秤やるわぁー』と率先して『あれ?あれ?!』と永遠天秤をいじっていたとゆう。そして疲れたのか飽きたのかまたもや爆睡。
エエェェ!!覚えてないし!!そう、完璧に健志を起こしていた2006-02-09 18:41:00 -
118:
なち ◆IWSq4hWLgI
授業が終わり、廊下に出た時に『保健室行ってくるわあ』とフラフラ消えたそうでここだけ記憶はありますがどうやって保健室に着いたかまではわかりません。ただ気付いたらベッドに寝ていて保健医と担任があたしに声をかけていた。親を呼んだらしい。ヘロヘロになりながらも焦りまくったがまた爆睡。
2006-02-09 18:44:00 -
119:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしを呼ぶ声がする。うるさくて目を覚ますと今度は両親が居た。
そこから記憶が戻ったのは日曜の夕方だった。
それまであたしは一度も目覚める事無く眠り続けていた2006-02-09 18:46:00 -
120:
なち ◆IWSq4hWLgI
服は着替えてある。
あたしは状況を把握できないでいた。とりあえずトイレに行きたかった。
すっきりしたところで親に会った。責められることより何より無言が一番つらかった2006-02-09 18:48:00 -
121:
なち ◆IWSq4hWLgI
気まずかったのであたしはすぐに部屋に戻り、自己嫌悪からまた腕を切った
そして薬……。
あれ?…薬……が…な…い…?2006-02-09 18:52:00 -
122:
なち ◆IWSq4hWLgI
少し休憩します?
2006-02-09 18:52:00 -
123:
なち ◆IWSq4hWLgI
肌身離さず持っていたはずの薬箱が無くなっていた。
何も疑わず親に詰めた2006-02-09 21:05:00 -
124:
なち ◆IWSq4hWLgI
『ちょおっ!なちの薬箱は?!』 「捨てたよ。全部!あと診察券も預かってるから」さらっと言われたその言葉にあたしはブチ切れた
2006-02-09 21:07:00 -
125:
なち ◆IWSq4hWLgI
とりあえずその辺にあるものを破壊しまくった。音に気付いた父親が慌てて飛んできた。
「何やってんねん?!」
『何やってんねんちゃうやろが!何、人の薬勝手に捨ててんねん!』 「おまえが変なことするからやろが!」 『おまえに何がわかんねん!?いつも世間体だけ押しつけやがって!どんだけ我慢したかわかってんのか?』 「何がやねん?!」 『なちがヒトミとおる時、おまえなんてゆった?気持ち悪いゆうたよな?家に連れてくんなゆうたよなあ?!みんなして否定しやがって!そんなにいらんねやったらなあ!消えたるわ!それでスッキリするんやろが!?』2006-02-09 21:14:00 -
126:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは自分の部屋に戻り隠していた剃刀で腕や足を切った。何ヶ所も切り刻んだ。途中から訳がわからんくなったけど気付いたら部屋が血だらけやった。
2006-02-09 21:25:00 -
127:
なち ◆IWSq4hWLgI
翌日、親が外出中に保険証を抜き取り3つの病院を回った。そして薬を見て満足していた
2006-02-09 21:26:00 -
128:
なち ◆IWSq4hWLgI
校内OD事件により、あたしは校長から「迷惑です、他の生徒に悪影響になります。しんどいなら学校辞めたらどうだ?」と言われた
あたしは鼻でフッと笑うと『お前みたいに朝礼でまともに話されへん奴に説教されたくないねん。噛まずに喋れてから文句言えや。みんな聞いてへんし長くてだるいだけやねん』と言ってやった。あの時の校長の顔をは忘れへん2006-02-09 21:31:00 -
129:
なち ◆IWSq4hWLgI
隣を見ると同じクラスで喋ったことのない子が立っていた
目を丸くして見つめるあたしに笑いながら
「この前、薬大量に飲んだやろ?すごいなあ!あっ、当日さぼろか!一緒に遊びにいく?」
あたしは人見知りなのでうまく話せないし断ったけど、アドレスは交換した
『連絡来ない人は削除していくクセあるから』あたしはいつもこう言う2006-02-09 21:39:00 -
130:
なち ◆IWSq4hWLgI
「え?消されるの?淋しいなぁ!嫌やから毎日うざいぐらい送るなぁ」
その言葉の通り、毎日連絡があり、次第に仲良くなった
これが、ユカとの出会いだった2006-02-09 21:41:00 -
131:
なち ◆IWSq4hWLgI
ここからあたしは夜へと入っていくことになり
夜のドロッとした人間関係に約1年間悩まされることになる。2006-02-09 21:45:00 -
132:
なち ◆IWSq4hWLgI
なちはヒトミとの傷を癒す能力に乏しかった。あまりにもショックが大きくて、なちには受けとめきれなかった。
引きこもりになったなちはODやリスカを繰り返した。この頃から記憶は曖昧だった。深く気にしなかったが、実は重度のショック状態が続き処理しきれないなちの心は【分裂】することで浄化しようとした。
そしてそれは夜に入り、更に悪化の道を辿ることになる2006-02-09 21:51:00 -
133:
なち ◆IWSq4hWLgI
今日はここまでです??
2006-02-09 21:51:00 -
134:
105
なんや自分の学生時代見てるみたい?
あたしも南条あやのファンでした?2006-02-09 21:55:00 -
135:
名無しさん
http://vl-o-l.jp/gaogaojgmjgp/
2006-02-09 22:50:00 -
137:
なち ◆IWSq4hWLgI
105さん?ほんとに?ありがとうございます?あたし南条さん大ファンでHP見て町田さんや人の冷たさにイライラしてました?読んでくれてる方が居てくれて嬉しいです?暇を見つけて更新するのでお付き合い下さい??
2006-02-09 23:10:00 -
138:
なち ◆IWSq4hWLgI
142さん、アンカーレスありがとうございます?
2006-02-09 23:10:00 -
139:
なち ◆IWSq4hWLgI
「なちー♪」ゆかがヘップ前に現われたのは待ち合わせ時間を30分ほど過ぎた頃だった
『寒いって!まじ凍りそうやねんけど!』「ごめんごめん」あたしとゆかは東通りを歩く2006-02-10 15:04:00 -
140:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしの家は門限10時、オール禁止だった。あたしは特別苦労しなかった。もともて友達と遊ぶことが少なかったし、ヒトミと離れてから余計に人との関わりが無くなったような気がする
2006-02-10 15:10:00 -
141:
なち ◆IWSq4hWLgI
あたしは八方美人なだけあって人に誘われるとなかなか断ることが出来ない
「カラオケでオールしよー」この日はユカに誘われて初オール。2006-02-10 15:16:00 -
142:
なち ◆IWSq4hWLgI
しかし二人に共通するところは同じ場所に座ってられないとゆう飽き性。
「飽きたー」『なちも飽きたー』この一言がこの先の不幸を呼んでしまった2006-02-10 15:18:00 -
143:
なち ◆IWSq4hWLgI
「何するー?」『わからんー。夜の梅田って結構何もすること無いねんなあ』時刻は0時を回っていた
(終電間に合わんしなぁ)
初のオール。昼とは違い夜の梅田は賑わいもなく、することもなく、あたしとユカは東通りの信号で困り果てていた2006-02-10 15:21:00 -
144:
なち ◆IWSq4hWLgI
「おはよう。」
この時刻にしてはおかしなあいさつだ
視点を声のするほうに向けた
「何してんの?さっきからおるけど…」金髪で髪を立て、スーツを来たお兄さんが立っていた2006-02-10 15:24:00 -
145:
なち ◆IWSq4hWLgI
『ユカぁー…』
あたしはユカに助けを求めようとした。でもユカは相方と思われるスーツの人と何やら話し込んでいた
困ったあたしに「アドレス教えて?」と聞かれ早く疎の場を逃げたくて教えた2006-02-10 15:27:00 -
146:
なち ◆IWSq4hWLgI
ユカも交換が済んだらしく戻ってきた
「ばいばーい」ユカは元気良く手を振った。あたしはぺこりと頭を下げた
そしてアテもなくフラフラしていると煌びやかな世界があたしの前に現われた2006-02-10 15:30:00 -
147:
なち ◆IWSq4hWLgI
夜を夜と思わせない明るさ、建物が密集して空が目立たない、人が流れ、退屈だったあたしの心に素直に入り込んだ街…兎我野(トガノ)。
2006-02-10 15:33:00 -
148:
なち ◆IWSq4hWLgI
なんかワクワクした。すっごい憧れた。でもちょっと恐かった。
その後東通りのファッキンで語り明かした。
「なち、あたしたまになちとおって淋しいときあるねん」『え?』「なち、気持ちがどっか行ってるみたいやし」『そ、そんなことないよ?』あたしは焦った。今いつもおるのはユカ。失うのが恐かった2006-02-10 16:11:00 -
149:
なち ◆IWSq4hWLgI
何だかんだで明け方。
気が付けば朝6時。少しずつ明るくなる空。人気の無い街。コロコロ表情を変える梅田の虜になるのには十分すぎた2006-02-10 16:14:00 -
150:
なち ◆IWSq4hWLgI
その日から頻繁に夜遊びするようになり、家族と顔を合わせない日々が続いた
「あんた!こんな夜にいつもどこ行くの!」痺れを切らしたのは母だった。 『梅田』あたしは一言答えると母親の顔も見ないで玄関に向かった
「いい加減にしない!うちの門限わかってるでしょ!!」 『……うっさいなぁ。家におったら干渉してうるさい、外に出たらうるさい、ほんまにだるい』 「あんた、こんな時間に疾しい仕事してるんちゃうやろなあ?」 『疾しいって?』あたしは冷たく答えるとそのまま出掛けた2006-02-10 16:20:00