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1:
◆ObanGQEW7M
10月―ミナミ
寒い、昨日までとは打って変わって寒い。
アキは自転車で店まで向かっていた。
アキの家から、アキがレギュラーで勤めているキャバまでは自転車で10分くらいだった。2005-11-02 04:59:00 -
150:
◆ObanGQEW7M
「あのさぁ、それってどーゆー意味で言ってるワケ?」
アキは少しドキドキしながら聞いた。
このドキドキはなんだろぉ……2005-11-14 11:10:00 -
151:
◆ObanGQEW7M
「だからオレは愛のないセックスはせぇへんって言ったやん。」
マサキはさらっと答える。さらっとしすぎて…
「なんか嘘っぽいんですけど」と、アキは笑った。2005-11-14 11:13:00 -
152:
◆ObanGQEW7M
「そぉやねん。オレ嘘っぽいってよぉ言われんねん。」マサキも笑って言った。
そぉか。マサキの意味深な発言は、アキを好きとかそんなレベルじゃなくて、アキを和ませてくれる1つの手段なんや。2005-11-14 11:15:00 -
153:
◆ObanGQEW7M
アキは1人で納得した。
水商売独特のグレーゾーンみたいな…営業としての意味深な発言なんや。
そうじゃなかったら、マサキが本気でアキにそんな事言うはずないやん…。2005-11-14 11:17:00 -
154:
◆ObanGQEW7M
アキは携帯をふと見ると、いつの間にかメールが来ていた。
だれやろ??
━新着メール カズヤ━
カズヤ??2005-11-14 11:19:00 -
155:
◆ObanGQEW7M
『アキは流されてしまったんやね?』
こいつも意味深な……
アキはうなだれた。2005-11-14 11:21:00 -
156:
◆ObanGQEW7M
「ちょっと、電話してくる」アキは携帯をプラプラふりながらグロウの外へ出た。
カズヤに発信すると大塚愛のプラネタリウムが流れた。
ボーっと聴いていたら『はい』とカズヤの暗い声に変わった。2005-11-14 11:24:00 -
157:
◆ObanGQEW7M
カズヤに発信してるのだから当たり前なのだが、大塚愛に聴き入ってしまってたアキは、びっくりしてきょどってしまった。
「あっ、あっ、あのさぁ」
カズヤから返事はない。2005-11-14 11:26:00 -
159:
◆ObanGQEW7M
「流されてしまった、ってどういう意味なん?」
『そのまんまやて。それすらも分からんくなったん?』
カズヤはよくこういう言い方をする。嫌いな所。2005-11-14 11:28:00 -
160:
◆ObanGQEW7M
アキはイライラしながら言った。
「分からんから聞いてるんやん。何?」
『アキさぁ、実家帰った方が良いで。』2005-11-14 11:30:00 -
161:
◆ObanGQEW7M
マサキはイライラしながらアキの飲みかけの焼酎ロックを眺めていた。
オレの言い方が悪いのか…?なんでアキはなんだかんだ言って彼氏をかまうか分からへん……。今もメールを見て電話をしに行ったけど、あれは彼氏やろ……。あかん、気になる!
マサキもグロウを出てアキが電話している所に来た。2005-11-14 11:35:00 -
162:
◆ObanGQEW7M
丸まりながら電話しているアキの背中は小さい。
マサキはアキの顔を覗き込んだ。
「…!?」
アキはマサキと目が合うと、すぐに視線をそらし電話口に小さく返事をしながら泣いていた。2005-11-14 11:37:00 -
163:
◆ObanGQEW7M
マサキはアキの頭を2回ほど撫で、グロウにティッシュを取りに行った。
戻って来たら同じ場所にアキはいなかった。
なんでやねん……。
ティッシュ片手にマサキはうなだれた。2005-11-14 11:39:00 -
164:
◆ObanGQEW7M
アキに初めて会った時、マサキは元カノを思い出した。
名前もアキ。背が小さく、気が強く、ワガママだけど素直。アキにそっくりな性格。雰囲気も似ていた。唯一結婚を考えたオンナ。
他人と分かっていても気になる。2005-11-14 11:44:00 -
165:
◆ObanGQEW7M
彼氏がいてるって聞いた時はショックだったが、今は別れたと言っている。
とゆうか、別れて欲しい。
だけど当のアキはウジウジしてるしオレの事もどう思ってるのか……2005-11-14 11:47:00 -
166:
◆ObanGQEW7M
マサキが1人考え込んでいると、アキが戻ってきた。
「彼氏なんて?」
マサキは聞かずにはいられなかった。2005-11-14 11:49:00 -
167:
◆ObanGQEW7M
エラーが多くなって来たのでまた夕方書きます??
2005-11-14 11:50:00 -
168:
◆ObanGQEW7M
アキは「流されてしまった」という話をマサキに話しだした。
アキは夢があって大阪に出てきた。その貯金の為に1度辞めたキャバをまた始めた。でもキャバ嬢生活で学校に行かなくなった事、貯金して余ったお金で夜遊びばっか始めた事…カズヤが言いたかったのは、アキがまわりに流されてキャバ嬢生活満喫しているという事らしい。2005-11-14 12:52:00 -
169:
◆ObanGQEW7M
アキはそのカズヤの話を聞いて「目からウロコが飛び出た」と言った。
「こんなにアキの事考えてると思ってなかった」と。2005-11-14 12:55:00 -
170:
◆ObanGQEW7M
イラつく……。マサキはそんな表情をしていた。だがアキは続けた。
「なんかそれ聞いたら、涙出てきて…そこまでアキの事考えててくれたのに、アキはそんな気持ち気付いてあげれんかったんやなって。」2005-11-14 12:58:00 -
171:
◆ObanGQEW7M
「で、ヨリ戻すん?」
マサキは冷たく言った。
アキは何も言わず、首を横に振った。
「戻さんの?」
「戻しても無理やと思う」2005-11-14 13:00:00 -
172:
◆ObanGQEW7M
「だって、アキ、続ける自信ない…」
ないケド、カズヤの事が頭から離れない…。電話の時カズヤは別れる事を納得してくれた。結局、アキが頑張って働いてもカズヤが腑甲斐ない所為でカズヤの生活まで支えさていた事やカズヤが寂しい思いをさせたから夜遊びするようになってしまった事、全てカズヤが悪かったと、カズヤ自身が納得してくれた。2005-11-14 13:07:00 -
173:
◆ObanGQEW7M
だけど本当にそれだけ?カズヤの所為にしてるだけじゃない?アキの頭の中にはグルグルと考えがよぎる。
カズヤの為にアキがしてあげれる事ってそんなんじゃなかったんじゃない?2005-11-14 13:09:00 -
174:
◆ObanGQEW7M
アキは浮かんでくる後悔がアルコールと一緒に頭の中を反芻してるのが分かった。
カズヤに会わなきゃ…
「帰る。」
アキはぼそっとマサキに言った。2005-11-14 13:11:00 -
175:
◆ObanGQEW7M
「はぁ!?帰るって!?どこに!?」
マサキが驚いた様子でアキの近くに来た。
「自分の家だよ。」
「自分の家って彼氏いてるんやろ!?」2005-11-14 13:13:00 -
176:
◆ObanGQEW7M
アキは何も言わずバッグを手に取り出口に向かった。
マサキがアキの手をつかむ。2005-11-14 13:14:00 -
177:
◆ObanGQEW7M
「離して。」アキはマサキを見ずに穏やかに言う。
「いや。」
意味が分かんない。マサキが止める必要なんてないやん。アキは思ったが言わずにマサキの方を見た。2005-11-14 13:16:00 -
178:
◆ObanGQEW7M
「離して!」マサキをニラんで、今度はキツく言ってみる。
マサキは何も言わずアキを抱き締めた。
「何のドラマやねん。」アキはわざと茶化してマサキから離れようとした。2005-11-14 13:18:00 -
179:
◆ObanGQEW7M
マサキは茶化すアキなど無視してキスしてきた。
この人はいつも……いつも乱暴や。
昨日と言い今日と言い、マサキのキスは強引で乱暴。でもアキは嫌いじゃない。2005-11-14 13:20:00 -
180:
◆ObanGQEW7M
マサキから離れながら宥めた。
「はいはい、なんやねん。なんでチューすんねん。」
「行って欲しくない。彼氏んとこに」
「なんで?」2005-11-14 13:21:00 -
181:
◆ObanGQEW7M
「………」
マサキは答えなかった。
やっぱり。別にマサキはアキが好きとかじゃない。グレーゾーンやなぁ。
アキは何も言わないマサキを置いて、グロウを出た。2005-11-14 13:23:00 -
182:
◆ObanGQEW7M
すぐにタクシーを捕まえ、新地を後にする。
追い掛けてきたりしないよね、やっぱり。
アキには、マサキの行動は、ただの仕事の一貫にしか思えなかった。2005-11-14 13:24:00 -
183:
◆ObanGQEW7M
グロウはホストじゃない。でもマサキは元ホストで、その2年間はずっと?1だったらしい。営業のかけ方なんてナンボでも知ってる。例えバーでもマサキに恋愛感情がある人はマサキに会いに飲みに行く。失恋したり寂しい女の子がいれば、そうなる様にマサキだって仕込める。
2005-11-14 13:27:00 -
184:
◆ObanGQEW7M
アキはタクシーの中で、そんな事を考えながらタバコに火をつけた。
マサキはソファに座って考えていた。2005-11-14 13:30:00 -
185:
◆ObanGQEW7M
アキはどうして彼氏のとこに…??てゆうかオレはどうしたいん…??アキの事好きかなんて分からん。けどほっとかれへん。彼氏がどんなヤツか知らんけど、明らかヒモやん。なんでアキは…
2005-11-14 13:34:00 -
186:
◆ObanGQEW7M
タクシーは10分程でアキのマンションに着いた。さすが早朝。
アキは急ぐ気持ちを押さえながら部屋に急ぐ。
部屋ではカズヤがスヤスヤと寝ていた。2005-11-14 13:36:00 -
187:
◆ObanGQEW7M
アキはその隣に座りこんで、カズヤを見ていた。スヤスヤと寝ているカズヤを見ていたら涙が溢れてきた。
「ごめんね……」
鼻をすする声でカズヤが目を覚ます。2005-11-14 13:38:00 -
188:
◆ObanGQEW7M
「……アキ?」
「カズヤ、ごめんね」
カズヤの手は寝呆けているのかアキを探している。アキがその手に触れるとカズヤは強い力でアキを引き寄せた。2005-11-14 13:41:00 -
189:
◆ObanGQEW7M
「カズヤ……」
やっぱりカズヤにはアキがいなきゃダメなんや…。
アキはそんな事を思いながらカズヤの胸の中で眠った。2005-11-14 13:42:00 -
190:
◆ObanGQEW7M
朝になり、いつもの時間にカズヤが仕事に向かった。いつもと違うのは、すごくアキを大事にしてくれる所。いつものキツい言い方なんてしない。仕事中も出来る限りアキに電話してくる。
2005-11-14 13:44:00 -
191:
◆ObanGQEW7M
アキにとって、アキの事大切に思ってくれてんやなぁって直に伝わって嬉しかった。
だけど…何か物足りなかった。
ふとした時に考えてしまう。マサキの事……。2005-11-14 13:46:00 -
192:
◆ObanGQEW7M
マサキの行動は営業の一貫、と思ってもどこかで考えてしまう。好きになっちゃダメって思ったのに……自分が分からない。
カズヤも大切、だけどマサキの事ばかり考えている。2005-11-14 13:50:00 -
193:
◆ObanGQEW7M
夕方になってマサキから電話がかかってきた。
「どうなったん?」
「よぉ、わからん。」
「とりあえず、来いよ」2005-11-14 13:51:00 -
194:
◆ObanGQEW7M
やっぱり、店に呼ぶんや。
そう思いながらもアキはタクシーに乗っていた。
グロウにつくと、ヒカリサンがいた。2005-11-14 13:53:00 -
195:
◆ObanGQEW7M
「アキチャン店休んでるケド大丈夫?」
大丈夫じゃない。だけど出勤する気もせぇへんし、何よりこの時間はグロウについつい来てしまう。
「無欠やからヤバイっすよね〜」2005-11-14 13:55:00 -
196:
◆ObanGQEW7M
アキは苦笑いを浮かべた。
「彼氏サンとどうなったの?」ヒカリサンは直球で聞いてきた。マサキは何も言わず洗い物をしたりグラスを拭いたり…客は相変わらずいない。2005-11-14 13:57:00 -
197:
◆ObanGQEW7M
アキは昨日の話をとりあえず簡潔に話した。マサキへの気持ちは言わないでおいた。
「アキの事考えてくれてるし、彼氏にもアキがいなきゃダメなんやと思って……でも一緒にいると、前とは違うシンドさがあるんです」2005-11-14 14:00:00 -
198:
◆ObanGQEW7M
「そっか。やっぱりそれって情なんじゃない?」
「情、ですか?」
「恋愛で何かをしてあげたい、とかも大事やと思うけど、してあげなきゃ、いてあげなきゃってのは、違うと思うねん」2005-11-14 14:02:00 -
199:
◆ObanGQEW7M
ヒカリサンは続けた。
「アキチャンがそれで幸せなら良いねん。でもシンドイんやろ?はっきり言って、今のアキチャンには彼氏サンを支え続ける器の大きさはないと思う。」2005-11-14 14:06:00 -
200:
◆ObanGQEW7M
「器の大きさ…?」
「彼氏サンがもう少し甲斐性のある人なら話は別やけど、このまま続けてもまた同じコトの繰り返しやで?」
黙っていたマサキが付け加えて言う。
「どっちかが変わらんと」2005-11-14 14:08:00 -
201:
◆ObanGQEW7M
アキはマサキに言った。
「彼氏は変わろうとしてんねん。明らかに態度違うし…優しいし。」
「アホやなぁ、そんなんすぐ元に戻るで。取り繕ってるだけやん。」2005-11-14 14:10:00 -
202:
◆ObanGQEW7M
確かに…。アキが思ったらヒカリサンはまた話し始めた。
「アキチャンがそうやって、すぐ彼氏サンのとこに戻ったら、意味がないと思う。」2005-11-14 14:15:00 -
203:
◆ObanGQEW7M
「好き同士でも別れなアカン時はあんねんって事や」
マサキがぽつりと言った。その時アキの携帯がブルった。
━着信 カズヤ━2005-11-14 14:18:00 -
204:
◆ObanGQEW7M
「あ…で、電話してくる」
アキは慌てて携帯を握り締めグロウを出た。
「は、はい」
「アキ?何しとん?帰ってこんの?」2005-11-14 15:37:00 -
205:
◆ObanGQEW7M
「…カズヤ!ごめん、やぱ無理…」
「はぁッッ!?」
「カズヤは大切やけど、やぱ2人でいたらアカンねん。2人の為に……」2005-11-14 15:38:00 -
206:
◆ObanGQEW7M
「なんでなん?オレ仕事頑張るって言ったやん。あと2ヵ月もすれば、給料もまともに出るようになるって。そうすればアキもキャバ続ける必要ないし、学校中心でやってける。2人の為ならそれが良いやん。」
「でも…アカンねん。」2005-11-14 15:41:00 -
207:
◆ObanGQEW7M
「ごめんな!」
それだけ言ってアキは電話を切った。電源も切った。
さよならカズヤ。2005-11-14 15:42:00 -
208:
◆ObanGQEW7M
グロウに戻ったアキは、また飲んだ。飲んで飲んで、気付いたらヒカリサンは帰っていた。マサキが部屋に帰れないなら漫喫行こうと誘ってきたので一緒に漫喫に行くことにした。
2005-11-14 15:45:00 -
209:
◆ObanGQEW7M
外に出ると平日の朝7時は慌ただしかった。
「この、朝の雰囲気って、夜の人間からしたら、なんか申し訳ないよね〜」
とあっけらかんと言うアキに、マサキは真面目な顔で答えた。2005-11-14 15:46:00 -
210:
◆ObanGQEW7M
「アキ、好きや」
「はっ?すき屋?行きたいの?」大真面目で答えた。
「ばか。オレ、多分アキが好きやねん」2005-11-14 15:48:00 -
211:
◆ObanGQEW7M
アキは難しい顔をした。
「多分、じゃ嫌や。でも会って数回で絶対も嘘くさい。」
うん、うん、とマサキは小さく返事をする。2005-11-14 15:49:00 -
212:
◆ObanGQEW7M
「てゆうか、別れたからって、こんなすぐ誰かと付き合うのも…マサキはぶっちゃけ好きやけど、そんな好きじゃないかもしれん。付き合ってから、何か違うとか言いたくないし。」
「オレは、そんな風に思わせん。何か違うなんて思わせんようにする!」2005-11-14 15:52:00 -
213:
◆ObanGQEW7M
マサキのそうゆう、強引っぽいトコ好き。だけどそんな簡単に言わんといてよ。
アキは言わなかった。何も返事もせず、話を変えた。漫喫に入り2人でDVDを見て、カズヤが出勤したであろう時間を見計らって部屋に戻った。2005-11-14 15:54:00 -
214:
◆ObanGQEW7M
見慣れた部屋に入ると、何か嫌な予感。
白い靴がある……まさか。
すっかり昼下がりだと言うのにカズヤ爆睡。2005-11-15 12:23:00 -
215:
◆ObanGQEW7M
カズヤはもともと寝坊すけ。アキが起こさないと起きれない。
「ちょ〜カズヤ〜遅刻やで〜」
呆れながらカズヤの体を揺すろうとする……ん!?2005-11-15 12:25:00 -
216:
◆ObanGQEW7M
寝相が悪いのは前からだけど、にしては寝方が変…。揺すっても返事なし。
ある予感がアキの頭を過り、アキはぱっと周りを見渡した。
━━予感的中Σ( ̄□ ̄;2005-11-15 12:28:00 -
217:
◆ObanGQEW7M
アキの目には、無造作に置かれている薬のゴミが映った。
それがあの薬だという事も、なぜかすぐ分かった。
あの薬……カズヤが最近スカウト仲間からもらった、眠剤だった。2005-11-15 12:30:00 -
218:
◆ObanGQEW7M
カズヤはもともとハルシオンを常用していた。もうハルシオンくらいの眠剤じゃ寝れなくなっていた。アキと付き合う前の話。
ちょっとヤンチャなカズヤのスカウト仲間は、普通じゃ手に入らないよな強さの眠剤を持っていて、それでヤンチャをしていたらしい。
カズヤが寝付けない話を聞いてハルシオンより強い、その眠剤をくれたってワケ。2005-11-15 12:37:00 -
219:
◆ObanGQEW7M
でもその薬、眠剤慣れしてないアキが半錠飲んだだけで、記憶とびましたよね〜。笑
眠剤慣れしてるカズヤは一体何錠飲んだんですか〜?
なんて悠長な事考えてる場合じゃないかも……2005-11-15 12:40:00 -
220:
◆ObanGQEW7M
なんだかよく分からないアキは、とりあえずカズヤをかなり揺すって、寝呆けているカズヤにお茶を飲ませた。
「おはよー。何時ぃー?」2005-11-15 12:41:00 -
221:
◆ObanGQEW7M
カズヤは、ちょっと頭の悪い子みたいな話し方になっている。
「自分、あきらか遅刻やで!」
いつもなら慌てる遅刻という言葉にも動じない。2005-11-15 12:42:00 -
222:
◆ObanGQEW7M
「あ〜そぉ〜……」
ってまた寝るんかい!カズヤがここにいたらアキが寝れないっしょ!早く出勤して!!
そんな事を考えながらアキは、寝ようとするカズヤの体を支え、揺らし続ける。2005-11-15 12:44:00 -
223:
◆ObanGQEW7M
「起きて起きて起きて」
「あ、あ、わ、か、た、か、ら。」
揺らされながらカズヤは返事をした。
なんとか立ち上がったが、壁にぶつかった。2005-11-15 12:46:00 -
224:
◆ObanGQEW7M
カズヤはびっくりするぐらいフラフラだった。
こりゃあ〜砕いて少量をお酒に混ぜたら、なんぼでもヤンチャ出来るなぁ。
「で、何錠飲んだん?」2005-11-15 12:48:00 -
225:
◆ObanGQEW7M
「!?」
アキにバレてないと思ったのかカズヤは狼狽して、ゴミ箱みたの?とかワケの分からない返事をしてきた。
「何錠?」
アキがもう1度尋ねる。2005-11-15 12:50:00 -
226:
◆ObanGQEW7M
「全部。」
バツが悪そうにカズヤは答える。
はぁ〜!?いくら眠剤慣れしてるって言っても、強いですから最初は1錠にしてくださいねってスカウト仲間が言ってたって言ったやん!
「意味わからんわ……」2005-11-15 12:52:00 -
227:
◆ObanGQEW7M
カズヤはフラフラしながらも頑張って着替えている。
ハァァ〜……
カズヤを責めるのはやめよう。こんな事させたのは誰でもないアキ自身なんやし。カズヤのメンタルが弱いのは分かってた事なんやで。2005-11-15 12:55:00 -
228:
◆ObanGQEW7M
アキがボーっとカズヤを眺めていると、カズヤはフラッと倒れそうになった。
アキは慌ててカズヤを支えた。
「あ〜ごめ〜ん。もぉ大丈夫〜。」2005-11-15 12:57:00 -
229:
◆ObanGQEW7M
「大丈夫じゃないやんッッ」
アキはなんだかカズヤが愛しくなって、そのままキュゥッと抱き締めた。
カズヤは何も言わないで、そのままアキにもたれている。2005-11-15 12:58:00 -
230:
◆ObanGQEW7M
わかんない。
ヒカリサンやマサキが言うように、これがただの情だとしても、離れる事がほんまに2人の為なのかな……?
2005-11-15 12:59:00 -
231:
◆ObanGQEW7M
カズヤが出勤してからも、アキは眠れなかった。
ヒカリサンにはマサキとの事は言えない。マサキにはカズヤへの気持ち、上手く説明出来ない。カズヤにも…言いたくない。
カズヤへの気持ち自体がよぉ分からんけど、ヒカリサンやマサキは別れた方が良いって言う…マサキへの気持ちもよぉ分からんけど、アキに後悔させへんて言ってくれる。2005-11-15 13:05:00 -
233:
???
頑張れ?
2005-11-15 20:02:00 -
234:
◆ObanGQEW7M
???サマ ありがとぉこざいマス???
2005-11-16 12:03:00 -
235:
◆ObanGQEW7M
夕方になり、アキがウトウトしていると…携帯がバイブる。
あぁ、マナーのままやった。
着信はヒカリサンだ。2005-11-16 12:05:00 -
236:
◆ObanGQEW7M
「…ざいまぁす。」
寝呆けながら電話にでると
「おぁよ〜」
ヒカリサンも寝呆けている。2005-11-16 12:06:00 -
237:
◆ObanGQEW7M
他愛もない会話を少しした後、ヒカリサンはカズヤの事を聞いてきた。
アキはカズヤが眠剤を飲んだから、昼に会ってしまった話をした。
「それで、実際会ったら、やっぱり苦しいんです。胸が。」2005-11-16 12:08:00 -
238:
◆ObanGQEW7M
「そりゃあ、人間誰だって別れる時は辛いよ。特に別れを言う方は。」
カズヤとのゴタゴタで、ヒカリサンは本当にアキの親身になってくれていた。アキにはそれが嬉しかった。2005-11-16 12:10:00 -
239:
◆ObanGQEW7M
「とりあえず、今日グロウ集合で。いける?」
「あ、はい…。」
カズヤの事がふと頭に浮かんだ。それに気付いたのか、ヒカリサンは言った。
「だめだめ、アキチャン情にもろいから。彼氏サンに会ったら流されちゃうよ。」2005-11-16 12:12:00 -
240:
◆ObanGQEW7M
まただ。『流される』って言われた。カズヤもアキの事そんな風に言っていた。
アキ自身の考えはないの?アキ自身はどうしたいの?
分からない……。2005-11-16 12:14:00 -
241:
◆ObanGQEW7M
「いらっしゃいませ」
ヒカリサンはまだ来ていなかった。
相変わらず暇な店内にマサキとアキの2人だけ。
「何飲む?」「あぁ、いつもの。…ってアキ常連っぽいし!」
マサキは笑いながら焼酎ロックな?と言った。2005-11-16 12:22:00 -
242:
ぉまめ ◆X/l2UzVPhE
ヒヒヒ発見(。´∀`。)ノしぉり☆
2005-11-16 12:25:00 -
243:
◆ObanGQEW7M
「…で?彼氏とどぉなったん??」
マサキはロックグラスをアキの前に置いて聞いてきた。
「どぉもなってへんよ…ただ、ちょっと心配やねん。」
心配?マサキは鸚鵡返しした。
アキは、今日のお昼あった話をした。2005-11-16 12:26:00 -
244:
アキ ◆ObanGQEW7M
ぉまめサマッッ?ぁりがとぉござぃマスッッ??そろそろマチコサマ登場かしらぁ?????
2005-11-16 12:28:00 -
245:
◆ObanGQEW7M
「ふ〜ん…でアキは心配やから、彼氏とヨリ戻すってワケ?」
「そぉじゃないよ……でも自分の気持ちが分からへん…。」
アキは本当に考えるのが苦痛になっていた。カズヤの事だけじゃない。マサキの事も…。
知らない間にマサキへの気持ちが大きくなっていた。2005-11-16 12:36:00 -
246:
◆ObanGQEW7M
その時ヒカリサンがヒョコッと入ってきた。
「お疲れッス〜」
「アキチャンもぉ来てたんやぁ。何飲もっかな〜」
ヒカリサンはアキの隣に座って、『とりあえずいつもの』を頼んだ。2005-11-16 12:58:00 -
247:
◆ObanGQEW7M
お疲れの乾杯をして、議題はカズヤの眠剤事件について。
「別に死のうとかじゃなく、ヤケになっただけやと思う…」アキはチビチビ焼酎を体に流し込む。
「う〜ん…」
「てゆうか死ぬ気はないやろ。ただアキに心配さしたかっただけやって。」マサキはペットボトルの烏龍茶を飲む。
「う〜ん……」2005-11-16 13:02:00 -
248:
◆ObanGQEW7M
ヒカリサンは『う〜ん』と相槌をうつのみ。一人で難しい顔をしている。
「何か飲んだら?」「あ、いただきます。」アキとマサキが関係ない話をしていると……
「眠剤を飲んだ理由は何でも良いネンッッ!これからアキチャンがどうしたいかよ!」とヒカリサンが急に大声を出した。2005-11-16 13:07:00 -
249:
◆ObanGQEW7M
「そうやな。」マサキはベーリーズロックを飲みながら答えた。
そうやねんな。分かってんねん。でも…どうしたいかが分からんから悩んでんねん。
アキはボーっと甘くて重い焼酎の味を確かめた。2005-11-16 13:10:00 -
250:
◆ObanGQEW7M
「このままアルコールと一緒に溶けてしまえば良いのに。」
アキの意味不明な発言にマサキとヒカリサンは顔を見合わせた。
「そーときてるな。」
マサキは小さくつぶやいた。2005-11-16 13:12:00 -
251:
◆ObanGQEW7M
「まぁ、溶けてしまうのは無理やから考えよか。これからの事。」
ヒカリサンは変に赤黒い液体をぐいっと飲んでおかわりをした。
「別れるとしても、しばらくは一緒に住まなあかん。貸してたお金もあるし、家具もほとんど彼氏のやし。別れるって決めても会ったら揺らぐねん。」2005-11-16 13:16:00 -
252:
◆ObanGQEW7M
「でもさぁ、今別れんと意味ないねんで?」マサキが言う。
「そうやで。ヒカリは、ヒカリの体験から言うと、今のアキチャンはヨリ戻しても同じコト繰り返すだけやと思う。で、ずっと別れれんくてズルズルするだけ。」ヒカリサンが言う。
「そんなん嫌や……」アキは俯いて言う。2005-11-16 13:19:00 -
253:
◆ObanGQEW7M
「じゃあさぁ、今なら勢いついてるんやし、別れるんなら今じゃね〜の?」マサキはお酒が入ると、ちょっと口が悪くなる。
「そうやで。例え、別れて3ヵ月後に後悔したとしても、別れんくて3ヵ月間、後悔してるよりマシやと思う。3ヵ月後に後悔したら、その時にまた気持ち伝えれば良いやん。その時だめでも、それはそれやで。アキチャンの成長になるよ。彼氏の成長にもなるし。」ヒカリサンは淡々と話した。2005-11-16 13:24:00 -
254:
◆ObanGQEW7M
そぉだよなぁ…。
2人の言ってる事は客観的で、すごく当たり前な事に思える。
その時、またしてもタイミングよく携帯が呼ぶ。
カズヤに違いない。2005-11-16 13:27:00 -
255:
◆ObanGQEW7M
━━着信 カズヤ━━
「ちょ、電話。」
アキはそそくさとグロウの外に出た。
「はい?」
『アキ?今どこ?』2005-11-16 13:30:00 -
256:
◆ObanGQEW7M
「あ〜、飲んでる。」
『また!?ヒカリサン?』
カズヤ、ちょっと不機嫌になった。めんどくさ。
「うん…」
『で、今日帰ってきてくれるんやんな?』
何その言い方。アキの部屋やねんで。
「…………」2005-11-16 13:33:00 -
257:
◆ObanGQEW7M
↑略
何その言い方。アキの部屋やねんで。
「…………」2005-11-16 13:35:00 -
258:
◆ObanGQEW7M
『ねぇっ、アキ!?』
「ごめん、カズヤ。もう無理。ばいばい」
『はぁ!?なんなん!?』キレた…。2005-11-16 13:37:00 -
259:
◆ObanGQEW7M
「怒らんといてぇや。」
『なんなん!?別れるって言ったり、今日の朝は抱き締めるし。なんなん!?』
あらら、今度は半泣き…2005-11-16 13:40:00 -
260:
◆ObanGQEW7M
「そぉやけど。なんか別れようと思うのに会ったら好きやなぁって思ったりするねん。アキも分からんねん!」
『…でも、とりあえず帰って来てや…オレ、また寝れんやん…昨日みたいに…ずっとご飯も食べてないねんで…?なぁ、アキ……』2005-11-16 13:42:00 -
261:
◆ObanGQEW7M
あーあーあー。声が消えそうなってる……。でもそう言われると断れない…。
「わかった。帰るわ。」
納得したのかカズヤは電話を切った。2005-11-16 13:44:00 -
262:
◆ObanGQEW7M
グロウに戻るとヒカリサンのカレシ兼グロウのオーナーのタクチャンが来ていた。
「あ〜!タクチャン久しぶり!」
タクチャンはアキが働いていた店で何回か会った事があった。2005-11-16 13:46:00 -
263:
桃香
(・∀・)っゎかるかな?笑 今全部ヨンダー???楽しみにしとるょ
2005-11-16 13:47:00 -
264:
◆ObanGQEW7M
「アキチャン♪久しぶりやなぁ〜!って、あれ?もぉ帰るん?」
バッグを手にとり、お財布を出そうとするアキにタクチャンは言った。
「ん〜、会ったばっかやけど、今日は。また来るね」2005-11-16 13:48:00 -
265:
◆ObanGQEW7M
それを聞いたマサキがビックリしたように近づいてきた。
「なん?アキ帰るん?って帰るってどこに帰るん?」
マサキはいつのまにか酔っていた。2005-11-16 13:50:00 -
266:
◆ObanGQEW7M
「酒クサッッ!」
「なんなん〜?あかんって!帰ったらアカン!」
マサキは子供のようにアキに言った。
「ん〜帰りマス。」2005-11-16 13:52:00 -
267:
◆ObanGQEW7M
よそよそしいアキに気付いたのかマサキは真剣な顔で「ちょっと来い。」とグロウの外に引っ張っていった。
「ちょ、マサキ、痛いし」アキはグロウの外でマサキの手を振り払った。2005-11-16 13:54:00 -
268:
◆ObanGQEW7M
マサキはイラッとした顔でアキを見た。
「……。」
マサキはまたしても強引にアキを抱き締める。2005-11-16 13:55:00 -
269:
◆ObanGQEW7M
「帰るなよ。」
「マサキ、ごめん。」
「彼氏、部屋にいてるんやろ?」
「うん…。」2005-11-16 13:56:00 -
270:
◆ObanGQEW7M
マサキは強引にキスをしてきた。無理矢理アキの口の中にマサキの舌がからむ。
「んッッ……」
マサキの力は強い。けど、何故かキスは優しく感じる。2005-11-16 13:59:00 -
271:
◆ObanGQEW7M
マサキの口が一瞬離れて、またキスをしようとしてきた。その隙をみて、アキはマサキの口の前に手をおいた。
「ごめんね。」
「オレがスキなん、知ってるやろ?」2005-11-16 14:00:00 -
272:
◆ObanGQEW7M
「いや、知らんけど…」とアキは苦笑いをした。
「言ったやん。」
でも、アナタのスキは、仕事としてじゃないの?
「………」言えなかった。2005-11-16 14:02:00 -
273:
◆ObanGQEW7M
なんだかんだ言って、アキはグロウに来てお酒を飲んでいる。それがある限り、マサキは店長、アキは客。
そうじゃなかったら、マサキみたいな人がアキを好きになるわけないよ……。2005-11-16 14:04:00 -
274:
◆ObanGQEW7M
「アキはオレの事どぉ思ってんの?」
「………。」
分からんないよ。
「…じゃぁ、オレと一緒にいるの、嫌?」2005-11-16 14:07:00 -
275:
◆ObanGQEW7M
「嫌じゃないよ…?てか一緒にいたいよ…。」
って何言ってんのアキ!?それじゃあ好きって言ってるよぉなもんやん。
てか……好きなん?2005-11-16 14:09:00 -
276:
◆ObanGQEW7M
その時、またまた携帯がブルった。
あ〜まただ。時間的に、アキが帰って来なくてしびれをきらしたカズヤかなぁ〜。
ちらっと手にもっていた携帯を見た。予感的中。2005-11-16 14:12:00 -
277:
◆ObanGQEW7M
でも雰囲気的に電話をとれないでいた。4回くらい、切れてはまたかかってきていた。
「電話、彼氏ちゃうん?とりや。」
マサキは低いトーンで言うとグロウではない、どこかへ行った。2005-11-16 14:14:00 -
278:
◆ObanGQEW7M
マサキとは違う方へ向かいながら携帯をみると、すでに7件の不在があった。
全てカズヤだった。
しんどいな…。もう考えるのすら嫌になってきた。
マサキの事、好きなんかな?マサキの事、好きになったら楽なんかな?2005-11-16 14:22:00 -
281:
◆ObanGQEW7M
>>266 桃タァン???レス気付くの遅くてゴメンッッ((((;゚д゚)))ガクガクブルブル レスぁりがとぉッッ???
2005-11-16 19:08:00 -
282:
◆ObanGQEW7M
とりあえずカズヤに電話しなきゃなぁ。
大塚愛のプラネタリウムが流れる。
アキが良い曲っていったらすぐにメロディーコールに設定してくれた。それでカズヤの携帯のアキからの着うたもプラネタリウムにしてた。
カズヤも今、同じ曲を聴いてるんかな?2005-11-16 19:11:00 -
283:
◆ObanGQEW7M
ちょうどワンコーラス終わったくらいでカズヤが出た。
「わざとワンコーラスとらんかったやろ〜」
『うん。アキ聴きたいかなぁって思って♪』
なんだ。元気やん。2005-11-16 19:13:00 -
284:
◆ObanGQEW7M
『帰るのまだかかりそ〜?』
「あーうん、ごめん。ヒカリサンの彼氏来てて、ちょっと話盛り上がってさぁ、抜けれんくて。」
とっさに嘘が出た。2005-11-16 19:15:00 -
285:
◆ObanGQEW7M
『わかった☆あんまり遅くならないでね。ゲームしながら待ってるから。』
「なんか楽しそうやな〜。」
『だってアキが帰ってきてくれるって言ったから☆』
重ッッ………。2005-11-16 19:16:00 -
286:
◆ObanGQEW7M
とりあえずバイバイをして電話を切った。カズヤの明るさが、背後霊に取りつかれた様に体と気分を重くする。
グロウに戻るとマサキはいなかった。
「あ〜、アキチャン、マサキ探してきて〜!」2005-11-16 22:48:00 -
287:
◆ObanGQEW7M
タクチャンに言われ、またグロウを出る。マサキのいる場所はなんとなく予想がついた。
グロウの近くのビルの非常階段。
「サボリですか〜?店長サン。」2005-11-16 22:50:00 -
288:
◆ObanGQEW7M
「なん?おまえ。彼氏とどーなったん。」
ちょっと酔ってるんですか?言葉使いも悪けりゃ態度も悪い。
マサキは非常階段にぐったり横になったまま、ニラむ様にアキをみた。2005-11-16 22:52:00 -
289:
◆ObanGQEW7M
「ヤケ酒?笑」
「酔ってねぇよ。」
横たわるマサキの隣に腰掛けると、マサキは起き上がった。
「帰んの?」2005-11-16 22:53:00 -
290:
◆ObanGQEW7M
「ん〜。やけに明るかったし…」
「ぶっちしろ〜。笑」
「待ってるし、それは無理。苦笑」
マサキは無理矢理アキを向かい合わせに座らせ抱き締めた。2005-11-16 22:56:00 -
291:
◆ObanGQEW7M
「帰って欲しくない。」
「酔ってんの?」
アキはマサキの肩にアゴを乗せて、頭をよしよしした。
「酔ってねぇ。」2005-11-16 22:57:00 -
292:
◆ObanGQEW7M
マサキは真剣な顔だった。冗談じゃない事はアキにも伝わった。
「オレと彼氏、今どっちと一緒にいたいんや?ごちゃごちゃ考えんと、今の気持ち言ってみぃ?」2005-11-16 22:59:00 -
293:
◆ObanGQEW7M
そりゃあ…
「…マサキだよ。」
アキは素直に言った。
「じゃあ帰んなよ。そんな気持ちで、アキは彼氏に会えるワケ?」2005-11-16 23:00:00 -
294:
◆ObanGQEW7M
そぉだよなぁ……。でもカズヤ、楽しみに待ってるし。
「…でも帰んなきゃ。」
「じゃあ行けば!?さっさと行けよ!!もぉおまえなんかいらんわ!!」2005-11-16 23:03:00 -
295:
◆ObanGQEW7M
ビックリした。
マサキにそんな風に言われると思ってなかった。でも仕方がない……。
アキは立ち上がって、その場を去ろうとした時…
マサキのため息が聞こえた。2005-11-16 23:10:00 -
296:
◆ObanGQEW7M
「なんでオレって、いっつも…本気になったオンナには振られんねやろぉ……」
振り替えると、うなだれて小さくなっているマサキが目に入った。
胸が苦しいのが分かる…なんで、自分もこんな気持ちなのにマサキから去ろうとしてんねやろ……。2005-11-16 23:13:00 -
297:
◆ObanGQEW7M
アキは小さくなったマサキに駆け寄り「ごめん。」と言って抱き締めた。
でも、帰らないにしろカズヤには言わなきゃ。カズヤは明日も仕事なのに起きて待ってる。それに、こんな気持ちがあるのに、カズヤとは、きっとやり直せない。2005-11-16 23:16:00 -
298:
◆ObanGQEW7M
アキはマサキから少し離れた場所に行って、カズヤに電話をした。
カズヤも何か嫌な予感がしたのか、プラネタリウムは聴けなかった。
『はい?』
怪訝そうに電話にでた。2005-11-16 23:55:00 -
299:
◆ObanGQEW7M
「もしもし。帰れ…んわ。」
『………』
「………」
沈黙が流れる。2005-11-16 23:56:00 -
300:
◆ObanGQEW7M
『なんでなん?』
バッリ暗い!!
「ごめん。」
『さっき帰るって言ってくれたやん。』2005-11-16 23:58:00